2008年度ゼミOG-OB(Feb.27, 2010) 水道橋「猫のしっぽ」[9人(女性4、男性4プラス私)]

挨拶: 忙しいのにわざわざお集まり下さり、有難うございます。特に近添君・石原君はわざわざ(いや、「わざわざ」じゃないか)仙台からお出で下さり感謝しています[両君は東北大院生]。僕はご覧の通り[白ネクタイ](知人のお嬢さんの)結婚式場からまわってきていて、すでに飲み食いをしてきたので、あまり勧めないで下さいね。

         皆さんにプレゼントとして、新しく確認されたゴッホの絵に関する昨日の新聞の切り抜きを差し上げましょう(Herald Tribune, 2/26/10)。風車の下を大勢の人々が階段を降りていて、これは白黒だけれども、internetで色つきのを見ると、ずいぶん魅力的な絵らしい[http://www.reuters.com/article/idUSTRE61N48120100224])。ついでだから、興味があるかどうか知らないけれども、デカルトの1641年の手紙が最近発見されたので、その写真のコピーも受け取って下さい(Japan Times, 2/26/10)。大哲学者の筆跡なんて、超達筆で全然読めないのかと思ったら、丁寧にきれいに書かれていて、雑な字を書く僕なんか恥ずかしい。丁寧に読めば僕でも少しは読めそうです。S'il vou plaistとかね[http://chronicle.com/article/Key-Letter-by-Descartes-Lost/64369/])。

        ところで今日はまず、英語の授業から始めます(と言うと、「耳塞ぐわ」と水上さん)と、「教材」を配布。

              高校時代の親友の結婚式に参列したときのこと。宴もたけなわで、司会者まで酔っ払い、スピーチを出席者名簿から無差別に指名し始めた。自慢じゃないが、しゃべるのは大の苦手だ。最初から頼まれていれば準備のしようもあるが、突然のことに頭の中が真っ白になった。しかし、逃げるわけにはいかない。

              そこで「炭坑節を英語で歌います」。炭坑節の英語版などあるはずがない。歌詞のうち「月、出る、煙突、よいよい」などを英語に代えただけだ。

             「ムーンがライズライズ」「スリーポンド炭坑のオンに出た」「あんまりチムニーがハイなので、さぞやムーンさん煙たかろう、さのグッドグッド」。

              まったく赤面である。(『産経』投書欄2/5/10(丸山勝也氏(69)

        まずriseだが、「出る」はrise、「出た」は過去形だから、rise, rose, risenでroseだろう。「三池炭鉱」の「三池」は固有名詞だから訳さず、「炭坑」の方をcoal mineと訳す。onは上に乗っている場合で、離れて上にある場合はover(aboveもあるんじゃないですか」という声あり。「その通りだが口調がね」と答える)。「あんまりchimneyhighなので」は大変結構だが、「煙たかろう」は英語を知らなかったのか、smokyというんだ。問題は「さのgood, good」だが、ご存知のように、英語の「よい」にはgoodwellがある。どっちが適当か。日本語的には、wellの方が口調はいいが、「グッド、グッド」には滑稽な味がある。英語としては、good at singingというように、goodの方は特定の能力などがよい場合で、全体としての雰囲気や気分がいい場合はwellというのではないか。だからwellの方が適当だと思うのだが・・・。結局次のようなことになる。

          ムーンがローズローズ、

      ムンがローズ、ウェル、ウェル

          三池コールマインのオバに出た

          あんまりチムニーがハイなので

          さぞやおムンさんスモキーだろ

          さのウェル、ウェル

        以上で英語の講義終わり。ただ「諸君の世代はもう『炭坑節』を知らない人もいるんじゃないか」というと、「そういうのがあることは知ってるけど歌詞は知りませんねえ」とかという声あり。水上さんが「先生と私で歌って見せましょうか」と仰る。音痴だから聞こえないふりをする。「昭和20-30年代は石炭がenergyの中心だったが、40年代に石油に変ったからね、それで三井三池の大争議があったんだが」。

 

  席順に近況報告で自分の番:

         最近ぼくは喧嘩をしましてね、朝日新聞社と。といっても新聞を出す方じゃなくて出版部の方なんだけれども、昭和前期の本の一章で「天皇機関説事件」という原稿を送って、ゲラが戻ってきてみたら、縦書きの文章の漢数字が全部洋数字に直されている、「第3に」とかね。「こんなことを勝手にするなら僕は降りる」といったんだ。そしたら、「じゃああなたの分だけ元に戻しましょう」ということになった。

         勝ったといえば勝ったのだけども、一番いいのは、漢数字を洋数字にする新聞社の申し合わせそのものを再検討すること、少なくとも縦書きの文章についてはね。それがだめなら二番目は新聞紙面は仕方がないとしても、出版部にはその方針を及ぼさないこと、それがだめなら三番目には、少なくとも日本史などには及ぼさないこと、それがだめなら四番目には、この本のものについては、僕だけでなく皆の分について漢数字に戻すことで、僕の分だけというのは不満ですね。60点かね。

     ところで「法科大学院も研究者養成の機能をもつべきだ」とかいう議論があって、日大の法科大学院でも学術論文指導の授業を開設することになり、僕にお鉢が回ってきたんだな。それで四月からその講義をするので、今どうするか考えているところです。講義案をwebsiteに載せるつもりだから、水上さん、石原君、近添君、河君[水上さん、河君は早大]はこれから修士論文だから、興味があったらご覧下さって、意見など仰って下さい。起承転結、テーマの選び方(小さく鋭く)、資料集め(足を使う)、文体・格調、まとめ(無理して大言壮語をしない)とか。

[あとぢえ] highでなくてtallだ!

    ムーンがローズローズ、

      ムンがローズ、ウェル、ウェル

          三池コールマインのオバに出た

          あんまりチムニーがトールなので

          さぞやおムンさんスモキーだろ

          さのウェル、ウェル