あなたの愛読書を教えてください


*サイジョウ夫婦編*


『あなたの愛読書を教えてください』

サヨコ:私は谷川俊太郎の谷川俊太郎詩集。
    これ、豪華版よ。
    二十億光年の孤独も朝のリレーも生きるも入ってるのよ。
サイジョウ:二十億光年の孤独?
サヨコ:教科書でやらなかった?
    或いはネリリし キルルし ハララしているか
    聞いたこと無い?
サイジョウ:ああー。分かった。
      あるある。
      ひらがなばっかりの詩も書いてないか?
サヨコ:書いてる。
    音遊びで面白いわよ。
    音読すると、その詩のよさがしみじみと感じるの。
サイジョウ:へえー。今度お風呂で読んでみて。
サヨコ:ロケーション的にはとてもいいと思うけど、何で私が?
サイジョウ:人に読んでもらったほうがしみじみと感じるかなと思って。
サヨコ:自分で読みなさい、貸してあげるから。
    上手になったら、聞かせてね。
サイジョウ:サヨコのお勧めは?
サヨコ:あのね、昨日のしみって言う詩はよっしゃと踏ん張るときに読むわよ。
    あとは、あかんぼうがいるっていう詩。
    あかちゃんのふわふわのほっぺを触ってるみたいな感じがするのよ。
サイジョウ:へー。じゃあ、早速読んでみよ。
サヨコ:サイジョウ君の愛読書は・・・うーん、深夜特急?
サイジョウ:なんで分かるの?
サヨコ:だってあの本だけ、表紙擦り切れてるから一目瞭然だよ。
    サイジョウ君があの本もって香港とか行ってる様子目に浮かぶわ。
サイジョウ:なんで分かるの?
サヨコ:あら、本当に?
    何でって言われても、あの本って男に生まれたら一度はしてみたい旅を書いてるよね。
サイジョウ:サヨコも読んだんだ。
サヨコ:昔ね。
サイジョウ:大学生協で、本屋のpop見て、思わず買ったんだよな。
      その年の夏にアジア行って、翌年ヨーロッパ行って。
うん。
あれは俺の深夜特急だ。
サヨコ:ふーん、楽しそうね。
    お茶入れるから、もっとその旅行について聞かせて。

