「ちょっと!何するの!降ろし――きゃっ!」

リネアは抗議する間も無くベッドへ放り投げられてしまった。
乱暴に落とされ身体が何度か大きく弾んで沈んだ。その彼女にサガンは起き上がる隙を与えず大きな体躯で覆いかぶさった。半裸状態のサガンの厚い胸がリネアの柔らかな胸を潰していた。
それに布越しでも分かるぐらい硬いものが足に当たっている・・・
リネアはいよいよ駄目かと覚悟を決めた時に身体に圧し掛かっていたものが突然消えてしまった。
サガンが起き上がったようだった。

「お遊びは此処までだ。今日はこの場所を貸してやるから寝ろ」
「え?―――貴方は?」
広いとは言っても危険な男と一緒に寝たくは無いリネアは一応聞いてみた。それにあっさりと身を引くサガンに不審を感じた。

「俺の寝床は女の身体だ。だから何処だっていい」
「よく恥ずかしくもなくそんな言葉が言えるわね?」
リネアは呆れてしまったがサガンは笑いながら呼び鈴を引いていた。
すると直ぐに艶かしい女が入って来た。褐色の肌は香油を塗りこんで艶やかに輝き、隠しているようでいないような透ける衣を纏っていた。サガンが今のところ呼ぶ回数が一番多いアイダという女だ。

「サガン様、お呼びでございますか?」
甘く纏わり付くような声を出した女は、ちらりとリネアを見て紅い唇の端を少し上げた。
リネアがいてもなお自分が呼ばれたことに優越感を抱いたのだろう。そしてサガンを見ればベッドの中では無くその近くのソファーに腰掛けていた。呼ばれてすることは決まっている。
下穿きを持ち上げているそれの前に跪くと布越しに触れた。

「それはいい!さっさと終わらせたいんだ!お前は俺が挿れられるように自分で準備をしろ!」
サガンは手始めに口と手で奉仕しようとしたアイダを軽く蹴飛ばして怒鳴った。

「ちょっと!またするつもり?」
呆れたリネアが批判するように言った。結局サガンはただヤリたいだけで面倒なリネアより馴染みの女を選んだのだと思った。

「また?またも何も今日は邪魔ばかり入って全然してないだろうが!それにまだ寝るような時間じゃない!女を抱くか酒でも飲まんと寝られたもんじゃない。お前はさっさと寝てしまえ!ふん!」
リネアもそうしたいがさっさと寝れ、と言われて寝られるものじゃ無い。
呼ばれた女は薄い衣を脱いで全裸になると自分で豊満な胸を揉み、片手は下腹部に降りてサガンの大き
過ぎる昂ぶりを受け入れられるように準備を始めていた。敏感な場所で指を動かし溢れ始めた蜜を絡め、グチャグチャと花芯に指を沈め始めたのだ。
「あっんん・・・はん、サガンさまぁ・・・んん」
指を出し入れさせ腰をくねらせながら甘い声を出してサガンを煽っている感じだった。
それをサガンは恐ろしく冷めた瞳で見ていた。さっきまで燃えるような劣情を宿していた瞳が嘘のようだった。今は本当に性的な処理という感じだろうか?

「もういいだろう。乗れ!」
いつの間にか下穿きを脱ぎ捨てていたサガンは座ったままだったが、何度も頭を擡げては爆ぜることが出来なかった肉茎は大きく反り返っていた。
アイダはゴクリと喉を鳴らした。自分の中にその大きな塊が入るのを想像するだけで喉が鳴るのだ。
女はサガンの上に跨った。そして後手でサガンの昂ぶりを支えながらまだ濡れきっていない自分の花芯に押し当て先の方だけ呑み込んだ。

「くはっ・・・あんん・・・大きい・・・あん」
サガンのそれを咥え込むにはまだ準備不足のようだったが女は、ジワジワと腰を沈め始めた。
しかしサガンはアイダの尻を両手で掴み力任せに引き寄せ根元まで一気に挿し込んだ。

「あうっ・・・んっっ!」
サガンは、だらだらとした女の動きを待っているつもりは無い。もちろん女を悦ばせるつもりも無かった。それはいつもの事だが自分の渇きさえ満たされればいいのだ。
穿った肉棒は熱く、欲求不満で溜まった精を放つ場所を求めている。
一気に貫かれて身体を震えさせているアイダに構わず彼女をグルリと反転させた。サガンは淫らに揺れる胸に見向きもしなかった。口づけをするつもりも無く身体の向きを変え只々、欲望の捌け口だけ求めた。跨る女の太腿を持ち上げ引き抜きにかかるが、すぐさま抉るように突き挿れる。

「ああんん・・・っ!・・・あっ・・・」
女の宙に浮いた両脚が指先までビクビクと震えた。サガンの手で両足は更に大きく広げられ自分ではどうすることも出来なかった。されるがままの人形のようなものだ。
しかもサガンは無言で激しく抽挿を繰り返すだけだった。
グチャグチャと言う粘着質の水音が響きその度に女の嬌声が上がる。

