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いつの事だったか今はもう思い出せない
何年、何百年、何千年前の事だったか・・・
私はいまとても暗い場所にいる
誰もいない場所にいる
たった一人、いる
『必ず・・・ここから抜け出してみせるから』
そういった彼の言葉は震えていたのを覚えている。
耳元で震える声はいつもの暖かな彼の声と違い、どこか絶望にもにた寂しさが混じっていた。
私は祈った。
何度も、何度も・・・ひたすら祈った。
だけど、奇跡はおこらなかった―――――・・・
『・・・約束を・・果たせなくて・・・すまな・・・』
ことん、と、彼の弱りきった手が力をなくして滑り落ちた。
細く枯れた枝のような彼の腕は、かつての逞しい体つきとは違っていた。
歳は・・・変わらない。
それならば、何故?
何故、彼は若々しい姿のまま老いていく?
それは・・・・・
「私が・・・そう望んだから・・・」
鉄格子に囲まれた小さな部屋。
もう私を女王と呼ぶ者は誰一人としていない。
彼はここで朽ちた。
私をおいて・・・逝って・・・くれた。
「・・・はぁっ・・うっ・・・うぅっ・・・」
嗚咽が漏れるほどに涙が溢れ出す。
そう望んだのは自分だったのに。
彼は私のした事を知らずに逝った。
それならばもうそれでいいじゃないか、そう思うのに身体は言う事を聞いてくれない。
―――彼に逃げ道を与えたのは私だ――――
愚かだ、我慢できなくなるのならそんな事しなければいい。
ずっと彼を私の元へおいて、ずっと側にいて貰えばいい。
それが私は出来るのだから。
この、悲しみに満ちたサクリアで。
『大丈夫だ、必ず出られるから』
―――出られなくても良かった・・・ここにいれば二人ずっと共にいられる。
サクリアが消滅しても、離れる事無く、永久の檻の中。
サクリアを持つ者が逃げ出せぬように作られたこの小さな檻の中。
・・・本当は、私にはこの檻を抜け出す事は造作もない事だった。
だけど、彼が必死に私だけでもここから抜け出せるようにしている事を止められなかった。
『せめて・・・君だけでももう一度・・・陽の下にっ・・・』
私だけが出ていったいなんの意味がある?
二人で、と言って欲しかった。
貴方の犠牲の上に得られる自由などいらないのに。
『君だけでもっ・・・幸せに・・・』
貴方が優しすぎたから。
だから、私は貴方に魔法をかけてあげた。
ゆっくりと朽ちていく、体。
サクリアを有する者に与えられない絶対の幸せを。
・・・貴方にだけ。
ゆっくりと確実に老いていく彼は、サクリアがなくなったのだと思っていた。
そして・・・貴方は逝った、何も知らぬまま。
ごめんと、ただ・・・約束を果たせずにごめん、と。
――――約束とは、何?――――
私は一度として彼に『私だけを出して欲しい』などいったことはない。
彼は最後までごめんといっていた。
女王のサクリアなど、なければいい。
そう思った。
でも、なかったら・・・彼に出会えなかった。
――――彼は逝った。
ここにいる私は、残されたのではなく、残った。
彼に安らぎを与えたかった、彼にだけは。
彼と共にいたい私と、彼をもう休ませてあげたい私。
だから、私は一人残り、こうして彼と生きた時を彷徨う。
・・・そしてふと思う。
彼も今の私と同じ気持ちだったのではないか、と。
だけど全てはもう遅い。
私はいまもここにいる。
誰もいなくなった、今でもここにただ一人。
何年、何十年、何千年・・・ここにいたか分からない。
もう、彼には出会えないのだろうか。
それすらも分からない。
そろそろ、私には限界がきているのかもしれない。
とっくに、来ていたのかもしれない。
だから私はいこうと思う。
幸せだったあの時に。
彼と二人、ここに閉じ込められたあの時に。
最後に残るのが同じ運命だと分かっている。
同じ時を何度も何度も生きてきたから。
時を遡り、また、悲しみの淵に沈みたい。
・・・その時に、彼がいるなら・・・
・・・私の意識はそこで途切れた。
「アンジェリーク、気が付いたのか?」
ここはどこだろう。
目を開けると、彼の鼓動がすぐ近くで聞こえた。
暗く、冷たい石造りの・・・牢屋。
「大丈夫だ、君だけはだしてやるから・・・」
彼の言う事はよく分からなかった。
だけど、何故か私は頷いた。
嬉しかった、彼が私の事を思ってくれる事が。
「必ずここから・・・君だけは出してみせるからっ・・・」
・・・・・どこかで聞いた事のあるような気がした。
だけど、何度考えても分からないので、私は素直に頷いた。
だってもうそんな事、私には関係ないと思えたから。
「私の事・・・愛してる?オスカー・・・」
「ああ・・・ずっと愛してるよ・・アンジェリーク」
嬉しい。
ずっと、一緒。
ここがどこだか分からない・・・だけど、ずっと一緒。
ここにいる限り、ずっと。
・・・・何度でも、何度でも・・・・ずっと・・・
□風兎□
押付け創作〜〜〜〜!!(ハイテンション)
ミカちゃん(勝手に:笑)ごめんね〜〜〜久々の押付けが・・・・ダークで(汗)
意味わからん創作だよねえ!?ごめんよ〜〜〜!!
愛の押付けってことで!!(逃げ)
失礼しました〜〜〜v
☆☆☆★★★★
風やんありがとぉぉぉvvvv
おうダーク……おうおうダーク【><。】
この相方って、きっとオスカー様だよね。
リモちゃんってば、なんて悲しいメビウスの輪に。
共に在りたいと願い、でも叶えられなくて……同じ時間を繰り返すという凄いシチュエーション。
絶対ミカルが書けない切ないお話です。
ありがとぉぉぉ!! 一生ついていきますわぁぁぁvvvv
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