自律神経の不調

はじめに

  • img_10

 自律神経系は循環、呼吸、消化、代謝、分泌、体温維持、排泄、生殖などの自律機能を調節し、生体の恒常性(ホメオスタシス)の維持に重要な役割を果たしています。自律神経は交感神経と副交感神経に機能的に分類されます。この2つは拮抗関係にあります。

 交感神経の機能は、身体がストレス状況に対処するのを助けることです。
 交感神経の活動が高まると心拍数と呼吸数の増加、手の湿りや冷感、瞳孔の散大、口腔での粘液性の唾液分泌(口渇や口の中がねばねばする)などの身体反応が起こります。血圧と血糖値は上昇し、血液は腹部や骨盤内臓器、皮膚といった領域から脳、心臓、骨格筋といった緊急時に重要性の高い組織に優先的に分配されるようになります。消化器系と泌尿器系の活動は抑制されます。
ストレスに対する"闘争か逃走"の準備が整います。
一方、副交感神経はそれとはほぼ反対のリラクゼーション状態です。日中の活動時に損傷、疲弊した組織のリカバリーとエネルギーの備蓄を行います。

 こうして見ると、交感神経の活動は私たちの健康に好ましくないもののように思えてしまうかもしれません。確かに自律神経失調症で多い症状は、「眠れない」「食欲がない」「動悸がする」「頭痛」「冷え」「便秘」などだからです。ですが、もし交感神経が活動しなかったら、生きていくためにしなければならない日常生活での身体活動(例えばお仕事や、家事など)に集中して取り組むこともできないですし、スポーツなどのアクティビティを楽しむこともできないはずです。

 大切なのは、交感神経(活動時)と副交感神経(休息)のスイッチオン、オフが適切に行われるかどうかです。
≫次のページへ


img_10
▲交感神経(赤)は全ての胸椎と上部腰椎から、副交感神経(緑)は脳幹と仙骨から出ています。背骨の歪みは神経の通り道を障害します。



【参考図書】 ■標準生理学:医学書院、■Gregory D. Cramer., Susan A. Darby. 基礎・臨床解剖学 脊柱脊髄自律神経:エンタプライズ