アナザーで会いましょう   




17. 月の裏側  4






ディッセンベル市の士官学校は、18時で職員の勤務は終了する。

「アスラン・ザラ〜!! あのデコ、何処に消えやがったぁ!!」

イザークが、廊下を全力疾走しつつ血眼で腕時計を確認すると、無機質なデジタルは17時55分を表示した。
士官学校に残留し、講師の任についているイザーク達4人にとって、一日の最後を飾る任務は、MSシュミレート機の整備と点検だ。
生徒が演習中に、OSを身勝手にカスタマイズしてくれる為、彼らは毎日一端初期化し、ソフトを再インストールし、バグチェックを行っている。
憧れのアテナの戦い方法を真似るのは勝手だが、後始末まできちんとしやがれと思うのは、過ぎた望みなのだろうか?

これが2〜3台ぐらいなら可愛げもあるが、ゼロが一つ多い30台もあるとなると、大層手間がかかり、殺意も湧いてくる。
しかも生徒の自主トレは22時まで行われる為、折角綺麗にしても、翌日には元の木阿弥。
延々と続くイタチごっこに加え、作業自体はちょっと専門知識があれば、誰にでもできる代物とあれば、馬鹿馬鹿しく思っても当たり前。
実際、雑事ばかりでイザークの赤服エリートのプライドは粉々だ。

だが軍属となった以上、どんな理不尽な命令でも、絶対服従の義務がある。赤服の意地にかけて、18時の就業終了のベルが鳴り終わるまでに、全ての任務を遂行し終えなければならない。
なのに、3人が一丸となって血眼でラストスパートを頑張っていたのに、あのデコッパゲはトイレに行くと出ていったきり、30分経っても戻らなかった。

最高評議会のどんな思惑が入ったか知らないが、彼ら4人が士官学校を卒業してもう1ヶ月になるというのに、いまだアマルフィ隊への配属命令が降りない。
キラ自身の口から、申請は皆が卒業する2ヶ月前に終わったと聞いている。また4人と仲の良かったラスティも、アマルフィ隊のメンバーに加わり、最初から自分専用のジンを拝領したと聞く。
仲の良かった友人が、立派に赤服らしく活躍する幸運を喜ぶ気持ちは本物だが、現状の情けない自分と比べたら怨嗟も湧こう。何よりキラ嬢を守る役目は誰にも任せたくないから、腹も立つ。

(くそっ、友を妬むなど、何時から俺はこんなに卑小な男になったんだ?)


イザークが講師専用の職員室に駆け込めば、案の定、アスランは私物のノートパソコンを弄っていた。

「貴様、何をいつまでサボっている!!」

勤務時間中に、しかも仕事も途中で投げ出した分際で、ネット遊びとは良い度胸である。

「さっさと来い!!」

イザークが猫の子のように彼の襟首を引っ掴めば、振りほどいて顔を上げたデコッパゲは、剣呑な形相で、人差し指を唇に当てた。

「静かにしてくれ。聞こえないだろ」

逆切れしたアスランの剣幕に、たちまちイザークの臨界点が突破しかけたが、机の上に青色ハロが、目をチカチカと赤黒く点滅させ、アスランのパソコンへとコードを伸ばしているのを見つけた瞬間、背筋に冷たいものが走った。
冷静になれば、視野も広がり状況も読めてくる。
どうやら、青い悪魔は、何か情報を受信しているらしい。

アスランの作ったハロは、製造者の性格の悪さを反映し、個々に犯罪まがいの色んな機能が搭載されている。
中でもこの青ハロは最もえげつない。
なんせこの極悪ペットロボの得意技は『盗聴』と『集音』で、かつてイザークはガモフ搭乗中、こいつがキラの傍から離れず、主に会話を密告し続けたお蔭で、キラと2人っきりになれる機会を邪魔された挙句、何度も嫌がらせを受けたのだ。

