Last Christmas           1
              
              
              
              
              
              
              
              コンラートと過ごせる最後のときに。
              
              最高のイベントがあって、本当に嬉しかった。
              
              
              
              「クリスマス?」
              
              そう不思議そうに首を傾げたあなた。
              
              その後、なんでキリスト教徒でもないきみが、とそういう意味だと分かった。
              
              
              日に日にイルミネーションが増していく町並みを歩いていって、
              段々あなたは日本のクリスマスを理解してくれたようね。
              
              「、きみと二人で過ごしたい。いい?」
              
              そう確認してくれた時には、逆に私が可笑しくなった。
              
              だって、最初にクリスマスの話を持ちかけたのは、私なのに。
              
              なのに、あなたは今更。私には、他にはクリスマスを共に過ごす人なんか、いやしないのに。
              
              「・・・大好きよ、コンラート・・・」
              
              そう甘えて、腕に抱きつくのは、まだ慣れないけれど。
              でも、その後に私の髪を撫でてくれる、あなたの大きな手が好き。
              
              大好きなの、コンラート。
              
              
              だから、・・・・最後の、クリスマスを。
              
              
              
              最高の思い出に、したい。
              
              
              
              
              
              今日も店を待っていてくれるあなたのところに、私は頬を紅潮させて向かった。
              分かるの。
              
              頬が赤らんでる。
              
              だって、嬉しいの。
              
              どれくらい振りだろう、一人じゃないクリスマスって。
              
              それを計画するが、すごく楽しくて。
              
              
              来年は、無いって分かてるから。
              
              だから、今だけはこんなはしゃいだ気持ちでも、いいよね・・・・?
              
              
              
              
              「さて。どうする?俺は日本でのクリスマスって分からないから。が決めて」
              
              そう私の部屋で言ったコンラートに、私は少し寂しいから、グルメ雑誌を押し付けた。
              そしてテレビの画面をPCモードに変える。
              
              キーボードを叩いてアクセスするのは、「恋人 クリスマス」
              
              幾つもHITする。どうしよう、探すのが、嬉しくて、楽しい。
              
              コンラートは、私が渡した雑誌を真剣に見ていた。
              
              「、どれも美味しそうなんだけど。選ぶの、難しいな」
              
              そう気難しそうに見ているコンラートに、思わず微笑んでしまった。
              
              そうね。
              
              いつも、私のお勧めの店しか行ってない。
              
              だから、今回は、あなたの好みの店を決めてもらいたかったのだけれど。
              
              というよりも。私が、あなたの好きな店に行きたかった。
              
              
              どんな料理が本当は好きなのか、分からなかった。
              
              どこへ行っても、「美味しい」というコンラート。
              私が何を作っても、嬉しそうに喜んでくれる。
              
              それはとても幸せだけれど、でもね。
              
              あなたが最後に地球で過ごす、この一大イベントでは。
              思い残すことが無いような、そんな美味しいものを食べてもらいたい。
              
              ところが。
              
              
              
              コンラートは、グルメ雑誌をぱたんと締めて、そして私ににっこりと笑った。
              
              
              「、クリスマスは、俺ときみで料理を作らないか」
              
              ・・・まさか、そう来るとは思わなかった。
              
              そして続く言葉。
              
              「最高のクリスマスにしよう」
              
              にっこりと、あの銀の瞬く瞳で微笑まれたら。
              
              私に対抗すべく手段はない。
              
              
              最後なのに。
              
              いいのね?
              
              
              ならば。
              
              
              一生忘れない、あなたとの一番の思い出にしたい。