進歩する手作り本技術・不織布製本     2006/08/13新,12/04
 まとめて糊付けし、手で引き剥がし、再度不織布を糊付けし、カッターで分離する方法   
 製本技術、製本方法は、永遠に進歩を続けています。
 11月半ば以降発送の「製本屋さん」解説書、操作説明書はこの方法で製本しています。作業時間が「進歩する手作り本技術」とほとんど変らず、強力な製本が出来るからです。
 「製本屋さん」自慢の製本方法が開発できました♪

■ 動機 背に不織布を貼り付ける方法の開発。二つ折り製本で複数冊同時製本。半紙で失敗しているので再挑戦。天のり製本より丈夫な製本をしたい。

■結果
 左は厚さ0.9~2.5mmを13冊の製本結果。

 本の厚さが1mm以上の二つ折り製本を不織布で多数作ることができる。効率もよく丈夫である。

   「製本屋さん」解説書(操作説明書も同様)
出来上がり A5、20枚、40頁、厚さ3mm
1冊あたりの費用 36円 (インク20円+用紙15円+接着剤1円)
1冊あたりの時間  8分 (プリント4分+紙折り1分+製本3分)
完成するまでの時間  1日程度 (1回目の乾燥待ち30分+2回目の乾燥待ち1時間+全体の養生・乾燥待ち1日)
 プリンターはキャノン PIXUS 850i。  紙折りは、最新の「製本屋さん」紙折り道具使用
 
■使用する道具・消耗品 
・汎用型製本機   ・手作りした背揃え台(製本機の付属品)  ・細口B1ボンド
・補強紙としてお薦め不織布(縦:23cm、横:トータルの厚さ+1cm)
・プラスチックシート (冊数+1)x2枚
・カッターナイフとはさみ

■製本手順
二つ折りした用紙の背に補強紙として、不織布を貼り付ける。多数冊同時製本する。左が1冊の断面構造。


1.初回の糊付け作業 
 複数冊を合わせて1cm程度にまとめて同時背固め糊付けし、半乾き状態で手で引き裂いて1冊単位に分離し乾かす。初回は「進歩する手作り本技術」とまったく同じため省略。

2.再度背に糊をつけ不織布を貼り付ける作業
 2006/12/4:従来プラスチックシートを1枚づつ挟んでいたが2枚に変更しました。  最初と最後、および各冊の区切りにプラスチックシートを2枚づつ挟んで、不織布を貼り付けて乾燥させる。 上記1.で塗布したオレンジ色の糊の上に、赤色の糊を塗布し黒色の不織布を貼り付ける作業。

1)プラスチックシートを各冊の間に2枚づつ挟み、糊付け面を下にして、机の上で概略揃える。
2)逆さまにした製本機に投入する。
3)プラスチックシートを指で叩いて背側をよく揃えて蝶ナットを締め付ける。
4)180度回転し正立させる。プラスチックシートがきれいに全部はっきりと見えるように揃える必要があります。 見えないところがあれば、3)から繰り返し見えるように揃えます。
5)背にプラスチックシートが見えなくなるぐらい糊をつけ、指又はへらで平らにする。
6)不織布を被せて、軽く押さえる(左の写真)。表面に接着剤がしみ出てくるので伸ばす。不織布の乾燥部分に接着剤を追加して伸ばし、不織布を接着剤に埋め込む。
7)プラスチックシートの角にも接着剤を上から付けて、プラスチックシートに不織布を接着する。

8)糊がくっつかなくなるまで乾燥させる。見えにくかったプラスチックシートが、接着剤が乾燥するにつれて透明になると共に水分が蒸発するので、やせてきてはっきり見えるようになる。自然乾燥で1時間以上。急ぐ場合はドライヤで乾かしてもよい。

3.乾燥後カッターナイフで1冊単位に分離
 カッターナイフは接着剤と不織布を同時に切り取るので、新しいカッターの刃を使うなど良く切れるようにする必要がある。

1)製本機から用紙束を取り出し、はさみで天、地にはみ出した不織布約1cmを切り取ります。

2)カッターナイフを2枚のプラスチックシートの間に差し入れ挟んで、右から左に動かし切って分離する(左の写真)。プラスチックシートを取る。この作業を繰り返す。

3)左の写真のように、切り離された最初と最後の不織布はプラスチックシートに付着しています。乾燥後不織布を引っ張って接着剤と共に、プラスチックシートから簡単に剥がすことが出来ます。
4)はさみで天、地にはみ出した約1mmの不織布を切り取ります。 


■感想、製本のコツなど  
(1)お薦め不織布は、必須。厚さ0.05mmで薄いのでカッターで簡単に分離できた。また、不織布が貼ってあるかどうかは、外見上はわからない。本を分解してやっとわかる。
(2)背表紙、製本テープ、ホッチキスを使わないで背を束ねる方法としては最適。この製本方法は、天のり製本と呼ぶべきか不明。
(3)すべての製本は、このように不織布を貼った後、背表紙・表紙を付けるとよさそう。
(4)プラスチック分離シートも必須。 何回も使っているが傷ついたりして使えなくなることはない。作り方は「製本知識>プラスチックシートの作り方と使い方」を参照

■強度測定結果   2006/11/21 操作説明書を破壊し強度の測定。 
   引張強度が2kgぐらいあるので、大丈夫か。 
条件 引張強度(kg) 引裂き強度(kg) 備考
12頁目と13頁目 3以上 1.5 真ん中の頁
20頁目と21頁目 2.5 1.2   
16頁目と17頁目 2.5   
8頁目と9頁目 1.3 最後の頁
4頁目と5頁目 最初の頁

■今後の予定   ベラ紙で不織布を使って同時に多数つくる。