「またお前は卑怯な真似を。おい、俺はそういう姑息な真似は好かん」

アスランの肩を掴んだ途端、抜き放たれたナイフが首に突きつけられる。
どうやら、今日の彼は相当切羽詰っているようだ。イザークを睨みあげる翡翠の目は、怒りに眇められ、後一押し刺激すれば、本当に頚動脈を切りかねない恐怖を感じる。
だが、他の一般兵ならいざ知らず、イザークは自分の価値をちゃんと把握している。いくら【ザラ】でも【ジュール】の人間に害をなせば、只では済むまい。

「いいか、知らないのなら教えてやる。盗聴は犯罪行為だぞ」

暫く睨み合った後、アスランが先に刃物を納めた。
負けず嫌いの彼が先に折れるとは、珍しい事もあるものだ。
そう思ったのもつかの間、部屋の入り口のドアが静かにスライドする。
やはりこいつは性格が悪い。
(アスランの奴、人の気配を読んだのか? それともどこかに隠しカメラでもついているのか?)

だが、入ってきたのは、見慣れた緑色の綿飴頭と己の幼馴染だ。

「あれアスラン、何を調べているんですか?」
「お前達、貸し一つだからな。明日は頑張れよ」


今日の仕事を無事終わらせたディアッカは、やれやれと肩を回しながら簡易キッチンに向かい、律儀に4人分のコーヒーを入れ始めた。
ニコルも普通にアスランの背後に回り、パソコンの画面を覗き込む。
青ハロの極悪さ加減は、2人とも理解している筈。イザークには理解しがたい行動だ。

「貴様ら、何故こいつを止めない?」
「そりゃアスランが何して捕まろうと、自己責任だろが」
「簡単に逮捕されるようなマヌケなら、キラ姉さまの幼馴染は務まらないでしょ。だって姉さまの趣味はハッキングですし、バレなければ何しても良いんですよ♪」

ディアッカは無関心スタンスを崩さず、ニコルも穏やかで優しげな口調で、さらりと黒い言動を吐きやがる。

どうやらこの中でまともな神経の持ち主は、イザークただ1人らしい。

「勝手にしろ。貴様たちに付き合っていられるか」
(こんな事なら、ガモフを降りるのではなかった!!)

野戦任官でも、レイ・ザ・バレルのように戦功さえあれば赤服が貰えると知っていれば、わざわざあの人の傍を離れ、士官学校に入り直す事は無かった。
ましてや今ガモフには、ザフトきっての最悪の女タラシ、ハイネ・ヴェステンフルスがいる。
ミゲルやラスティが防波堤になっているとはいえ、早く彼女の傍に行かなくては、いつあの男に騙されて食べられるか判ったものじゃない。

(くそ、何故俺達だけ辞令が降りない? ザラ国防委員長は、一体何を考えている?)
ふて腐れ、本日の勤務日誌を書こうと席に着いた正にその時、アスランのパソコンの前に鎮座していた、ハロの耳がパタパタ動いた。

≪一体どうなっている!!≫

今、正に考えていた男の怒声に、イザークの目は点になった。


「……これは……ザラ国防委員長の執務室……ですか?」
「ああ。何か事件が起こっているらしい。やっとチャンスが到来したようだ」
「面白いネタ、掴めるといいですね」

(普通、息子が親に盗聴器を仕掛けるか?)

ザラ家の教育は一体どうなっているのかという疑問はさておき、現金なもので、イザークの耳もたちまちダンボになった。

国防委員長が慌てるネタを入手できれば、使い方次第でガモフへ行ける。
だが、これは卑怯な行為。そう判っていても人間は悲しいかな、何と引き換えにしても得たいと望む、己の欲望に打ち勝つのは困難で、イザークも例外ではなかった。



―――――だが―――――

≪ゼルマン!! 何故、キラちゃんが元の世界に帰ったのだ!! 原因は何だ!!≫



☆☆

アステール・アマルフィの執務室で、怒れる国防委員長のモニター前に、ゼルマンは痛む頭を抱えた。

「これは一つの可能性です。ですが冷静になってお考えください。フリーダムには出撃記録はなかった。ガモフから絶対に発進はしておりません。ならば、思い当たりは、残念ながらこれだけです」

ガモフの中にありながら、フリーダムはキラを乗せ、眩い光を放って忽然と消えたのだ。
助けようとしたハイネとレイも巻き添えだ。
それは当時、MSの整備を担当していた多くの整備兵が目撃している。


