| 「天空の恋」「天眼の王」「天翔る獣」と続くカルム編です。イエランとリネアを見守り続けたお兄ちゃんですが…その二人もとうとう大切な人を見つけ何となく取り残されてしまったような…そんな彼の前に現れたのは!!あ〜可哀想な生贄がまた一人…エロ大王のイエランをその座から追い落とす事がカルムに出来るのか!!あっ…いえいえ…これはそんな話では…すみません。さてはてどんなの?と思う方はどうぞ下記をご覧下さいませ(笑) |
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天人の
囁き
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この世界には神と呼ばれる存在がいた。万能の力を持ち全ての生きもの達を統べていたと云う。
その彼らが急に姿を消し、未だにその原因は謎に包まれているものの彼らの力の一部が残されていた・・・それは後世に神の遺産と呼ばれるものだ。
そしてそれを守護する選ばれた種族―――天眼・黒翔・猛牙・蒼苑・洞。
彼らはそれぞれ違った種類の神の力を受け継ぎ、国を造った。
その五大国の中でも最も神に近いと云われるのが額に第三の目を持つ天眼族だ。
彼らは様々な神通力を使う。思念だけで物を動かすもの、空間を曲げるものに、遠くを見渡せるものや、心を読むものなど様々・・・
その頂点に立つのが金の天眼を持つ者達でありその中で最も力の強い者が統治者―――王となる。
不思議な事にその王となった者の子にだけこの金眼が受け継がれると云う特殊な一族だ。
そして現在、力のある若い金眼は先王の子が少なかったせいで三名・・・最近一名増えたがそれでも四名のみだった。これは歴代でも数える程ぐらいしかない例らしい。
しかし彼らはそれぞれ並外れた力を有し数の足りなさを感じさせなかったのだが・・・
その一角が最近崩れてしまった。
最強と言われる天眼軍をまとめていた王姉リネアが猛牙国の王子サガンに嫁いでしまったのだ。
「リネアには幸せになってもらいたいけれど・・・あの子の代わりになる者は無し・・・父上がもっと励んでくれれば良かったのに・・・まぁ・・それは無理な話か・・・」
カルムは溜息混じりに呟きながらある場所へと向っていた。
王佐を勤める忙しい彼がこの場所に度々訪れる・・・嫌、訪れなければならないものがこの地にあった。
それは彼の母親エドラの為だ。エドラはハーン家の出身・・・ハーン家とは天眼国を支える重臣七家の一つだが他とは違い王族で構成される。だから世襲制ではなく王の次に力あるものが当主を勤めるのが習わしであり現在は王の兄カルムがハーン家の当主だ。
カルムの母は先々代の王縁の姫で自尊心も強く気位が高かった。それを最初好んだ先王カルムの父だったが・・・次々と他の女達に心を移してしまった。
それはエドラの自尊心を大いに傷つける結果となり、その嫉妬と憤懣は夫を奪った相手の女達へと向けられた。
その激しい悋気に夫も閉口しイエランの母親以降は女性関係を控えてしまったぐらいだ。
思えばそこから少しずつ母親の心が病み始めたのかもしれないとカルムは思う。
夫の女性関係が落ち着いても自分の息子が他の女が生んだ子供よりも優秀であることを望み、失敗を決して許さなかった。
(思えばあの頃が一番素直だったか・・・)
と、カルムは、ふとそう思った。
母親の愛を欲して一生懸命だったあの頃・・・しかしどんなに頑張っても頭ひとつ撫でられなかった。
そして自分よりもっと可哀想な妹・・・母を亡くした小さな弟の存在を知った。
愛してくれない母よりもその小さくか弱い温もりが何よりも大切に思えた。
しかしそれが母の心を完全に壊す原因となってしまったのだ。
『何?その目は!』
『母上・・・もうお止め下さい。そんな事をしても父上の心は戻りません。それにあの黒翔の女は父上を恨んでいるのですから――』
カルムが言い終らないうちに平手が彼の頬に飛んだ。
『お黙り!わらわが何をすると申すのじゃ!変な言いがかりをつけるでない!』
『・・・・・・・・・』
カルムは無言で母を見つめたがそれが更にエドラの勘気を煽ってしまった。
『その目じゃ!何もかも見透かしたようなその目!恐ろしい子!お前の力は害にしかならぬ!お前は王に相応しくない!その目を閉じよ!』
