夢膨らむ飛空都市♪





その日はアンジェリークにとって運命の日だった。
静かな森の湖にやって来た少女は、
明日から女王候補としてここ『飛空都市』で生活を始める。
そんな彼女の心にあるのは、不安と言う感情だった。


(・・・・パパ、ママ・・・・)


もしもこのまま帰れなかったらどうしよう?
新しい生活には慣れ親しんだ友人も家族も居ない。
一人っきりの生活で、守護聖様達はこんな泣き虫の自分を気に入ってくださるだろうか。
そんな不安が押し寄せてしょうがない時、寮のお姉さんに
『森の湖なら、きっと心も落ちつくわ』
と言われてきたのだ。


(確かに・・・落ちついてきたけど、なんか寂しいな・・・・)

湖に足を浸していたアンジェリークが帰ろうと振り向いた瞬間、後ろで声が聞こえた。
アンジェリークがえっ?と声の主を見ると、綺麗な水色の髪をした優しげな男性がいつのまにか
自分の後ろで写生をしていたのだ。

「ああ・・・・すいません、驚かせてしまったようですね。あまりにも美しかったもので・・・・」

アンジェリークはその微笑に釘付けになった。
胸の鼓動が高まり、息が辛いほどだった。

「ふふ・・・私はリュミエール、といいます。アンジェリーク・リモージュ嬢・・・でしたよね?」

「え?ど、どうして私の名前を・・・?」

リュミエールは微笑むと、一枚の紙を取り出した。

「じつは、先ほどディア様から女王候補の事を聞かされたばかりなのです。驚かせてしまいましたか?」

当たり前の事をぬけぬけいうと思うだろうが、すでに彼に恋してしまったアンジェリークには彼は
『運命の王子様!!』なのである。

「い、いいえ!そんな・・・」

「一人は金の髪の新緑色の瞳でとても可愛らしい方だと聞いておりましたから・・・・つい写生をしてしまいました。すいません」

アンジェリークはそんな、と答えてそっとリュミエールの顔を見てみる。
端正な顔だ。
鼻筋は完璧に通ってるし、瞳は水色で髪ともマッチしている。
ただ一つ難をいえばへんてこな衣装だろうか。

「ふふ・・・・今日は午後から雨が降るようです。良かったらこれから私の私邸でお茶などいかがですか?」

「はい!喜んで!!」

おいおいそれでいいのか十代の娘さん。
先ほどまでの『パパとママ』は遠い記憶の果てに行ってしまってるみたいだね・・・








「うわあ・・・・!!凄い、綺麗・・・・」

キラキラ輝く噴水には彫刻が並べられて、噴水の水があたると音を発する装置もある。
まさに『龍宮城』のようだった。

「今日は執事達も休みをとらせているのです。・・・・・二人っきりですね」

「え?」

「いえ、何でも・・・・ハーブティーなどいかがです?」

「いただきます!」

アンジェリークは知らない。
リュミエールの瞳がキラーんと輝き、口は酔った親父のごとくのたっとしていた事に。


「うわあ!おいし・・・・い・・・・?」

アンジェリークは後に続く言葉を言わないままにふらふらと倒れこむ。

「大丈夫ですか?アンジェリーク」

リュミエールはこの時、『してやったり』と思った。
そんな考えはおくびにも出さずに静かにアンジェリークを
『寝室』に運ぶと、にこやかにこういうのだ。

「どこか具合が悪いようですね。私が調べてあげましょう」

(・・・・・・・・・・・・・へ?)

アンジェリークの言葉にならない思案がめぐらされる間に、リュミエールの顔は『悪魔』へと変貌していった。

「い、いやああああ!!!!」

ボグッ

思いっきり女子高生玉けりキックの発動である。


「ぐうおっ・・・・」

リュミエールはうめき声とも鳴き声ともいえる声をあげて必死に『一部』を掴む。
この男、あるものはあるらしい。

「きゃあああ!だ、大丈夫ですかあ!?」

アンタがやったんだろう・・・
アンジェリークは必死に背中をさすりながら、こちらもにやりと微笑んだ。

「私が調べてあげちゃいます〜♪」

(・・・・・・・・・・・・・は?)


アンジェリークはにっこりと微笑んで・・・・頂いちゃいました。










「あ〜、やっぱり森の湖ってきくわね〜!『やりがいのある男がいますぐ来ますように』って願いもかなっちゃったし!こんどは『やられがいのある男』でも呼ぼうかな〜♪あ〜、夢が膨らむわ〜下界じゃ犯罪だもんネ☆」


某守護聖の危機だ!



Fin 



☆☆☆☆☆☆

ミカル様・・・これじゃ完璧にリモちゃんがダークですね。
ごめんなさい〜かいてたらついつい
『・・・リュミちゃんって完璧(受け)なんだよね・・・・』
という危ない発想をして、実現しちぃました。

こんなので、駄目・・・っすよね。
やっぱりコメディになっちゃったな〜・・・・・

☆☆☆☆☆☆

いえいえ、そんなことありません。リクして僅か一日だというのに……!!
もう、びっくりです。素敵なダークをありがとうございました♪

にやりん♪
リュミさま、まだまだ甘いわね(爆)
師匠のクラ様なら、きっと飲み物すら使わずに、ぱっくんだったでしょう(* ̄∇ ̄*)エヘヘ
某守護聖の危機って、もしかしてあの方ですか?(爆)
一度、アンジェに襲われる炎様ってのも、見てみたいです。

(何故、壁紙がハムちゃんかというと……やっぱり、ぱっくんと食べられちゃった訳ですから♪)

風兎さま。楽しい創作をありがとうございました♪

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