キラはこの世界の人間ではない。
しかもフリーダムに乗って、タイムスリップしてきた。
その時も、彼女の意志など関係なく、無理やり飛ばされてきた筈。
ならば今回も、何かのスイッチが入り、再び元の世界に戻ってしまった可能性は高い。

豊かな髭を蓄えたゼルマンは、焦燥した面持ちで溜息をついた。
エンディミオン・クレーターの戦いを間近に控えているのに、白きアテナが消え、参謀役のハイネ、そして少子化対策の研究サンプル、レイ・ザ・バレルも消えてしまった。
ガモフ、いやプラントの損失は計り知れない。

「俺、さっきから話の流れが訳判らないんですが。キラがこの世界の人間じゃないって、どういう事なんですか? キラはニコルの姉なんですよね?」

最早人間の住処と言えない散乱した重要書類の海の中、ラスティは胡坐をかいて呆けているミゲルの肩をガクガクに揺さぶっているが、反応は薄い。
ミゲルはキラを猫可愛がりしていたし、副官としても公だけでなく、私の時間も潰して献身的に尽くし続けた。
その≪アステール・アマルフィ≫が失踪したなんて。

「……艦長、艦内放送かけてくれませんか……」

のろのろと顔を上げたミゲルの目は血走っていて、常軌を逸した気迫にゼルマンの背筋が凍る。

「……アマルフィ夫妻が、美味しいケーキ片手に待ってるって。さっさと出てこないと俺達で食っちまうって。あいつは食い意地がはってるハムスターだから、きっと這い出してくる筈です。隊長がいなくなる筈ない。そんな筈ない……」

喪失のショックのあまりに冷静さを欠いたのか、彼は縋るようにゼルマンの両腕にしがみついてくる。
気持ちはゼルマンも同じだった。
自分も父親になった気持ちで、あの子を見てきたのだ。敵襲時も笑みを忘れず、駆け出していくキラの後姿に、ガモフクルーはどれ程安心と頼もしさと癒しを感じた事か。

だが自分は軍人で、しかもこの船の艦長だ。
どんなにキラが可愛くても、航行中に私情をまじえれば、船が沈む。


「ザラ国防委員長、三人のMIAを認定し、公表しますか?」

ザフトの軍人たちやプラントの民に、アステール・アマルフィが失踪したといっても通用しまい。ましてや異世界に帰ったなんて怪情報が流れた日には、ザフトどころかプラント中に、動揺の激震が走る。
戦意喪失は否めないが、キラ達は軍人だ。ミッション時の事故による行方不明ならば、白きアテナがいつか帰ってくるかもという希望は残せる。

だが、パトリック・ザラは首をしっかり横に振った。

≪まだそうと決まったわけではない。ギリギリまで隠しとおせ。最高機密扱いで、この件は緘口令を敷くのだ≫


☆★☆

「……キラ嬢が帰った?……」

青ハロを通じてパソコンから紡がれた内容に、イザークは体中の力が抜け、蒼白になった。
人間絶望を知ると、体に力が入らなくなるらしい。
知識では知っていたが、実際体感したのは初めてだ。
椅子に座っていなければ、きっとへたり込んでしまっただろう。ニコルのように。

「……そんな、姉さま……」
彼はアスランの背後でしゃがみ、呆然と琥珀の瞳に涙を潤ませていた。
大好きな存在に、二度と会えないかもしれない喪失感に慄き、何時しか喉を震わせしゃくり始める姿は、14歳になったばかりの年相応の少年だ。

「アスラン? おい、アスラン?」

イザークはディアッカの怒声に、のろのろと視線を少し上げた。
藍色の髪の少年は、パソコンのモニターを前に、己の両頬を手で包み、恐怖に顔を引きつらせ全身を慄かせている。
丁度コーヒーをテーブルに運び終えた直後だったのか、ディアッカは様子が激変したアスランの肩を揺さぶっている。