カルムは天眼を開かなくても流れ込む母の自分に対する恐怖を感じて全ての思考が止まってしまった。
カルムの類い稀な強い心眼と遠視の力は次代の王に相応しいと母が唯一認めて自慢していたものだった・・・それを恐怖と共に否定されたカルムはエドラが自分に向けた刃先をかわすことが出来なかった。
そして初めて母の心の弱さを知ってしまった。同じく心眼の持ち主だった母親の心の奥底まで見通す事は出来なかったのだが・・・と言うよりも本心を知るのを意識的にカルムは避けていたのが正しいだろう。
心眼を持つ者は精神的に強いのが当たり前だった。弱ければ自分の精神がもたないからだ。
母エドラは何時も強く毅然とし誇り高かった・・・しかし彼女は弱い心に虚勢を張り巡らしていただけだったのだ。その脆さを察してやれなかったカルムは今も後悔している。
そしてその後、自我崩壊を起こしかけた母にカルムは暗示をかけた。
精神干渉―――それはもちろん違法だ。
心眼を持つ者が自我崩壊を起こせばその波動は負の周波となって周囲を巻き込む。
そうなった者を救える有効な手立ては無く余波の届かない山奥の牢獄に死ぬまで繋ぐしかなかった。
しかしカルムならその余波を抑えることが出来たのだ。
強力な暗示・・・幸せな夢だけを見せる偽りの世界を母に与えた・・・
だがその暗示は定期的にかけ直す必要があったのだ。
天眼国の国境に位置する静かな土地―――
カルムが母の為に選んだ冬でも雪深く無い過ごし易い場所だ。
「カルム様、お待ちしておりました」
エドラの世話を任せているマミヤが出迎えた。
「マミヤ、ご苦労さまですね。それで?母の具合は?」
「はい、お変わりなく思うのですが・・・私を含め他の使用人達に原因不明の嘔吐や頭痛が時々ありまして・・・」
「・・・成程・・・それはいけませんね。知らせてくれてありがとう、マミヤ」
「い、いえ。私の勤めでございますから・・・」
優しく微笑むカルムに頬を染めてマミヤは答えた。
本当はまだ来る予定では無かった―――長年の暗示に精神が慣れ効く間隔が短くなっているのかもしれないとカルムは思った。そして大きな溜息をつくとカルムは母の部屋へと向かった。
偽りの世界を創りに―――
「カルム様、お疲れ様でございます。いつもよりお時間がかかったようですが・・・何か支障でもございましたか?」
お前に一々答える必要は無い!と、怒鳴りたかったが微笑みにそれは隠した。
そう・・・今回は最悪だった。だから話題にしたくない気分だ。
「カルム様?」
マミヤが頬を染めてカルムを見上げていた。
カルムには見えなくても彼女の気持ちは手に取るように見える・・・
(替え時か?)
ここに勤める者はカルムの私的な事に関わっているから勘違いする者が多い。自分だけが特別なんだと思うようだ・・・それを利用して少しばかり餌を与えては従順に従う駒として使っていた。
女は特にこうしていればもっと好かれようと献身的に勤めを果たしてくれる。しかし度が越え始めるとそれが煩わしいものにしかならなかった。その適度な調節が面倒と言えば面倒な事だ。
今日はもうその調整さえ気乗りしなかったカルムは無言で去ろうとした。
「カルム様!もうお帰りでございますか!」
マミヤは思わず、去り行くカルムの腕を掴んで言った。振り向いたカルムは氷のように無表情でマミヤは、ビクリと立ちすくんで掴んだ手を離した。
その彼女の後ろにカルムは回りこんだ。面倒だと思いながら・・・
「マミヤ・・・私は怒っているんだよ・・・」
「あっ・・・」
カルムの手が彼女の大腿部を服の上から掴んだ。そしてその手は下から上へと撫でるようにスカートを撒くり上げてその中へと潜り込んでしまった。
スカートの中へと侵入したその手は足の付け根を撫で更に下腹部の下着の中へと・・・
「あっ・・・カ・・カルムさまぁ・・・」
「マミヤ・・・もうこんなに濡らして・・・何を期待していた?」
「お、お願いします・・・」
「お願い?何を?」
カルムは冷たくそう言って濡れてヒクついているマミヤの花芯で指を動かした。
「ああぁ・・・カルムさま・・・っん、そこを・・・あっ」
ガクガクと震えだしたマミヤはカルムに寄りかかろうとした。
「自分でしっかり立ちなさい」
「は、はい・・・あっ・・・ひぁ・・・っ」
足を踏ん張るマミヤに容赦なくカルムの指が襲った。蜜を滴らせる場所へ挿し入れられた指が中を掻き回し始めたのだ。抜き差ししては粘着音を響かせる。