「ああっ――いい!ああっ・・・もっと・・・あん」
「ひぃっ・・・ああっん・・・いい・・・」


(全く、煩くって眠れたものじゃないわ。何あれ?あんなに大げさな声出さなくてもいいんじゃない?あいつはすっかり興醒めしているみたい――え?ど・・どうした・・・)

ベッドの中で呆れていたリネアは急に目眩を感じた。そして瞼が強制的に落ちていく感
じになった。
意識が遠のく―――

(なっ、こ、これって・・・しまった・・・)
リネアはいきなり意識が遠のき眠りに入ってしまった。
身体の上に置いていた腕が、ぽとりとシーツの上に落ちた。
その微かな音を聞き分けたサガンがリネアを見た。

(ふん、やっと効いてきたか・・・)

「おいっ!お前はもういい!役立たずめ!全然イケないじゃないかっ!もう下がれ!」

サガンはそう怒鳴ると穿っていた昂ぶりを女から引き抜いて立ち上がった。

「サ、サガン様!お情けを・・・」
アイダはサガンの足にすがって自慢の胸を擦り付けたが蹴られてしまった。

「出て行け!グズグズすると、ぶっ殺すぞ!」
「ひっ!お、お許しを!」
お気に入りの女だったとしてもサガンの機嫌一つでその座から転がり落ちるのは、あっと言う間だ。
アイダは慌てて転げるように逃げ出した。
女が居なくなった部屋は、シンと静まり返ったがリネアの規則正しい寝息だけが聞こえていた。
足音も無くサガンはその場所へ近付き始めた。
そして寝台に上がりこみリネアの顔を覗き込むと頬を軽く叩いた。

「良く効いているようだな・・・」
サガンが飲ませた毒消しはその作用とは別に強力な眠り薬でもあった。流石に金の天眼を持ち毒に耐性のあったリネアは効き目が遅かったようだった。

「全く手間をかけさせやがる」
サガンはこれを狙っていたのだ。
力ずくで抱くことも出来るがリネアならその最中に自決する可能性は高い。
それならば無抵抗の状態で抱いてしまえばいいとサガンは思った。
嫌だと口にする女でも一度抱いてしまえば力関係がはっきりして男の言うことを聞くと本気でサガンは思っていた。そういう女が今まで何人もいたからだ。

「天眼だろうが金眼だろうが女は女だ」
さっきまで冷め切っていた瞳が再び熱く揺れていた。
今の今まで女を貫いていた肉塊は更に大きさを増しているようだった。それはビクビクと血管が脈打ち女の蜜と先走りでヌラヌラと濡れて黒光りしていた。
サガンはニヤニヤと口元を緩ませながら簡単に着ていたリネアの夜着を肌蹴させた。
寝ていても高さを誇る張りのいい胸がさらし出された。
その頂きを舌先で、ペロリと舐めたがリネアはピクリとも動かない。
サガンは、ニヤリと口の端を歪めて笑った。そして更にその突起の形に添って、ぐるりと舐め上げ舌の上で転がすようにしゃぶった。舌先で転がされる乳首が、ぷくりと勃ち膨らんできた。
その根元を舌先で舐め更に硬くなっていく感触を味わった。
サガンは今までに無く異様に自分が興奮し
ているのを感じた。
征服が困難だと思われた女を犯れるからだろうと自分ではそう思った。

「生意気な口を利いても眠ってしまえば只の女だな・・・・・・」
口の端に垂れる唾液を拭いながらサガンは呟いたのだが・・・
只の女を抱いて楽しいか?とそんな心の声もする・・・

「まあいい!寝ている間に好きにさせて貰うだけだ!」
まるで自分に言い聞かせるようにサガンは吼えるように言った。
そしてリネアの上に重なるように圧し掛かると両手で彼女の胸を下から揉みあげた。
指に引っかかる尖りはその指で捏ねては舐めた。その行為はまるで念入りな愛撫のようだった。
深い眠りのせいで感覚も鈍っているから当たり前なのだが声一つ洩らさないのがサガンには気に入らなかったようだ。
だからリネアの胸を舐めまわしていた舌は次第に下がって行き、手は下着にかかっていた。
顔が下がると同時に下着もずり下げられ舌は恥毛に隠れた小さな突起を探り当ててチロチロと舐めた。
その下で、ぴったりと合わさっていた襞も舌で広げ舐め上げる。そこまでくれば意識が無いリネアも流石に身体がビクっと反応した。
それだけでサガンは興奮するようだった。女の此処を舐めるのが好きな男はいるがサガンはその逆だ。自分の快楽には熱心だが女を悦ばせるような行為をすることは無い。
それが何故か熱心にしようとしていた。くちくちと濡れた音をたてながら花芯を舐めた。
しかし蜜は溢れずやっとリネアから漏れ始めた声が喘ぎでは無かった。
それはどう聞いても苦痛の呻き声だ―――

