新日曜美術館で「無言館」・・戦没画学生の最後の絵が展示されている・・が紹介されていた。冒頭の中村萬平さんの「霜子」の絵。芸術大学時代にモデルであった霜子さんと出会い、結婚し子供が腹の中にあるときに出兵し、その子供が生まれると霜子さんが亡くなり、本人も1年数ヶ月後、戦病死する。その「霜子」さんを描いた絵が無言館にある。画家とモデルという濃密な時間を絵に固定していると感じる。戦争という悲惨な物語もあるが、
二人の絵を描いたときに過ごした時間は永遠であったろう。その様な濃密な時間を過ごすことが出来たことに、無言館の館主窪島さんも言っていたが、「嫉妬」する。また、戦地に行く前に、妹を庭に浴衣姿で何時間も座らせて、妹を描く兄。(和子の像) 館主窪島さんが言っていたが、「絵というものは一番大切なものを描くんですよ。」 一番大切なものをカンバスに固定するという行為が絵を描くことだろう。うまい下手はなく、一番大切なものを残す。戦争の悲惨さというものもあるんだろうが、残された時間を、一瞬を、一生懸命生きようとした人たちの一瞬を、無言館で共有したくなった。