Oh mon Dieu !!

Oh mon dieu




夜神 月に会う前に、流河もとい竜崎について情報を得たいと思いキャンパスをうろついていた だが、思わぬところで二人を同時に発見した。 キャンパス内のテニスコートには嫌に人が集まっていて、野次馬好きのも それに応戦しようとフェンス越しに野次を飛ばすため状況把握しようとしたところで夜神と流河が対峙しているところを発見した。


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、悪いけど流河の後でも良い?」

「何で?」

いつもであれば、そこは肯定していた。 何故など、他人に都合の悪くなるようなことは決して口に出さなかった。 警戒されても、敵に回られても面倒だからである。 長年の生活で培ってきたの処せ術でもあった。 夜神は、意外な顔をした。 はじっとその顔を観察した。


「何で、私より彼を優先するのか聞いてもいいかな」

さん、先約のあなたが、気分を害したのであれば謝ります。しかし私たちは大事な話を・・・。」

「三回。」

「はい?」

「あんたが私の邪魔をした回数。身に覚えは?」

「ありません」

「あっそ、でも、この回数はあんたを嫌いになるには十分な数字」

「そうですか」

「・・・who are you?・・・ Mr. Ryuzaki」

?」

「・・・」

流河の不動に見えた、丸い真っ黒な眼が揺れた。 好奇心は猫を殺す。 もまた猫同様であった。 竜崎という名前は偽名に違いなかった。 でもあえてその名前を出したのは、こっちの手札を見せなければなめられると思ってだ。 お前の仮の名前も、仮の住まいも、私は知っている、と、いう手札は 何でもないようで、しかし、隠している本人にとっては冷や汗モノであろう。

さあ、どうでるギョロ目パンダ。 私はアンタを知らない、が、アンタも私を知らない。 そして今回「先攻」は私だ。つまり、私のほうが現時点では優位にたっている。


さん」

「何?」

「私はエルです。夜神君とも親しい方ならぜひキラ事件の意見を聞きたいです。」

「流河?!」

「・・・は」


の口からフランス語の “r”に、似た鼻にかかった音が出てきた。 負けず嫌いなのは向こうも同じだったようだ。 自分をエルだと、のたまった. 冗談きついんじゃないのと、思っただが、夜神の顔色を見れば、その可能性が無くもない事に気づき 流河の後ろを付いていく。 夜神月の父親夜神総一郎は警視庁管だ。 そして身塚羅も警察官僚を目指し過去に数件の事件へ 助言をし、解決に導いている。 キラ事件を追っている探偵エルと面識があってもおかしくない。

しかし、エルだ。 あの世界の名探偵エルだ。 これが世界の名探偵エル? 世界中の何事件を解決してきた正体不明の名探偵 これが、と、言っては失礼に当たるが、これが、と、疑問を持つのも一理あるだろう。 この際、外見のことを置いといても、一介の大学生にエルが自身を名乗る筈がないのだ。

理由は簡単、身を危険にさらすことになるから。 特に噂でキラは顔と名前さえあれば人を殺せる技術を持っているらしい。 偽名を使うという最低限のことはしているが無用心ではないだろうか。 仮に彼が本物のエルだとしよう。 そしてキラ事件を追っている。

何故ここにいる?

理由は?

は顔を強張らせ、フと夜神に目を向ける。 エルが表に顔を出すことに意味を見出すというならば、それはキラに会うとき。

夜神月がキラ・・・?
エルが自分をエルだと名乗るのはキラを牽制するため、今仮にエルが死んだらそれは流河をエルだと知った夜神が殺したことになる。 は頭を振った。 は命までかける気はない。

触らぬ神に祟りなし


「あー、そうだ、今日はジャンプの発売日だ。ごめん。私帰る」

自称負けず嫌いの少女、  、 桜満開の中、命の駆け引きに怖気づき、 とんずらした。





一ヶ月住んだホテルはキラの資料で溢れていた。 は全てをシュレッダーにかけ、ノートパソコンも壊して多摩川に不法投棄した。 地球環境の行く末よりも自分の命の行く末のほうが大事である。

熱いシャワーを浴び、冷たくなった体に人間の体温を呼び戻した。 シャネルのボストンバックに化粧品とオーダーメードで作らせたお気に入りの服を何着かつめ、 ホテルの受付でチェックアウトを済ませ、ロビーから逃げるように早足で回転ドアまで行った。 はこれほど、己の運を憎んだことが無かった。



回転ドアの向こう側には

流河こと、竜崎、自称エルがいた。




「げっ」

「こんばんは さん、少しお話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」


それは有無を言わさない迫力のある成人男性の声だった。