「はぁ?何だ?」
サガンはその声に驚いて顔を上げた。
リネアは眠っている。しかし額に汗をかき苦しそうに呻いていた。

「どうしたんだ?おいっ!」
サガンはリネアを揺さぶったがさっき確認したように深く眠っている状態だった。

「あれだけ飲ませたんだから殺されたって起きないよな・・・しかし毒が回っている感じじゃないし・・・いったい」
リネアは苦しみながらブツブツと何か呟いていた。

「・・・止めてお母様・・・やめ・・・」
そしてサガンの左肩に鋭い得物で突き刺しされたかのような痛みが走った。

「つっ・・・」
サガンは自分の左肩を見て次にリネアを見た。しかし二人の左肩に何も変化は見られない。強いて言えばリネアにはほんのりと色が変わった所があるぐらいだ。しかしサガンの左肩はジクジクと痛む。
そして意識のある間は全く見えなかったリネアの心が流れて来た。彼女は夢を見ているようだった。
その夢はリネアに良く似た女が子供を何度も手にかけよ
うとしているものだ。
一瞬その女はリネアかと思ったが女は黒い背翼を広げていた。

(黒翔族?じゃあ、このチビがこいつか?)
リネアの容姿から母親は黒翔族だろうと思っていた。
象牙色の肌に漆黒の髪と瞳。多分黒翔族の中でもかなりの美貌だろう。

「うっ・・・つぅ」
女が子供の左肩に長剣を突き立てたと同時に同じ場所に痛みが走った。
その場面は何度もあった。その度にサガンも同じく痛んだ。

「まさかこんな夢、毎日見ているんじゃないだろうな?冗談じゃない!」
本当に冗談じゃ無かった。今はリネアと心体共に繋がっているようなものだから運命共同体だ。
本当に冗談じゃ無い!

そして何度目かの後に血まみれ状態の彼女が嬉しそうに見上げたものがあった。
それまで死んだ魚のような瞳をしていたものが輝いたのだ。
彼女に差し伸べられた手―――
しかし相手が誰なのかまで分からなかった。それは一瞬で暗闇に隠れてしまったからだ。

「何だ?どうしたんだ?」
今まで繋がりっ放しだった心が急に閉ざされてしまったようだった。意識は無い筈だ。
意識的にするよりも本能で隠したような感じだった。それがサガンには分かった。
そしてそれが誰だったのか?何故隠そうとするのか?
何故か気になった―――
夢は途切れたが左肩は重く疼いたままだった。それは古傷が痛むような感じだ。
だからあれは夢では無く現実だったのだろうとサガンは思った。
現実にまだ痛んでいるのか?それとも精神的に痛むのか?判断出来ない。

「・・・・・・・・・」
サガンは無言でリネアから体を起こした。
何故かそのまま続きをする気になれなかった。下半身のものは相変わらず大きく傘を広げて捌け口を求めている。気分が萎えている訳では無かった。かと言ってまた女を呼ぶのも面倒だった。

「全く!何だってんだ!」
サガンは悪態をついて胡坐をかいた。肩はジクジク痛むし、美味そうな女は目の前に転がっていても犯る気が起きないし踏んだり蹴ったりだった。

「ちきしょう!こいつをどうしてくれるんだ!ああ、もうっ!」
サガンは自分で処理をした事は無いがしなくてはならない状況になってしまった。
もう今回ばかりは自然に治まりそうも無かった。しかし自分の手でするのは癪に障る。
サガンはリネアを、ふと見た。
彼女の指はまだぐちゃぐちゃの爪の状態だ。それに可愛らしく癇癪をおこしていた彼女を思い出した。
そして指を舐めた時の反応―――
思い出すだけで興
奮してしまいそうだ。
「何考えているんだ!調子が狂う!・・・・・・そうだ!」
サガンは子供染みたことを思いつきリネアの手を引っぱった。そして熱く滾る自分の肉茎に触れさせた。自分の手ではなくリネアの手を使って達しようと考えたようだ。
そして―――
彼女の手がそれにだらりと覆いかぶさっただけだった。ただそれだけだったのに敏感になっていたそれはリネアの細い指を感じたと言うよりもサガンが感じてしまった。
ドクンと胸が鳴ったのか?溜まったものが爆ぜた音だったのか?
分からないが天井に向って擡げていた肉塊が白濁した粘着液をドクドクと吐き出した。
解き放たれた快感がサガンの四肢に走った―――

「くっ―――っ!はあ〜あ?あ?嘘だろう?」
今日は間者の女二人に突っ込んでも、お気に入りのアイダを乱暴に貪っても達することが出来なかったのに?子供染みたお触り程度で自分がイクとは思わなかった。
確かにリネアを弄くっている間にはち切れそうに昂ぶってはいたが・・・信じられないことだった。

「信じられん・・・」
でも己の肉塊は滾った熱を吐き出して気持ち良さそうにビクビクと震え、まだ出し切れていないものをだらしなく滴らせていた。一度達したくらいで治まらないのは何時ものことだったが今は驚いたことに結構満足している自分がいた。
しかし今日は何かと疲れたせいだとサガンは思うことにした。疲れただけだと―――



TOP  もくじ  BACK  NEXT