大迷惑☆彡 




なんて悲しい単身赴任。君の元に帰りたいのに〜♪


帰りたい〜♪
帰れない〜♪
帰りたい〜♪
帰れない〜♪



うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


SONG by ユニコーンの大迷惑(←歌詞、よく覚えてない( ̄― ̄)θ☆( ++)) 


☆彡



「何か、とんでもねー夢を見ちまった気がする」


ハイネは頭をぽりぽり掻きながら起き上がると、朝だというのに疲れ果てつつため息を零した。
夢と判っていても洒落にならない。
やっと3ヶ月の単身赴任から帰ってきたのに、夢でも走り回り、号泣し、キラはどこだと探し回るなんて。
ハイネの隣は既に空っぽだった。
ベットに残された丸い人一人分の窪みは、キラがちゃんとここにいた証拠だ。
手で触れるとまだ温もりがあり、彼女が離れて間もないことが伺える。時計を見れば7時を回っていて、疲れて帰ってきたハイネを、少しでも長く寝かせてくれようとするキラの気遣いが、ほっこりと心に染みる。

互いに婚姻統制法で定められた婚約者がいた二人は、恋に落ちても当たり前だがプラントでは結婚は許されない筈だった。
だが、例えこの世界では認められない関係だとしても、ハイネはキラと愛し合った。今後も死が二人を分かつまで、彼はキラを手放す気はなかった。
愛人のままで良いと思っていたハイネとは異なり、彼のためにウエディング・ドレスを絶対に着たいと願うキラはしぶとかった。

『反対するなら、僕達はこのまま、今すぐオーブに亡命するもん!!』

猿ぐつわを噛ませ、簀巻きにしたハイネをフリーダムに積んで立てこもり、スピーカーをMAXにあげ、駆け落ちも辞さないと泣き落としたキラの努力が2割、ナチュラルとの戦争に、フリーダムとキラを手放せないZAFT]の事情が8割。
ハイネの男としての面子は丸つぶれだが、無茶苦茶な恋人のお蔭で、二人は特例で結婚が認められたのだ。

だが、例え国が認めても、アマルフィ家とキラの崇拝者はしぶとかった。
新婚なら、暫く二人っきりで生活を楽しみたいと望んでも、ハイネの棲家はアマルフィ家のキラの隣部屋に決まり、彼の知らないうちに私物全てが、勝手にマリア・ブランシュホテルから運び込まれていた。
この世界に吹っ飛んできて、孤立無援な彼女を暖かく迎えてくれた恩人達は、彼女を亡くした娘のように溺愛している。
その気持ちを無碍にはできないと、キラに涙目でお願いされれば、ハイネだって折れるしかない。

また特例という恩恵を賜ったのだからと、ハイネは自分とキラを除く、アマルフィ隊パイロットの満場一致でジブラルタル基地へと派遣されることが決まった。名目はモビルスーツの特別教官だ。
アマルフィ隊で使われているOSは、キラお手製で非常に使いやすいのだが、プログラミングが独特すぎて、各自で細かな修正値を書き変えるには難しい代物だ。
だが、パイロットの生存率を上げるためには、是非とも優れた彼女のOSを普及したいからと、その微調整指導に、キラの癖を知り尽くしているアマルフィ隊員に、派遣要請が来たのだ。

心優しいキラは、隊長の肩書きを持っていても、全員の総意には逆らえなかった。泣く泣くハイネに辞令を出した結果、二人は挙式した翌日に、新婚旅行にも行けぬまま、離れ離れとなったのだ。

だが、そんな辛い単身赴任生活は終わった。
今日からは楽しい宇宙勤務だ。

ハイネは寝ぼけ眼を擦りながら、ぺたぺたと素足で廊下を歩いた。ホテルは自分の家代わりだったが、オーナーな自分は、火急の用でちょくちょく呼び出されていたから、パジャマで廊下に出るわけにも行かず、こんな身なりで歩いたことはなかった。
服装と人目を気にしなくていいのは新鮮だ。
寛ぎ、ミゲルの新曲を口ずさみながら、キラが朝食を作っている筈の台所を目指したが、何故か30メートル先にある筈の場所に、歩けども歩けども、彼はいつまでたっても辿り着けない。

(オカシイ、寝ぼけてんのか俺?)

マイウス市にあるアマルフィ家本宅ならまだしも、ここはディッセンベル市にある別宅である。
どんなに館が大きくても、300メートル歩いても辿り着けないなんて変だ。

ハイネは試しにぴたりと足を止めてみた。すると、つぅ―――っと自分がゆっくりと下がるではないか。

(……はぁ!!!)

思い違いでなく、廊下が逆に動いている。
設備コンピューターの暴走か? メイド達やどんくさいキラが、怪我したらどうする!!
ハイネは慌てて駆け足になるが、早足になればなるほど、どんどん廊下も早くなる。

(これだから、ハイテクは!!)

