White Christmas

 

 

 

 

 

今日は家族全員で夕食を摂る事になっていた。

 

ラディの訓練が終わるのを待ち、彼がシャワーを浴びて、着替えてからパパさんの私室に向かった。

そうそう、ママさんがアステリア城に戻ってきてから、パパさんはあの狭い私室から、もっと大きな部屋へとお引越しをした。

シングルベッドと机と小さな椅子しかない、質素な部屋だったもんね。

皇帝なのに、何であんな小さな部屋なのか、パパさんに聞いたことがある。

するとね、パパさんは恥ずかしそうに、

 

「広い部屋だと、寂しいんだ。セリカが恋しくなるからね」

 

とのご返答。

ううーん、いつまでもラブラブ夫婦。我が両親ながら、羨ましい。わたし達も、そうなれるかな?

隣に歩くラディをそっと見上げたら、彼はわたしの視線に気付き、にこりと笑って髪を撫でてくれた。

 

あったかい、大きな手。それがいつもわたしを包んでくれる。

 

きっと大丈夫。ずっとずっと、仲良くいられる。これから先も。

そう確信して、わたしは嬉しくて、ラディの腕にぶら下がるように抱きついた。

 

 

 

もうすでに、他の家族は集まっていて、料理も並び始めたところだった。

 

「ごめんね、お待たせ!」

 

そうわたしが言い、ラディが引いてくれた椅子に腰掛ける。

大きなテーブルが一つどーんとこの部屋の真ん中に置いてある。10人は座れるほどのテーブル。

 

そこに、一番奥からぐるりと、パパさん、ママさん、イスラン兄さん、由利ちゃん、小さな子供用の椅子にレン、わたし、ラディにシェニム兄さんが座った。

 

「よしよし、全員揃ったね。それでは乾杯をしよう」

 

こうして家族が集まるのがとても嬉しいみたいなパパさんが、グラスを手にして。

それに倣って皆で乾杯した。

 

わたしも、嬉しい。だけど、こうして家族といると、地球の家族を思い出しちゃうな。

 

わたしが記憶を操作して、5歳の時から面倒を見てもらってしまった、地球のお父さんとお母さん。

 

お父さんは、無口で朝ご飯の時に新聞を読んでは、お母さんに怒られていた。

そして、吉田拓郎の大ファンで。毎日CDかけていたっけな。

 

お母さんは、仕事がバリバリ出来るキャリアウーマンで。それでいて、家事は一切手を抜かない厳しい人だった。

だけど恋愛に寛容みたいで、いつもわたしに言っていた。

 

「まだ、彼氏できないの?まだ、男の人、怖い?」

 

そう言って、心配してくれた。

 

 

 

時折、思い出す・・・・・・ううん、忘れたことなんてない。

 

今、目の前にいるパパさんとママさん、間違いなくわたしの両親だって分かってるけど、でも。

 

わたしを育ててくれたのは、あの地球のお父さんとお母さんなんだもの。それを忘れろって言う方が無理。

 

何だかツンと鼻の奥が痛くなってきてしまった。

会いたいのに、会えない。だって、わたしが彼らの記憶を操作して、アステリアに戻ってきたから。

 

わたしの存在を、お父さんとお母さんの記憶から抹消した。

だから、もうわたしのことなんて、二人は覚えていない。

 

会いたくても、会えない・・・・・・まずい、泣きそう。でも駄目。楽しい時間を、皆が過ごしているんだから。

 

必死で違うことを考えようとしていたら、ラディがわたしを覗き込んできた。

 

「どうした、レーリア・・・・・・」

 

そしてはっとして、目を見開いたラディはわたしの手をぎゅっと握ってくれた。

わたし今、どんな顔をしているんだろう。泣きそうになっているままなのかな。そんなの、駄目。

 

わたしは小さく首を振って、ラディに「大丈夫よ」と囁いた。

彼はまだ心配そうだったけど、でもふと宙を見上げ、しばらく逡巡し、由利ちゃんに目を向けた。

その間も、わたしの手を握ったまま。うう、恥ずかしいよ。

 

