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『さくらのコート』・一次創作小説・長編・そんな僕らの青春(?)生活 |
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Episode1 日常と非日常 ___Proligue 第零話 終わりは始まりの合図 __________
タッタッタッ・・・
人の気配がほとんどない廊下を僕は走っている。 友達はいない。いや、本当にいないとかじゃなくて『この場にいない』という意味だ。
3時間目の生物の授業。実験をしていたんだが、片付けの作業に手間がかかり遅刻寸前だったのだ。
しかも次の授業は数学の授業。あの生活指導主任の芦田(アシダ)先生が担当する授業だ。
芦田先生とは、剣道部顧問の声が無駄にデカいよくドラマでありそうな熱血な先生のことだ。ちなみに隣のクラスの担任。熱血云々は置いといて芦田先生は生活指導の先生。授業に遅刻なんてしたら・・・考えたくもない。
とにかく遅刻をしたらヤバイのだ。ということで急いでいた。中学校なのに貼ってある、 『廊下は走らない』 という張り紙を完全無視して僕は走る。
理科室のある北校舎から短い連絡通路を走り抜け、本校舎に入る。すると突き当たりが見えてくる。本当ならここで左に曲り中央階段を上って本校舎の四階最西端にある2-Aの教室に行くわけなのだが、なんせ今は時間がない。突き当たりを右、つまりは西に曲ってダッシュ。突き当たりにある扉を蹴破る・・・ような気持ちでおもいっきり開ける。真横を通ったクラスの1-Aの人の目線を感じたけど気にしてる暇はない。
扉の先は、いわゆる非常階段。完全に外だ。季節は春。いや、もう初夏ともいえる。そんなカラっとした暖さ。でも、いまの状況では暖いは暑いという敵に変わる。そんな非常階段を駆け上がる。その途中だった。
階段を半分登った場所にある折り返し地点、つまりは踊り場で立ち止まってしまった。
二階と半分の高さである開けたその場所から見えたのは、富士山だった。
僕らを取り巻く生活は変わる。明日は終業式なので今日が最後の授業日。 そして、春休みを挟んで4月からは最後の中学生活が始まる。クラス替えという行事付きで。
クラスも変わり、先生も変わる。もちろん授業ももっと難しいのになる。
けれど、今見ている富士山はこれからもずっと変わらないはずだ。これからも、この非常階段からその山は見えるはずだ。
ちょっとだけ、いいなと思った。
『キーンコ・・』
コの音が聞こえた瞬間に僕は走り出していた。そのまま校舎に入って教室のドアをあける。
先生は・・・いない。なんとか間に合ったようだ。
僕は安心して席に座って、数学の準備を始めた。
ここで少し自己紹介でも。
僕は久野知樹(クノ トモキ)。中学二年生であり、この県立東都学園一期生だ。というか来月からは新三年生だ。 好きなことは自転車に乗ることとキャンプ。嫌いなことは面倒臭いこと。
ちなみに未だにポケモンをやっている。あとは歴史、特に戦国時代好きでもある。どちらも趣味以上オタク以下っていった感じだ。
そんな僕は一年、二年と特に特記することの無い学校生活を送っていた。それなりに遊んで、それなりに勉強をする。一応来年は受験生だから。
でも、そんな日常生活が新しいクラスになって少しづつ変わっていくことをその時は知らなかった。知ってたらそれはそれで怖いけどね。
そんな僕の青春(?)生活を語るには、やっぱりあそこからだ。
すべての始まりだった、あの行事から。
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