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丸み出し台を使った丸背の丈夫な手作り本 2006/07/31新,09/30
●動機・目的
(1)丸背・並製本を2006年7月末時点の「製本屋さん」製本機、最新道具・技術で手つくり製本し、その方法手順を公開する。
(2)角背は何度も開いたりすると背側が凹になり小口側が凸なる欠点があります。また時間が経つと接着剤が収縮してもこのようになります。丸背はこのようなことがないので、ぜひチャレンジしたい。
●製本材料 片面印刷したA4不要紙を二つ折りしてA5サイズ化。厚さ9mm。
●製本道具 用紙の揃え道具の作り方と使い方 お薦め不織布。
●結果 強度は十分で、きれいで手間もかからず安価にできた。
■1.用紙を揃えてクリップする
 
・緑色の磁石板を背揃え台の両側につけて、丸み出し台を両側の羽の間に置。その上に製本機を倒立させて置く。
・蝶ナットをゆるめて用紙投入し、上面および左側面を指でたたいて揃える。
・蝶ナットを締め付ける。
・正立させると用紙束がエッジから7mmぐらい扇型に突出する。(写真右)
・扇型が左右に対象になっていなければ再度蝶ナットをゆるめて揃える。
■2.不織布を使って背固めする
1)ボンドB1を塗って、糊を延ばし平らにする。
2)指で両側を押さえて、膨らみを無くする。
(二つ折り用紙なので、折り目に接着剤が入りやすい。ペラ紙の場合は毛羽立たせて接着剤を塗る)
「不織布の貼り付け作業」 幅2cm(中味の厚さ+1cm)x長さ23cm(背の長さ+2cm)に細長くカットして準備しておく。定規とカッターナイフで簡単に切れる。写真は幅が3cmで大きすぎた例。

3)再びボンドB1を塗って、糊を延ばし平らにする。
4)細長い不織布の両端を持って被せて押さえ、滲み出た接着剤を平らにする。 背が透けて見えるので中心合わせが好都合。
5)接着剤が表面に滲み出ていない部分と角に接着剤を上から点状に塗る(左の写真)。
6)接着剤を押さえながら延ばすと、表表紙側、裏表紙側にも、不織布が2、3mm付いた状態になる。
7)製本機から取り出し、天および地の余った不織布を切り取る。左の写真は背側から見たところ。不織布は接着剤に埋まっているのでまったく見えません。
■3.色画用紙で表紙をつける
●準備:B4画用紙を幅21cmで切る。
3.1「コ」の字型補強紙を不織布の上に貼り付け作業 :背を開きにくくし、強くするため。
1)2cmの幅に切ると、21x2cmの細長い紙が出来上がる。
2)背全体にボンドB1をぬる。中心を合わせて画用紙を被せて押さえる。
3)表表紙、裏表紙のスミに細長く接着剤をつける。画用紙を折り曲げて爪などで角をつける。
3.2 中空背の表紙の貼り付け作業 :接着剤は、細口ボンドG17(木工ボンド、ボンドB1可)。
1)23cmの幅に切ると、21x23cmの画用紙が出来上がる。
2)背に画用紙を被せて、背に折り目を付ける。
3)補強紙の表紙側の真ん中あたり(背から3mmぐらいの距離)に、ボンドG17で2mmぐらいの幅で接着剤をぬる。表紙を押さえて接着する。
4)小口から2,3mmぐらいの距離に、ボンドG17で1mmぐらいの幅で接着剤をぬる。表紙を押さえて接着する。
5) 3)4)と同様に裏表紙側も接着する。
■出来上がり結果

左が外観。きれいです。
右が背の様子。綴じ目が見えるが、非常に丈夫です。
背から2mmぐらいのところに糊をつけたので、背が曲っていない。背の角まで糊をつけると背が曲り開きやすいと思う。
表紙も中空になっていて曲りやすい。
(中空にしないで、背をのりで接着すると背が硬くなって、開きにくくなるがより強くなる)
■強度測定結果 8月10日、本を破壊するつもりで測定した
・真ん中あたりの隣り合う2枚を引っ張った:4Kgでも脱落しなかった。
・最初の見返しと本文の隣り合う2枚を引っ張った:4Kgでも脱落しなかった。
・最後の見返しと本文の隣り合う2枚を引っ張った:4Kgでも脱落しなかった。
(4Kg以上の強度は、破壊したとき、測定器が壊れる恐れがあるので中止している)
強度は十分だと思う。
■感想など
丸背の並製本が「製本屋さん」製本機で簡単にできるようになった。
お薦め不織布は非常にいい、(お客様から電話がかかってきました)。丸み出し台の使い勝手がいい。
(1)背の曲がりが少なくて角背のような感じになった。
表紙を付ける前に、開いたりしたことか、もう少し曲った丸み出し台を使う必要がある。
直径が小さい円筒で作ったがテストしていない。
(2)表紙をつける接着剤は細口のボンドG17がよかった。ボンドG17は、溶剤型で強力、速乾、またシワができにくい。 ステイックのり、木工ボンドはシワができやすい。
手作り品をそろそろ販売したい。05年10月から10ヶ月間テストをしている。
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