With Love―――哀し過ぎた願望の彼方


            風兎




毎夜―――夢に見るのは君の姿・・・


愛しい君はどこにいるんだ?


手を伸ばしても届かない


俺の光で全てを包んで――――・・・






月が美しい夜だった。
聖殿に植えてある木蓮の木が白く透き通るように輝いていた。

「アンジェリーク・・・まだ帰れそうに無い・・・」

その日は突然聖殿から守護聖招集を受けた。
女王反対派の輩が聖地に入り込んだという事らしかった。


「大変です!隊長一名が炎の館の方へ―――!!」

言葉を最後まで聞かぬうちに俺は走り出していた。
何故かとても―――酷く嫌な予感がして。




「おかえりなさい、オスカー・・・」



アンジェ。
そう叫んだ俺の言葉よりも早く君の瞳は閉じられた。
君の血は鮮やかに部屋に薔薇を描いた。

一面の赤。

月の金。

それから、それから――――鮮やかな薔薇の紅・・・














それから俺は毎日君に囁いた。
夢に見た跡もずっと―――囁いた。
恐怖に脅える君の声が聞こえた。
いつまでもどこまでも聞こえる。
助けて、助けて、助けて、助けて、助けて―――

喪失感が押し寄せてきて俺の心が少しずつ壊れてゆくのが分かった。
それでも俺の唇から出る言葉はたった一つ。
アンジェリーク。
愛しい君の名前だけだった。

アンジェリーク。
冷たい君の中へ、俺の欲望を注ぎ込んだ。

凍えるような、命。

君の体が熱くなる―――ぬくもりを取り込むように

俺の体から少しずつ命を吸い取って生き返る君にキスを贈る。

君の体は俺の生を求めているのが分かった。










「―――アンジェリーク・・・愛してる・・・・」



俺の言葉で冷たい君の体にほんの少し熱が戻り、彼女の手が頬に触れる。


「ああ・・・・アンジェリーク・・・・・」


彼女は俺の血を不思議そうに見上げる。

とても艶かしい香りがした。

鮮血の付いた指を君は動かした。

唇をなぞると、微笑んだ。

そして彼女の中でまた大きく脈打つ俺が

彼女を満たしているのが分かった。

『愛してる』

囁いた後の彼女の瞳がどこか遠くを見ていた。





彼女の中に俺の命が注ぎ込まれると

彼女は永遠に生き続けるだろう。

彼女が気付きさえしなければ―――・・・

だから俺は彼女を抱く。

愛しい彼女の腐食した体を。



―――例えそれが彼女を縛る鎖になっているのだとしても







月が紅く輝いた夜の事だった。




FIN




†††††††††

なんか暗いものに・・・そう、アンジェちゃんは腐食していて、
それを知らないアンジェリークと、それに気付かせないオスカー。
そしてそんな彼を心配したオリヴィエさえも・・・・

アンジェリークが何よりも大切なオスカーの狂気と、
本当は気付いていたのかもしれないけれど、彼のそばから離れたくないアンジェリークの否定。

そしてそれが破られるまで・・・

アンジェリークの生の源。
っていうかそういえるものか分からないけれど、源は
オスカーの生―――精。

注ぎ込まれる行為だけが、彼女を生かすって事でした。

では、こんなんでよかった・・・・かな・・・・・(滝汗)


††††††††††


.・゜゜・(/。\)・゜゜・. せつないぃぃぃ。
二人とも哀れだ。この話の続きは(というか、前の話は)風兎さまのHPにありますので、
皆様ダッシュですよぉぉぉ!!
ミカルじゃこんな話、絶対書けないぃぃぃ。
無理言って書いてもらってよかったぁ♪(←鬼畜)

これでますます頭が上がらなくなりそうです。

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