資本の周期的な循環を資本の回転と呼ぶ。資本の回転時間は、資本価値の前貸しから、その過程を経過したのちに、過程を開始したさいの形態へ復帰するまでの期間であり、資本の通流時間と生産時間の合計に等しい。
貨幣資本の循環形態G…G'(I)、生産資本の循環形態P…P(II)、商品資本の循環形態W'…W'(III)という3つの循環形態のうち、資本の回転を考察するうえでは、形態Iと形態IIが妥当だ。この2つの形態は、前貸資本価値が出発点となり、また復帰点ともなっている。これにたいして、形態IIIは、すでに増殖された資本価値として循環が開始される。この形態IIIはのちの篇での研究に役立つが、この篇では使えない。
「経済学者たち」は、上記のような循環形態の区別も、資本の回転との関連での考察もしなかった。
形態Iも形態IIも、その循環を経過し終えると、資本価値は始めの形態に復帰し、また同じ過程を反復することができる。「個々の循環は、資本の生活においては、つねに反復される一部分すなわち一時期をなすにすぎない」([156])。
資本の回転の持続期間、回転時間によって、「同じ資本価値の増殖過程または生産過程の更新、反復の時間がはかられる」。この回転の度量単位は1年である。「この度量単位の自然的基礎は、資本主義的生産の母国である温帯のもっとも重要な土地果実が年々の生産物である、ということにある」([157])。
資本の回転時間と回転数との関係は次の式で表せる。
n(回転数)=U(度量単位・1年)/u(回転時間)