NARUTO
兎シリーズ
名称未設定
兎の股引:後が続かないこと
責任など取られてはたまらない。
とりあえず、その場しのぎではあったが、カカシと付き合いたくない理由から、ガイを利用した。
名づけて「実は恋人がいました」計画だ。
人選間違えてるというツッコッミもあるかもしれないが、他の男だとカカシに睨みをきかされただけで尻込みしてしまうのは目に見えている、
ガイは対カカシ武器としては有効に思えたのだ。
あとはカカシが諦めるのみになっていた。
全ては順調だった。ガイが裏切るまでは。
「、お前の愛はよーく分かった。だが、俺は青春に生きる身だ。今までカカシと培ってきた友情を無碍にはできないんだ。許してくれ。お前とは付き合えない。」
の握りこぶしがミシっと不吉な音を立てた。
黙ってろよ、下眉毛引っこ抜くぞコラ。この感想を抱いたのは言うまでもなく、木の葉の受付嬢だった。
「ありがとう、ガイ。この子は俺にとって、(ある意味)とても大事な子なんだ。」
いつの間にか隣にきていたカカシが、感情のこもっていない声で飄々と言いのけ、の肩にポンと手を置く。
「ちゃん、落ち込まないで、俺がちゃんといるから」
いや、アンタがいるから落ち込んでんだよ。この、KY男め。
ああ、作戦失敗、これ以上の策は相手に不信感を募らせるだけで有効じゃない。
は小さく息をつくと、青い空に目を向け、一人覚悟を決めたのであった。
*****************
仕事が恋人のにとって、夜の時間は間者の観別の時間として保有しておきたかったし、自分自身はフリーでいたかったのだが、カカシの恋人となれば、そうもいかない。
素直に正体をばらし、訳を言えばカカシも同じ里を思う者、この話をなかったことにしてくれるだろう。
しかし、それでは負けたような気がして、私が嫌だ。
ああ、唯一の趣味が、はたけカカシによって取られてしまった。チンチクリンのくせに、生意気な。
カカシとのお付き合いが始まって一週間が過ぎた。それでも、実際に会ったのは3回程度で、付き合う前と生活の変化はなかった。
何が一番面倒くさいかっていうと
「ゴホ、さん、カカシ上忍と付き合い始めたと聞きましたが?」
「・・・ハヤテ特別上忍」
野次馬だ。
こんな時ばかり、こう普段大人しい奴も出しゃばってくる。
「意外でしたね。あのカカシさんが貴方に交際を申し込まれるとは。」
「いやん。もしかしなくても、ハヤテ特別上忍もに気がありましたか?困るー!!!きゃっ、ったら罪な女っ」
「いえ。ただ、貴方がどうしてカカシさんと付き合うようになったのか、その経緯を詳しく教えていただきたくて」
「あ、そう」
顔が引きつる。
そう、こいつらは「カカシが目を付けた」と言う事で興味以外に警戒心をもって接してくるのだ。
カカシは、腐っても「里の誉れ」、他里に名を轟かす「里一の業師」。
当然、敵も多いわけで、仲間もカカシの交友関係には敏感に目を光らせる。
弱みになっては困る。
特に今回は馬鹿で有名な下忍の受付嬢である。周囲の心配は甚だ大きい。
この対応の所為で は此処最近、書類を滞らせ残業をしている。
挙仙術で目の下の隈は取ったりしているが、それでも十分な休息が摂れていない為、チャクラの調子が悪い。
このまま、ハヤテの話し相手を続けていたら、誤って螺旋丸でも、ぶっ放しそうだ。
そんなことしたら最後、暗部にいるハヤテの彼女に寝首を掻かれるに違いない。
そこまで考えると、は肩をブルッと震わし、兵糧丸を口に含んだ。
忍び耐えろ自分、と、心の中で唱えながら
************
「ゴホ、で、どうなんですか」
「きゃっ、お茶目さん、そう急かさないでっ?」
ハヤテを適当にあしらいながら、
書類整理を始めていると、廊下からナルトの大きい声が聞こえてきた。
「だーかーらー、俺たちってば、すこーし、里の外に出たいんだってばよ。」
「だーかーらー、里の外はアカデミー卒業したばっかりのお前たちが行くのは危険だって言っているだろ?」
「いーじゃんかよ!ケチ!イルカ先生のムッツリー!スケベー!」
「関係ないだろ!それは」
窓を開けて、覗いてみると、他にシカマルとサスケもいた。
「皆どうしのっ?」
シカマルは私を見て、耳を真っ赤にしながら、ぱっと他に視線を向けた。
や、誰だよ、お前。まだこないだのこと根に持ってるのか?
サスケに視線を移すと、理由を教えてくれた
「べつに、ただ里の外に行きたいだけだ。」
どうしてなんて、聞かなくても分かった。単なるや好奇心だろう。このくらいの男の子は皆冒険家なのだ。
「じゃっ、が連れて行ってあげよっか?」
「「「「え」」」」
その場にいた全員の声が重なる。
我ながら上手い言い訳だと思う。ハヤテから逃れるためのね。
「、お前、何考えてるんだ!書類整理はどうした。書類整理は!!」
「イルカ中忍、今週は土日も出勤するからっ!ねっ!」
「・・・はぁ、無理はするなよ。ただでさえ、お前最近残業が多いんだから。」
あ、気づいていたんだ。この優しい人は、きっと誰よりも気配りのできる人なんだろうな。
どっかの銀髪上忍や、隣の万年病気特別上忍と違って(強調)
「ゴホ、さん、私はまだ詳細を聞いてないのですが・・・」
「きゃっ!皆、暗くならないうちにいこーねっ」
果たして、ハヤテの言葉はガン無視されたのであった。