と、サイジョウ夫婦の夜は更けていきました・・・。

*環境システム部 給湯室編*


『あなたの愛読書を教えてください』

スズ:イツコさー、何か本を読みたいんだけど何かお勧めある?
イツコ:私のお勧め?
    ブリジットジョーンズの日記はお勧めだよ。   
    映画になったやつ。
    読みやすいし、元気になるし。
スズ:あー、私映画見たよ。
   ブリジットがキュートだった!
   イツコ、あの原作本好きなんだ。
イツコ:愛読書の一つだよ。
    読んでたら、失敗してくよくよしててもしかない、どーんと行かなくちゃ、道は開けないって思うんだよね。
    ブリジットは失敗ばかりだけど、落ち込んでも前に進もうと頑張る様子がかわいいもんね。
ナカムラ:ブリジットってあの映画のやつ?
イツコ:ひゃっ、ナカムラさん!?
    コーヒーですか?
ナカムラ:そう。
     ちょっと前にあるコーヒー、入れてくれる?
     豚のなかに埋まったのが印象に残った映画だったな、ブリジットって言えば。
イツコ:・・・。
スズ:(気を取り直して)
ナカムラさん、何か本のお勧めあります?
ナカムラ:俺?
イワサキ:タチバナ、俺にもコーヒー一杯お願い。
     ナカムラが本読むわけ無いだろ。
     聞く人選べ、キタガワ。
ナカムラ:はあ?
     俺だって読むさ。
     俺はなー、哀愁の町に霧が降るのだっていう椎名誠の本がお勧め。
     せっまい下宿に男4人か5人かで住むんだけど、豪快でいいんだよな。
     酒盛りの様子とかいいぞー。
スズ:・・・酒盛りですか。
イワサキ:ほら、お前、キタガワ引いてるぞ。
イツコ:私も読んだことありますよ。
    ナカムラさんがおっしゃるとおり、酒盛りもそうだけど、食事のシーンが絶対女同士ではありえない豪快さなんですよね。
    男の友情ってこんなのかと、夕日に向かって土手で走りたくなりますよね。
ナカムラ:そうそうそう!
     さすが、タチバナ、分かってるな。
イツコ:もちろんですよっ。
    伊達に隣に座ってませんから!!
スズ・イワサキ:・・・。テンション高いな・・・。
イツコ:(ややイワサキをにらみながら。)イワサキさんのお勧めは?
イワサキ:俺は春樹。
イツコ:春樹って村上?
イワサキ:そう、春樹のサンドイッチとパスタ。
     気ままな生活。
     そして、妙に女にモテルところなんて男のロマンだよな。
スズ:ノルウェーの森が好きなんですか?
イワサキ:それもいいけど、ねじまき鳥クロニクルだな、俺は。
     いろんな話が交差してて、それが全く別の話で普通ならばありえないような構成なんだけど、ぐいぐい引き込まれるんだよな。
     あの不思議さ、是非読んで体感してほしいよな。
コタニ:(給湯室の外から)おっ、ナカムラ、そこにキタガワさん、いるか?
ナカムラ:あっ、はい。
     キタガワ、課長が呼んでる。
スズ:はい。
   すみません、ちょっとコーヒーを飲んでました。
コタニ:経理から呼び出し。
    すぐ来るようにと言うことだから、飲み終わったら行って。
スズ:もう飲み終わりましたので、すぐ行きます。
   わざわざありがとうございます。
   じゃ、イツコ、お先。
   (ナカムラ達に向き直り)失礼します。
コタニ:井戸端会議か?
    タチバナ、悪いが前のコーヒー、一杯注いでくれるか?
イツコ:はい。
    ・・・あの、課長、お勧めの本って何かありますか?
コタニ:お勧め?
ナカムラ:今、お勧めの本の話題だったんですよ。
     俺が哀愁の街に霧が降るのだで、イワサキがねじ巻き鳥クロニクル。
     タチバナは?
イツコ:・・・。
    まあまあまあ、いいじゃないですか。
    課長は?
コタニ:うーん。
    坂の上の雲だな。
イツコ:坂の上の雲?
イワサキ:タチバナ、知らないのか?
     司馬遼太郎の。
     サラリーマン必読の書だぞ。
ナカムラ:へー、そうなんだ。
     どんな話?
イワサキ:お前も知らないのか?
     戦争の話ですよね。
コタニ:イワサキ、お前も読んでないな。
イワサキ:ははは、ばれました?
イツコ:どうしてお勧めなんですか?
コタニ:うーん、タチバナの世代じゃまだ早いかもしれないけれど、坂の上の雲は指導者がどうあるべきかと言うのをひしひしと感じる話なんだよな。
    日露戦争の海軍と陸軍の話なんだけど、いくら兵士が頑張ったとしても彼らを使う人間しだいで、0にも100にも力が変わっていく。
    考えさせられるよ。
マキコ:コタニ課長は、ロジェストウェンスキーにはならないでくださいね。
    わが社が沈没してしまいますから。
コタニ:タナベさん?
マキコ:先日提出していただいた書類でお聞きしたいことがあって、通りがかったものですから。
    話題に口を挟んでしまい、失礼しました。
    ナカムラくん、イワサキくん、サボり?
ナカムラ:失礼な、違います。
     休息時間。
     タナベさん、読んだことがあるの?
マキコ:当然。
    サラリーマン必読の書ですから。
    ナカムラくんもイワサキくんもジャンプばっかり読んでたらだめよ。
ナカムラ・イワサキ:読んでねーよ!!

チャンチャン