「宮下さん、そういえばそろそろ地球ではクリスマスだよね?」

 

「え?ああ、そうね。珍しいわね、吉田くんが地球のイベントのことを口にするなんて」

 

「いや、レーリアに堂々とプレゼントを出来る貴重な日だから。レーリアは、贈り物を望んでくれないんだ」

 

そう悪戯っぽくわたしを見下ろしたラディを、恨みがましく見上げた。

だってラディは吉田くんと名乗っていた頃から、プレゼントを色々くれようとしていたけど。どれもこれも、高いものばかりなんだもの。

経済観念が、ちょっとずれているのかな。だから心配になる。わたしはその気持ちだけで充分だもの。

 

「あのね、ラディ・・・・・・」

 

言いかけたわたしに被せるように、ラディは更にパパさんに言った。

 

「陛下、ツリーを城に飾りませんか」

 

「ツリー?なんだね、それは」

 

食い付いたパパさん。ママさんも、面白いことなのかと目を輝かせる。

そこでラディよりも地球では先輩な由利ちゃんが、パパさんたちに地球のクリスマスのことを教えていった。

 

地球・・・・・・というよりも、日本といったほうがいいかもね。宗教色が少ないイベントだから、日本のクリスマスは。

 

説明を聞き、俄然やる気を出したのはママさんで。

 

「楽しそうね!!パーティやりたいわ、久し振りに盛り上がりたい!ねえ、ハルちゃん?」

 

「セリカがその気ならば私は構わないがね。だが、ライトアップとやらはどうする?ここには電気はないぞ」

 

確かに。というか、電気の必要ないものね、アステリアには。魔力があるから。

 

昼間限定に楽しめるツリーになるのかなと思ったわたしに、ラディが軽く手を上げた。

 

「魔力が無い俺が提案するのは何ですが。『言玉』を使ったらどうでしょう」

 

「おおー、確かに!!あいつは派手に光るからなあ。夜に光ったら綺麗だろう」

 

イスラン兄さんがポンと手を打ち合わせると、シェニム兄さんが軽く首を傾げた。

 

「ですが、『言玉』を作れる者は限られていますよ。どれほどの量を生産出来ますかね」

 

「いくつかあればいいさ。真っ暗な闇の中に、蒼と紅と虹色の光がところどころで放たれれば、それだけで充分綺麗だろう」

 

「まあ、それもそうですね。では、それぞれの地域に先触れを出しておきましょう」

 

えええ!決定なの!?

 

何だか呆然としているうちに、話がサクサクと進んでしまい。

 

クリスマス・イン・アステリアが開催されることになってしまった。

どうしてこんなことに・・・・・・?

 

 

 

 

そしてクリスマス伝道師と化した由利ちゃんが、アステリア城内の飾り付けを筆頭になって指示を行い、

一気に何だかクリスマスモードになってきた。

 

城内を歩くだけで、何だかわくわくしてくる。

 

「凄いね、この城の人たちだけが見るのって、もったいないね」

 

「ああ、夜は警備が難しいから無理だけど、昼間は市民に公開することになったよ」

 

ラディの言葉に、わたしはきっと目を輝かせてしまっただろう。だって、子供達に見てもらいたい。

このアステリアとは違う世界の、地球って場所では、こうして12月に楽しいイベントがあるんだよって。

そして、子供達には素敵なプレゼントが・・・・・・

 

プレゼント・・・・・・。

 

あげたいな、アステリアの子供達に。だけど、わたし、そこまでお金を自由に出来るのかな。

というか、していいのかな。一過の感情で、国家のお金を動かしちゃうって良くないよね。

 

ううーん・・・・・・。

 

 

 

 

 

そして迎えたクリスマスイブ。

 

すっかりと緑と赤のクリスマスカラーで可愛らしく飾り付けされたアステリア城。

 