「――――――キラァァァァァァァァァァァァ!!―――――――」


まるで、断末魔のようだった。
事故ったエレカが火花を散らし、爆発炎上したかのように、唐突に彼女の名を悲痛に叫んだアスランは、机に突っ伏し胸を掻き毟って悶えだした。
苦しげに歪んだ顔には苦渋でびっしりと冷たい汗が浮かび、閉じられた瞳からは幾筋も涙が頬を伝って流れていく。
尋常ではない。

「おいイザーク、こいつ痙攣してる!!」
「ディアッカ、気道を確保してください。過呼吸です、速く!!」

ZAFT入隊前、カレッジの医学部に通っていたニコルが、指示を飛ばす。
まるで気がふれたかのようなアスランを、ディアッカがはがいじめにして押さえつけた。
駆けつけたイザークも、友を手伝ってアスランを仰向けに体を反らせるが、アスランは上手く息が吸えないのだろう、相変わらず喉元を掻き毟っている。
目から迸る涙、声にならない叫び声、全身を小刻みにして戦慄く彼は、まるで壊れた人形だ。キラ…キラ…と、唇を繰り返し動かし、目の焦点が全く合っていない。

「あああ、もう、酸素ぐらいないんですかここは!!」

ニコルが半泣きで置き薬の詰まった箱をひっくり返し、探してる間、イザークはアスランが舌を噛まないように、己のハンカチを突っ込んだ。

彼の虚ろな目から涙が溢れる。
アスランに何が起こっているのか判らないが、明らかに心の病を患っている兆候に背筋が凍る。


≪……国防委員長、なら、あいつを呼んでください!!…貴方の御子息、アスラン・ザラを!!≫

地獄絵図と化した室内に、パソコンからミゲルの泣きそうな声が浪々と響き渡る。

≪隊長にとって、アスランは特別だ。あいつは今度こそアスランが死なない未来を手に入れるために、最前線で戦ってきたんだ。その願いも叶えてないのに、絶対に帰る筈がない。例え帰ったとしても、根性でこの世界に戻ってくる。目に見えない何かが俺の隊長を連れていっちまったっていうなら、俺はあいつらの絆にかけたい。どうかアスラン・ザラをガモフに、隊長が消えた場所に呼んでください!!……≫

「そうだ腑抜けるな馬鹿者、キラ嬢は死んだ訳じゃない。今だって1人心細く、お前の助けを待っているかもしれないのだぞ!!」

つい、ミゲルの尻馬に乗って囁いてしまったが、震えていたアスランの体から、急速に力が抜け落ちた。
このまま正気に返ってくれればしめたもの。

≪駄目だ≫

パトリックの制止に、イザークは眉を顰めた。


≪この件は、絶対にアスランに知られてはならん。例え親馬鹿だと笑われても構わん。私はもう、これ以上息子を壊したくないのだ≫

「大きなお世話だぜ」

ディアッカは青ハロをパソコンごと持ち上げると、布製の大きな袋に放り込んだ。
その鞄を、ニコルがすかさず引っ手繰り肩にかける。

「おいおい?」
「僕、アスランの荷物持ちです。何でもしますから、ガモフに連れてってください。僕は僕の大事な姉さまを取り返したい。少しでも可能性があるのなら、諦めたくない」
「じゃあ、俺とイザは、さしずめお前の運転手とボディーガードな」

ディアッカが、イザークの肩を軽く抱き寄せ、勢い良く手を上げる。

4人のガモフ配属への辞令はいまだ無い。
ましてやガモフは作戦渡航中、乗り込むには大儀がいる。
だが、ザラ国防委員長第二秘書の肩書きさえあれば、逆らえる軍人はいない。


「不本意だが、今俺達はお前に頼らざるえない。判っているな、アスラン・ザラ」
「折角の権力ですもの。こういう時に使わないで何時つかうんですか」
「そうそう、頑張ろうぜ、アスラン♪」

ディアッカにぽんと背を叩かれ、虚ろだったアスランの翡翠色の瞳に、力強さが戻ってくる。

「……そうだ……。キラが、俺を置いて帰る筈ない……。俺がキラを呼んでやらないと……、あいつ……、方向音痴だし、帰ってこれない……」

「そうだ。希望があるのなら、生きている限り足掻なくてどうする?」
「行きましょう」


アスランは泣き濡れた顔を拭うと、勢いよく立ち上がった。
イザーク自身、こいつがこんなにもキラ依存症だったのには驚いたが、今はなりふりなど構っていられない。
彼女をもう一度この世界に呼び寄せる為なら、今はどんな可能性にも賭けたい。