「あ、あっ、あ・・・カ、カル・・・ム様っ、あん、む、胸も触・・・って下さい・・・」
下半身にだけ与えられる刺激にもどかしさを感じたマミヤは自分で胸元を広げてねだった。
「それは自分でするがいい」
「そ、そんな・・・あっん」
カルムから拒絶され仕方なくマミヤは自分で胸を触り出した。カルムの指の動きに合わせて激しく乳房を揉んだ。
「はっ、んん・・・あっ、んん」
一人で立つ事を強制されカルムの片手だけが下着の中で蠢いているだけの状態でもマミヤは絶頂を迎えそうだった。しかし、あと少し・・・と言う時にカルムの手が止まった。
「カ、カル・・ム・・・様?」
「マミヤ、母の爪・・・伸びていましたよ」
「そ、それは、奥様が触らせてくれなくて・・・」
「言い訳はいい。身の回りの世話が君の仕事だ。私の信用を取り戻すまでこの先はお預けだ。いいね、マミヤもう一度だけ機会をやろう。私は使えない者は要らないのだからね」
カルムは薄く微笑みながら言うとマミヤの花芯から指を抜き彼女を突き放した。
マミヤはよろけて崩れ落ちたがその場で平伏して何度もカルムに謝った。
それを冷たく一瞥したカルムは気分が最悪のままその場を後にしたのだった。
―――そしてこの地に来た時に疲れた心を癒す為、必ず寄る宿屋へと向かった。
そこは気の良い女将が何も言わず迎えてくれる。天眼族でも無い只の人間だがまるでカルムの心を読んでいるかのように接してくれるのだ。カルムが心許せる数少ない一般人だろう。
カルムを迎えた女将は食事ではなく上等の酒を沢山用意した。そして一応、夜の相手を聞いたがカルムは珍しく断った。
「それではゆっくりと温泉に浸かってお休みなさいまし」
「ありがとう、そうさせてもらうよ」
カルムは暫く強い酒を飲んだ後、温泉に浸かると、ほろ酔い気分でいつもの部屋へと向かった。
この宿屋で一番上等な部屋は暖かく心遣いが行き届いている。いつもならその部屋のベッドを温めてくれる者達がいるのだが・・・今夜はいない。
冷たい寝床を覚悟して身体を滑り込ませたカルムは思わず、ぎょっとした。
ベッドの中は温かくそこに誰かが居たのだ。視力が無くても人の気配を感じきれなかった事は今まで無かったカルムは一瞬驚いてしまった。誰かの心が読めないばかりか感じられないのは珍しい事だ。
「う・・・ん・・・」
若い娘の声・・・待ちくたびれたのか寝入っているようだった。
「今日は良いと言ったのに・・・女将は本当に気が利く・・・」
カルムは酒を飲んで尚更落ち込んでしまっていた。
母親との会話にマミヤへの仕置き・・・
今日はもう誰かれと相手にしたくない気分で夜の相手を断ったものの後悔していたところだ。これ以上気分が滅入らないようにするには誰かを抱くのが一番だからだ。
それは女でも男でも誰でも良かった。快楽に身を委ねれば少しは気も晴れるだろうと思ったのだが・・・今更言いに行くのも面倒だったカルムだったが女将の洞察力に頭が下がる思いだ。
「さてさて、今日はどんな子かな?」
カルムにはいつも趣向を凝らした相手が用意される。こんなに近くに居るのに娘の心が読めないと言う点だけでも充分興味をそそるものだ。
「う〜ん、胸は小振りか・・・残念。それに随分貧弱な・・・でも肌の触り心地は絶品だな」
カルムは寝入って居る少女の夜着をするすると脱がせると抱き心地を確かめた。
―――何の臭いだろうか?と少女は思った。
余り嗅いだ事の無い種類のもの・・・ツンと強い香りがしたと思ったらグニャリと唇に柔らかいものがあたり、何かの液体が流れ込んで来た。それは喉を焼くように熱く苦かった。驚いて瞳を大きく見開いた少女は見知らぬ男が自分の唇から唇を離すのを見た。そして激しく咳き込んだ。
「おや?酒は初めて?」
(酒?何?)
咳き込んだ少女は涙目で顔を上げたが自分の置かれた状況に、ぎょっとした。自分を腕に抱く見知らぬ男は裸で自分も何一つ身に付けていなかった・・・
「初々しいね。もしかして初めての床入りかな?私は初めての子は余り好まないけれどたまには良い・・・流石女将、心得ているようだ」
(な、何?この者は何を言っている?)
唇が重ねられた!
「うっ・・・んんっ・・・ぅう・・・」
少女は握りしめた手でカルムの胸を叩いた。何故こんなことに?