そして朝からわたしは由利ちゃんに狩り出され、クッキー作りを手伝わされた。

小麦粉と卵とバターと牛乳。このアステリアにもある材料で似たようなのを探し出した由利ちゃんの指示のもと、かなりの量のクッキーが出来上がった。

それをどうするんだろうと思っていたら、一個一個包装して、バスケットにいくつにも分けて詰め込んでいた。

 

「どうするの?由利ちゃん」

 

そう聞いても、由利ちゃんはにやにやと笑って教えてくれない。

だけど、午後3時になって、やっと分かった。

 

 

さすがにもみの木はないけど、アステリア城で一番大きな木に飾り付けられたたくさんのオーナメントと『言玉』。

今は光ってないけど、でも丸くてキラキラしたそれは、飾りのアクセントになっていて綺麗だった。

 

その下には、凄まじい数の子供達が集結していて。それを見てびっくりした私に、由利ちゃんが私にバスケットを手渡した。

 

「はい、彩花」

 

「え、これ・・・・・・・?」

 

「皇帝陛下とイスラン、それからあんたが配るのよ」

 

「誰に?」

 

「クリスマスの主役たちによ」

 

凄い!凄いよ由利ちゃん!!

そっか、クリスマスの主役っていったら子供だもんね。

 

異世界の珍しいお菓子を、皇帝陛下と皇太子陛下と、・・・・・・それから自分で言うのは恥ずかしいけど、『祝福の女神』からもらえたら。

それは市井の子供達にしたら、一生の思い出になるはず。

 

しかもそれ、そのお菓子は皇太子妃であり、ティリシア領主の手作りだなんて!

 

わたしが感動して由利ちゃんを見上げていると、彼女はレンを抱いて顔をほのかに赤くして、私のお尻を蹴り飛ばした。

 

「ほら!早く行きなさいって!待ってるじゃないの、主役達!」

 

あはは、照れてるし。由利ちゃんのこういうところ、大好き。

わたしはくすくす笑って、バスケットから一つクッキーを取り出した。そしてそれを、レンの手に握らせる。

 

「はい、レン。メリークリスマス」

 

「あー・・・・・だ?」

 

ふふ、まだレンには分からないよね。だけど凄い魔力を秘めているらしいレン。

これから無事にすくすく育って、いつかこのアステリアを護っていけるような強い心を育てていって欲しいな。

 

あ、そうだ、そそ。

 

レンは、わたしやシェニム兄さんに抱かれると大泣きするんだけど、それには訳があって。

レン自身の強い魔力と、わたしとシェニム兄さんの持つ魔力に反応して泣いてしまうんだそうだ・・・・・・とは、パパさんの見解。

 

そうだったんだ。わたしが嫌いなわけじゃないのねって思ったら、何だかほっとして、ますますレンが可愛くなった。

 

そしてそれから、わたしとイスラン兄さんとパパさんは臨時サンタさんみたいに、子供達にクッキーを配り歩いて。

ラディは子供達にティナを乗せてあげたりして。

他の『蒼の疾風』の皆も、自分の馬に同乗させて、あちこちで子供の賑やかな嬌声が聞こえた。

 

それに、ご馳走もたくさん振舞われた。

オープンキッチンで料理人たちが張り切って作った料理が、どんどこと中庭に運ばれて、一般市民たちが嬉しそうに、楽しそうに過ごしている。

 

こんなアステリア城を見たの、初めて。

 

すごく嬉しくて楽しかった。

 

クッキーを配り終えて、中庭が見渡せる城の二階に上ってベランダで休んでいたら、下から大きな声が聞こえてきた。

 

「祝福の女神様!」

 

幼い声。ひょいと下を除くと、この寒いのに短パンを履いた男の子が、ほっぺたを真っ赤にしてわたしを見上げていた。

 

「なあに!?」

 

負けじと大きな声で返すと、彼は生え変わりなのかな、欠けた前歯でにかっと笑って食べかけのクッキーを上に上げた。

 

「美味しかった!!来年も食べたいな!」

 