(……待っていろ、キラ嬢……。絶対に助けてやる………)

イザークは拳を握り締めた。

☆☆




電話のベルが、開幕の合図だった。

ファルマンが取り継いだ受話器を切り終わったロイは、ポケットから発火布の手袋を取り出して装着した。
キラでも判る。とうとうロイが出向かなければならない事件が発生したのだ。

痛ましそうにアームストロング少佐がキラを見下ろす。
ヒューズも同様だ。
数秒前のほのぼのとした空気は霧散し、緊迫した重い空気に、キラの体から急激に体温が奪われる。
震えがきそうだが、心配をかける訳にはいかない。
キラは口元をむりやり上げ、にっこりと笑みを作った。

「ロイさん、何処ですか?」
「一昨日のアンネ・ローズ嬢誘拐事件で、18人の死体が見つかった場所近くだ」


飢えたキメラ達が、周辺の住民を襲っているのだという。
ここから車で20キロの距離。
そして今日の自分は、ロイと15メートルしか離れていられないのなら、キラの同行は避けられない。


「キメラ狩りに行く。ついてこい」
「はい」

キラは椅子にかけてあった、己の春用コートを手に取った。
羽織ろうと広げると、ころりっと緑色した小さな球体が、ぽーんと勢いよく床に弾み、飛び跳ねだす。

≪キラ、ハロキラ♪ キラ 大好きキラ♪≫

耳をぱったぱったと動かしながら、忙しなく跳ねる玩具にキラの目は点だ。

「あれ、なんで? 僕机の引き出しに仕舞っていたよね?」

それにスイッチを入れた覚えもないのに、キラの名前を呼びながら、ハロはぴょこぴょこと跳ねまくる。
キラは慌てて指を立てて静かにとゼスチャーするが、ハロは今日も絶好調で、キラのお願いを無視する。


「キラちゃん、なんだそれ?」
「ハロっていう、僕のペットロボです」

とっつかまえてスイッチを指でoffに切り替えようとしても、なぜか動かない。
焦るキラの苦労を知らず、ハロはするりするりと宙を舞う。

「どうしよう、スイッチが壊れてるよ〜。なんで今日に限って……」

きっと、落とした時に壊れたのだろう。こんな忙しい時に勘弁して欲しい。

「まるで連れていけとせがんでるみたいですね」
「ええい、ブラック・ハヤテ号と遊ばせておけ」
「ロイさん、でもこの子、僕の後を追跡する機能があるんです……!!」

無邪気にキラの足にコロコロ戯れる姿は愛らしいが、こんなほのぼのに現場についてこられたら、嘗め腐っているのかと士気に関わる。

「黙らせられないのなら仕方ないな。燃やすか?」
「いいえ、大丈夫です!!」

キラは指を鳴らす構えを見せた大佐に、首をぶんぶん振って辞退すると、ポケットからハンカチを取り出し、ぐるぐる巻きにして声を封じ、再び引き出しに放りこみ、大きな錠前をかけた。

「お待たせしました。さあ、行きましょう♪」

がたがたと恐ろしい音を立てて机が暴れているが、キラは何も聞かぬ振りして、ロイの背中を押した。

だが、彼らが立ち去って10分後

じくじくと変な音を立てながら、重厚な木目の美しい引き出しは、丸く焼き切られた。穴をあけた張本人……緑の手の平サイズのハロは、するりと穴から飛び出すと≪ハロハロ♪≫と可愛らしく囁きながら、凄まじいスピードで、飛び跳ねていった。


07.08.01




キラのお相手候補…第四の男はアスランでした(一番ハイネ、二番ロイ、三番レイ)。でも第五の男に、イザークもいいかも♪ ミカルはイザキラ派ですv
これで各馬出揃ったかな(笑)
白キラもとうとう凄惨な現場行きです(哀)。


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