少女の名はサシャ―――天山の巫女姫。
しかも天女候補の一人だった。その天山とは神の末裔と云われる五大国以外の国が信仰する天人と呼ばれるものを奉る聖地のようなものだ。そこの最高位に位置するのが天女と呼ばれるものだった。
彼女達は滅多にその聖地から出ることが無い。
彼女達に救いを求める信者達がその場所に訪れるだけだ。
天人の奇跡と云われる彼女達の力は不思議な治癒力だ。大地や風・・・花に木々に小動物達の声を聞きその未知なる力を借りると云うものだった。
その聖なる乙女が何故此処に居るのか?偶然のようだが偶然で起きるものでは無い。
これは偶然を装った謀だった。もう一人の天女候補を推す者が仕組んだものだ。
純潔は巫女の条件・・・言葉巧みに天殿から連れ出し外泊させ、暴漢に襲わせると言う卑劣なものだった。
しかも騒がぬようにと痺れ薬まで食事に盛った。
しかし計算外だったのが用意した男では無く酔って部屋を間違えたカルムと言う訳だっただけだ。
言う事を利かない手でカルムを叩いても威力は無かった。
カルムから見れば勿体付けて駄々を捏ねていると思ったようだった。
「どうした?怖くなった?大丈夫、優しくするから・・・」
「ちがっ・・・うっ・・・んん」
唇が塞がれサシャの言葉は消されてしまった。
「ん・・・ぅ、やっ・・・うう・・・」
ぬるりと差し込まれた舌がサシャの口の中で蠢いた。舌と舌が擦れ合いその初めての感触にビクリと身体が震えた。
「ううっ・・・んっ、・・・うぅ・・・」
「ふふっ・・・口づけも初めて?これはこれで中々新鮮だな」
カルムは、ふっと微笑んで彼女の細い首筋を強く吸った。
「やっ・・・」
サシャはカルムの頭に手を伸ばし剥がそうとしたがやはり力が入らなかった。
それなのに感覚だけが研ぎ澄まされている感じだった。首筋が熱く痛み、その痛みが段々と下がって来た。カルムが肌に口づけしながら胸の頂きへと移動して来たのだ。
「可愛い胸だね・・・誰にも触られた事無いんだろうね。熟していない果実のようだ」
カルムは何故か自分が何時もより興奮しているのを感じた。いつもは適当に熱くなっている振りをして性交を楽しんでいる・・・そんな振りをすることで自分の気分を盛り上げる暗示をかけているようなものだった。だから久し振りに本気で楽しんでいる自分に少し驚いていた。
それが最悪の気分を通り越しての自棄なのか酒のせいかもと思った。
カルムは少女の華奢な身体をまるで賽を転がすようにひっくり返した。そして彼女の青い果実を両手で後ろから包んだ。それは小さくても触り心地は抜群だった。指を動かし胸の先端の小さな粒をグリグリと捏ねては手のひらで乳房を揉んだ。
「うっ・・・ぅ・・・く・・・」
サシャは言葉にならない声が口からこぼれた。胸の先端に神経が集まってきているような感覚だった。痛いのに痺れるようなものが四肢に走ったのだ。
もう何が何だか分からない・・・
「感じない?もしかして痛い?」
カルムの片手が彼女の下腹に伸び、スルリと花芯へと指を潜り込ませた。
「ひっ!ぶ、無礼者!」
サシャはようやく声が出た。その高慢な言い方にカルムの動きが止まった。
「無礼者か・・・さしずめ落ちぶれた名家のお嬢様かな?自分の身を売らなければならない境遇は同情するけど・・・自分の立場を忘れたらいけないよ。生きる為に選んだ道はしっかり歩まなければね。君はもう娼婦で私は客だ・・・それを今から自覚するんだ」
いつものカルムなら拒絶する者を無理矢理抱くことは無かった。
しかも不運な境遇なら尚更だ。何もせずに好きなだけ金をやるだけだろう。
心が読めないから同情が湧かなかったのかもしれない・・・
昔の母のような高慢な態度が癇に障ったのかもしれない・・・
カルムにも理由が分からなかった。
何故か無償に腹が立って懲らしめたい想いが渦巻いたのだ。
「濡れて無いね・・・まあそのうちに慣れるか・・・」
「やっ!止めよ!何処に触れておる!ぶ、無礼もの!」
「大丈夫・・・最初は少し痛いだけだから・・・」
「ひっ・・・」
サシャの華奢な身体はまたひっくり返され、あっという間に二つ折にされてしまった。
そしてサシャの目の前には初めて目にするものが上を向いて揺れていた。
性的なものは禁忌とされた中で育ったサシャだがそれが何なのか教えられなくても本能で悟った。
この恐怖もその本能によるものだった―――
目の前で反り返るそれは天山の地を追われる烙印の素・・・純潔を汚すものだ。