「そう、良かった。ならティリシアの領主様にお願いしておくからね?」

 

そう微笑むと、彼はもじもじしている。首を傾げたわたしに、もう一度見上げたその子の眼差しは、僅かに真摯を帯びていて、どきりとする。

 

「女神様、もうずっと、ここにいる!?」

 

「え?」

 

「もう、他の世界に行かないで!ずっと、アステリアにいてね!!」

 

そう言うや、男の子は踵を返して走り出してしまった。

 

 

 

他の世界に、行かないで。

 

 

 

その言葉が、頭の中で鳴り響く。

 

 

 

 

わたしは、そう・・・・・・・ずっと地球に帰りたいと心の底で思っていた。それを見破られたような気がした。

誰にも言わなかったのに。

悟られないようにしていたのに。

 

 

帰りたい。

 

だって、5歳からずっと過ごしてきたのよ。大人になるまで、ずっと。

 

 

だけど・・・・・・・・そうね。わたしが必要とされているのは、この地。

それが分かっていたからこそ、わたしはアステリアで生きていくことを選んだ。

 

 

欄干を握ったわたしの手に、ぽつりと雫が零れ落ちた。

 

悲しい涙じゃない。

 

感謝の涙だった。

 

 

 

わたしが、ここで必要とされている。

 

そのことを、改めて気付かせてくれた、あの名前も分からない男の子に。

心から、感謝した。

 

 

 

「ずっと、いるわ。アステリアに・・・・・・・」

 

 

この日、この瞬間。やっとわたしは地球への未練を断ち切れたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になり、一般市民への城の公開が終わった。

嵐が去ったような静けさが、城内に残る。

 

「凄かったなあ、子供達のパワー。あいつらのどれくらいが軍に来てくれんのか、楽しみだな」

 

そう嬉しそうに笑うイスラン兄さんに、シェニム兄さんが時計を見上げて、

 

「兄上、そろそろいい頃合ではないかと」

 

「おう、そうか。んじゃ皆、ツリーに注目ー!」

 

わたし達、城で生活するもの全員が、この中庭に集結していた。

 

その他にも、『言玉』を提供した者もいる。

 

「んじゃ、開封すんぞ」

 

『言玉』は、送る相手を決めて、その相手が認めてから言葉を発するようになっている。

だから、このツリーに飾られている『言玉』のあて先は皆、イスラン兄さんになっているんだった。

 

イスラン兄さんの合図により、一斉に、蒼、紅、虹の色の『言玉』がフラッシュしていく。

ピコーンピコーン・・・・・・まるで、ウルトラマンのカラータイマーみたいに。

 

それが夜の闇夜に照らされて、とても幻想的で綺麗だった。

 

それをぽう、と見上げていたら、ふいに肩が引き寄せられた。

びっくりして横を見ると、『蒼の疾風』の隊服のままのラディが、わたしの肩を抱き寄せていた。

 

「地球のツリーとは微妙に違うけど、でもこれはこれで、アステリアのツリーなんだよな」

 

「うん・・・・・・そうだね」

 

「綺麗だな・・・・・・」

 

「そうだね」

 

貧困な返答。自分自身で笑っちゃう。だけど、他に言葉がいらないような気がしたの。

 

だってこの中庭も、静まり返っている。

皆、黙りこくってただ、ツリーを見上げていた。

 

わたしもそのツリーを見上げていたら、ふいに首筋がひんやりとして、驚いて目を見開いた。

 

「え・・・・・・!?」

 

「レーリア、メリークリスマス」

 

 

ラディは少し恥ずかしそうに、そう言った。

 

わたしは驚きながらも、首筋に手を当てた。

そこに冷たい鎖・・・・・・ネックレス?

 

見下ろすと、小さなハート型のペンダントトップが見えた。

 

まさか・・・・・・まさかティファニー!?

 

「ラ、ラディ、ここここ、これって!」

 

「うん、地球に行って、ネットで調べてきた。女の子が欲しいプレゼントって何だろうと思って」

 

また!?またネットで調べたの!?ああいうのって、高いのばかり載っているのに!

