第1章 鏡の魔導師
隣国の王が倒れ、新しく起った支配者が好戦で国境に近かった村はあっという間に侵略の手が回った。
戦禍が迫っている噂もあって人の疎らになっていた村の一角、侵略によって燃える家の中で手に剣を携えた兵士に一人の少女が追い込まれていた。殺すのが目的かと思えば男は下卑た笑みを浮かべている。
その部屋の隅で少女より前に兵士に薙ぎ払われ昏倒していた少年が迫る火の熱さに目を覚ました。今にも少女が襲われるかと言う場面を目にし、咄嗟に兵士の前に身を躍らせる。
目的を阻まれた兵士は苛つき剣を握りなおして少年に振りかざした。
「※+*○×〜」
少女が少年の名を叫び、少年が降りかかってくる剣にギュッと目を閉じ手の平を外側に顔を覆う。剣の刃が少年の手に平にめり込もうと言う瞬間、剣先がすっと消えた。
「なっ!?」
勢いを止められず振り下ろした剣先は跳ね返るように消えた先から反対方向へと現れ兵士自体の体をバッサリと切り裂いていった。
「あぁぁあぁぁぁああぁ」
胴あてなどで致命傷には至らないものの大怪我により怯んだ隙を突いて少年と少女はその場を逃れる。
そして行く当ても無いまま村を後にした。