朝っぱらから、何が悲しくて全力疾走のランニング? だが、誰もこのメイン廊下にいないのも絶対におかしい。
人為的な作為を感じた途端、ハイネの脳裏に容疑者がすらりと並んだ。

(ちきしょぉぉぉぉ、こんな陰険なマネしやがるのは、腹黒綿飴頭か? いいやメカオタクのアスラン? 嫌、ラスティも怪しいぜ。あいつは純真なレイとキラに、いつもでたらめ教えやがるからな。イザークとミゲルは白だと思うが、ディアッカがなぁ……。あいつ、気立ては白いんだけど、面白がっちゃあ騒ぎをでかくして自爆するし……)

走って走って走って走って走りまくって、15分後。
ようやく助けを求めても、声が届きそうな所まで辿り着く。

「キラァァァァ!!」

ハイネ渾身の怒声に、すぐさま台所のドアが直にパタンと開き、キラが顔を出す。
「どうしたのハイネ?」
途端、動く廊下もピタッと止まった。

「……、ハイネェ!!」

力尽き、汗だくになって廊下にうつぶせてへばった自分に、キラがパタパタと駆け寄ってくる。

「ああ、もう凄い汗!! 息も苦しそう!!」
(ったりめーだろ!!)
「大丈夫ですか、お義兄さん♪」

声も上げられず苦しげに顔を上げると、ザフトレッドの軍服を着た腹黒綿飴が微笑んでいた。
(……犯人はこいつか!!)
喉をぜえぜえ鳴らしながら睨みを聞かせても、ニコルの表情は崩れない。

「ああ、風邪ですね。僕がベッドに運びますから、キラ姉さまは早く着替えてきてください」
「え……、でも」
「僕、医者の免許持ってるんですよ♪ ジブラルタルとプラントじゃ気候も全く違うし、疲れも溜まってるみたいだし。それともキラ姉さまは僕が信用できませんか? だったらアマルフィ家のお抱え医師団に、診察をお願いしておきますね。彼らはとても優秀ですよ♪」

畳み掛けるように言われれば、純真なキラは、「ううん、僕がニコルを信じないなんて事、あるわけないじゃないか」とフルフル首を振るしかない。
(お前は概に騙されている!!)

「それよりハイネが帰ってきた途端に隊長さんが遅刻なんて、皆に示しがつきませんよ♪」
「……うう、そうだよね………。僕が看病したいけど……、無理だよねぇ……」
「ま…マテ…、俺は別に…ぜぇぜぇ……、大丈夫だから……」
「ダメだよ。隊長命令だ、君は休むの!!」

びしっとキラに、指をつきつけられる。こんな時に権限を使うな!!
同時にニコルが用意周到にもハイネの肩に、寝巻きの上から直接、小銃型の注射を突き立てる。
睡眠導入剤だと気づいた時にはもう遅い。
ハイネの目蓋が、すぐにトロンと落ちてくる。

開け放しっぱなしのドア影から見えたテーブルの上には、今まで1度も食べたことのない、キラ特製のオーブ風朝ごはんがある。

真っ白いほかほかの米、焼き魚に海苔、温泉卵、味噌汁に緑茶。

もう自力で歩くこともままならないハイネをズルズル引きずりながら、ニコルはにっこりと耳打ちした。
≪大丈夫、姉さまの愛情篭ったあの朝ごはんは、僕がしっかりと胃袋に納めますから。ふふふっ……姉さまと同伴出勤、嬉しいな〜♪≫

(お前、それが目的か……!!)

キラの手作り朝ごはんなんて、戦艦で宇宙にいる時にはまず望めまい。ましてやこの戦時中、激務な隊長勤務にある彼女に料理を作る暇はなく、今回を逃せば何時口にできるか定かではない。
騙されやすいキラはきっと、ニコルが最恐の小姑なんて、全く気づいてもいないだろう。

(てめぇ、俺がこのまま黙ってると思うなよぉぉぉぉ!! 食い物の恨みは恐ろしいんだからなぁぁ!!)

毒づきつつも、ハイネの意識はそのままブラックアウトした。


06.10.13



へこんだ時は、ギャグが書きたくなるので( ̄― ̄)θ☆( ++) 
これは二日に渡って応援メールをくださった恵里さまに♪ お好きだと伺ったハイネ×キラのお届け物です。
沢山の元気をありがとうございますね。
突発書きなぐり創作ですが、貰っていただけましたら嬉しく思います(⌒∇⌒)ノフリフリ


冒頭のイラストは、恵里さまからの頂き物ですvv
白キラのイラスト〜〜〜vvvvv  あどけない表情が可愛い〜♪
恵里さま本当にありがとうございましたvvvv(* ̄∇ ̄*)♪




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