進歩する手作り本技術・天のり製本     2006.3.6、11/21
 まとめて糊付けし、手で引き剥がし、再度糊付けし、カッターで分離する方法   
 1ヵ月後にテストするとすぐ脱落した。  予想外の弱さ。開いたり閉じたりし劣化?
 やはり補強紙が必要か?最新の不織布製本を至急強度テストする。
 ずっと以前のプリンターラベルで背を補強すると間違いない。

■ 動機
 「もっと薄い厚さ1mmぐらいの冊子をたくさん製本するにはどうすればよいか?」とお客さんから、問い合わせあり。薄い冊子には背に製本テープを貼る気持ちにならないので天のり製本した。
 左は厚さ2~3mmを16冊。プラスチックシート17枚使い16冊を一度で糊付けしました。

★用紙  エプソン両面上質普通紙<再生紙>A4、130μm。
 A4に両面印刷し半分に折った。

【強度測定】   2006.11.20


■ 特徴   
 
図は1冊の出来上がり断面図。オレンジ色が1回目の接着剤、赤色が2回目の接着剤塗布。

★使用する道具・消耗品 左写真の5種類だけ

・汎用型製本機、手作りした背揃え台。
・細口B1ボンド(木工ボンドでもよい?)
・カッターナイフとはさみ
・プラスチックシート7枚:  作成方法は、
「製本知識>プラスチックシートの作り方と使い方 」 を参照ください。


■製本手順

1.初回の糊付け作業  1回で1cm程度。半乾き状態で手で引き裂いて1冊単位に分離
 複数冊を合わせて1cm程度にまとめて同時に糊付けし、半乾き状態で手で引き裂いて1冊単位に分離する手順です。 
 捨て紙2枚よりも、プラスチックシートが有効です。捨て紙の場合、捨て紙が最も強く接着されていて、取り除けなくなる欠点がありました。プラスチックシートはこの心配がありません。

1)プラスチックシートで4冊分をくるみ、背を揃える。
2)突出量を5mmぐらいに増加させるために、手作りした背揃え台の上に逆さまにした製本機を置く。(製本機の両サイドにアルミの揃え台を敷いてもよい。)

3)挿入口を開き4冊分をまとめて糊付け面を下にして投入する。
4)用紙の小口、側面、プラスチックの小口側を指でたたいて背を揃える。
5)蝶ナットを締め付け、正立させる。背の厚さは少しに膨らんでいる。
(以下の写真の製本機のエッジが汚れて汚い写真ですみません。ずっと掃除していませんが製本には支障ありません。拡大写真で目立ちます・・)
6)背に糊を塗り指で糊を伸ばす。
7)親指と人差し指で背をはさんで摘み、膨らんでいる背側の厚さを薄くし、膨らみをなくする。
8)不足している場所に糊を塗る。
9)再び摘んで、不足している場所に糊を薄く塗る。

10)1分も経たないで半乾きになっているので、製本機から用紙束を取り出し、紙を敷いた机の上に置く。手で一番上のプラスチックシートを取り除く。上から順に4冊に引き裂き分離する。分離された冊子は床に並べる。(捨て紙の場合、すばやく手で取り除かないと、乾燥してしまうと取り除けない)
11)残り2冊も1から10を繰り返す。
12)乾燥し、のりがくっつかなくなるまで30分ぐらい待つ。

2.再度背に糊をつける作業 
 上記「1.初回の糊付け作業」で製本を中止すると、接着剤の量が少なく弱いと考えるため、もう一度糊付けを行う。 オレンジ色の上記1.で塗布した糊の上に、赤色の糊を塗布する作業で同じボンドB1を使っています。下図で空色はプラスチックシートで7枚使用
 

1)プラスチックシートを各冊の間にはさみ、糊付け面を下にして、机の上で概略揃える。
2)逆さまにした製本機に投入する。(背を2~3mm突出するだけなので背揃え台は使わない。)
3)プラスチックシートを指で叩いて背側をよく揃えて蝶ナットを締め付ける。

4)180度回転し正立させる。右の拡大写真のように分離用プラスチックシートが筋になって見える。プラスチックシートがきれいに全部はっきりと見えるように揃える必要があります。
 見えないところがあれば、3)から繰り返し見えるように揃えます。
5)背にプラスチックシートが見えなくなるぐらい糊をつけ、指又はへらで平らにする。
6)糊がくっつかなくなるまで乾燥させる。左のように製本機を立てて灯油ファンヒーターの前で30分ぐらい。右の拡大写真のように見えなかったプラスチックシートが、接着剤が乾燥するにつれて透明になると共に水分が蒸発するので、やせてきて見えるようになる。自然乾燥で1時間以上。急ぐ場合はドライヤで乾かしてもよい。


3.乾燥後カッターナイフで1冊単位に分離 
 カッターナイフの先端にセロテープを巻きます。
1)製本機から用紙束を取り出し、プラスチックシート部分で180度開きプラスチックシートを取り除く。左の写真
2)カッターナイフを挟んで天糊だけを切って分離する。
 プラスチックシートがきれいに精密に出来ていると冊子をカッターで傷つけることなくうまく分離できる。カッターナイフが切れすぎたので、プラスチックシートを切ってしまう失敗をしました。注意しましょう。 
3)はさみで天、地にはみ出した接着剤を切り取ります。