Angel dust 1






「お前はクビだ、アリオス」

ダーク・グレイのスーツに身を包んだ中年の男が言った。
芸能プロダクションを勤める有能なマネージャーであるその男は、ついさっきまで、自分の絶大なる信頼を注いでいた味方だった。
だが、今こいつは何ていった?

「・・・冗談だろ?」

言葉とは裏腹に唇が乾き、心臓の鼓動が踊るように強く響く。
銀と白の間のような白銀の髪をした青年は、かすれる様な声で無表情で自分を見る男に言った。
だが男はそれすらも無視して、一枚の紙切れを取り出した。

「お前との契約は一年だったな・・・」

「・・ああ、あんたが俺の声を買ってくれてからまだ半年だがな」

ぎっと睨み付ける青年に、男は馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
男はふいにテレビのスイッチをつけた。

「私がいつお前の声を買ったと言った?私が買ったのは―――」

ブゥン、とテレビの画面が映し出される。
小さなブラウン管に映し出されるのは・・・。

「私が買ったのはお前の顔さ。一時稼げるだけの、な」

男はそういうと目線をテレビに向けた。
アリオスに見るように示しながら、男は煙草に火をつける。
映し出されたのは、信じられない事に自分だった。
ブラウン管から流れ出る声音に自然に耳が傾く。

『人気ボーカリストのアリオスの麻薬事件が発覚しました。調べによると彼は麻薬密輸組織と係わり合いがあると見え・・・』

ブツン。

音をたててテレヴィジョンの画面がブラックアウトした。
煙草の火を消しながら、リモコンを机に放り投げて男は目を見開いたまま固まっている青年を嘲笑うように言った。

「売れない奴は切り捨てる・・・お前も半年もこの世界にいたんだから、分かるだろう?」

青年はガッと男の襟ぐりを掴み上げ、睨み付ける。
反動で椅子が音をたてて床に倒れこんだ。

「・・・俺の売上げはちゃんとあるはずだ!!」

「・・・・・ああ、あるさ。先月までは、な」

「・・・・何だと?」

「先々月の売上げが三十万枚、これはいいとして・・・先月の売上げが五万枚ってのは知ってるか?」

襟すじを押さえられているために少し苦しそうに話す男を睨みながら青年は男のくわえていた煙草を片手で放り投げる。
男はニヤニヤとしながら言った。

「お前との契約はもう終わりだ、アリオス。薬事件を起こしたお前を拾ってくれる会社はもうどこにもないさ。・・・もう、お前はおしまいなんだよっ」

ふっと青年の手の力が抜けて、男はさっと体を離した。
そして呆然とする青年の目の前で男は契約書を破り捨て、溜息をついて青年の頭上から散らせた。

「じゃあな、アリオス」

そういって男は部屋から出て行く。
鉛のように動かない身体で、青年は震える身体を両腕で握り締めた。
ドアが閉まる直前、男の声が響いた。

「この世で一番大切なものは金だ・・・それを手に入れられない奴はクズだ。それなら、切り捨てるまで・・・例えどんな手を使っても、な」

バタンと重い鉄の扉が閉じられると、男の声が青年に憎しみを抱かせる。

「・・っくそ・・・!!」

ダン!

机に手をうち付ける。
悔しくて仕方が無かった。
これから一体、どうすれば―――・・・・。


「一体・・・どうしろってんだよ・・っ・・!!」

01.07.05



にゃあぁぁぁん♪
ゴロゴロゴロ♪(……怪しすぎる……)

風兎様に無理言って書いてもらったアリ×リモです♪

うっうっう……いつかは書きたいと思っていただけに……このカップリングには魂が奪われてしまいそうです。
風兎さぁぁぁぁん!! ありがとぉぉぉぉ!!
続き待ってるわよぉぉぉぉ!!

( ̄ー ̄)θ☆( ++)

(お返し……必ず書きますから!!)

もう一生頭が上がらないですわぁぁぁ!!

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