 

というか、一人で地球に行ってきたの?いつの間に!

 

嬉しいのと恥ずかしいのと相まって、わたしは思わず叫んでいた。

 

「ずるい、ラディばっかり地球に行って!!」

 

「あはは、ごめん。でも、レーリアはまだ帰るのは辛いのかなと思って」

 

「え?辛いって・・・・・・」

 

「でももう大丈夫そうだね。明日のクリスマス本番。二人でこっそり地球で過ごそうか?」

 

そう囁いたラディの声。まるで吉田くんって呼びたくなるほど、あの頃のまま。

 

わたしはラディに抱きついて、大きく頷いた。そして、大きなツリーを再び見上げた。

 

 

 

 

素敵なクリスマス。

 

アステリアでも、地球でも。ワガママ言ってもいいかな?両方で、楽しく過ごしたい。

 

 

 

「ありがとね、ラディ」

 

わたしのために、このイベントを提案してくれた優しいあなたに感謝して。

 

そしてわたしのことをいつも考えてくれるあなたに、最大限の想いをこめて。

 

 

「愛してる。これから先、永遠に」

 

囁いた唇が塞がれるのは、間もなくだった。

 

「俺も。永遠に、きみだけを愛してる」

 

 

 

クリスマス・イン・アステリア。

 

どうやら大成功だったみたい。

 

 

そしてわたしから、感謝の気持ちをこめて、アステリアの皆にクリスマスプレゼントを贈る事にした。

 

ラディから少しだけ離れて、両手を満天の星空に向けて掲げた。

そして瞳を閉じて、氷の結晶を脳裏に思い描く。

 

 

雪雲よ、この地に集まれ。

 

 

わたしの体が淡い光に包まれているのだろう。感嘆のような歓声が聞こえてくる。

待っててね、もう少し。

 

そしてやがて、わたしの頬に冷たいものがひやりと当たった。

 

完成、かな?

 

 

手を下ろして空を見上げると、白い粉雪がはらはらと舞い降りる。

 

 

「うわあ、雪だ!!」

 

「綺麗だねえ!」

 

「凄い凄い!」

 

 

城の皆、喜んでくれている。

わたしの家族は、わたしを見て苦笑しているけど、どうやら魔力を盛大に使ってしまっても、今日は怒られないで済みそう。

 

 

「レーリア、考えたね。素敵なプレゼントだ。ほら、皆嬉しそうだよ」

 

「うん。わたしの力も、たまには役に立つでしょ?」

 

そう悪戯っぽく言ったら、ラディに額を突かれてしまった。

 

「明日は変装以外では、魔力の使用禁止。いいね?」

 

あらら、釘を刺されてしまった。

だけど、変装して・・・・・・黒髪、黒い瞳になって日本で過ごすクリスマス。楽しみだな。

 

お互いを、あの頃の名前で呼び合おうね。

 

吉田くん。彩花。

 

結婚しているのに、吉田くんはヘンかな・・・・・・でもあの姿のラディは吉田くんだもん。

ま、いっか。

 

 

明日に想いを馳せ、わたしはラディに肩を抱かれたまま、再び暗闇に包まれた空を見上げた。

 

アステリア中の光が集結したようなツリーの下で、舞う粉雪。

 

とても綺麗で、幻想的で。

 

 

わたしは自分で選んだ道を、後悔しないように歩いていこうと改めて心に誓った。

 

そして、わたしの隣には、いつもあなたがいる。

 

ね、ラディ。

 

 

 

わたしの心の中が読めたかのように、ラディがふわりと微笑んで、わたしに顔を下ろした。

 

ゆっくりと塞がる唇の甘さに酔いしれながら。

 

わたしは胸のうちで呟いた。

 

 

メリークリスマス。わたしの大切な、大事な人たち。

全ての人に、祝福が訪れますように。

 

 

 

 

 

 

 

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