220000HIT お礼リクエスト作品 第12弾
今回のリクエストは、さらさんからのリクエストで「サンゾロでゾロ女体」のお話です。リクエストの詳細はゲストブックに書かれていますのでご確認ください。今回は現代パラレル、大学生の設定で書かせていただいています。大人向けなシーンは一切ございませんが、ゾロが女性の設定ですので、苦手な方はご注意ください。
さらさん、素敵なリクエスト、ありがとうございました。
よろしければタイトルを付けてやっていただけるとうれしいです。
ご連絡、お待ちしています。
No Title
大学に入って半年が過ぎた頃、友達のナミに誘われて、仕方なく参加した合コンで出会ったのがサンジだった。
さりげなく着こなした黒のスーツ。
傍に座った他の女の子に向ける優しい視線。
タバコをもつ、繊細そうな指先。
それまで異性になんてまるで興味のなかったのに、サンジのいるそこだけが輝いて見えて、あぁ、これが恋なのかと妙に納得した。
でも、それと同時にサンジとの距離がものすごく遠く感じた。
なぜなら、その合コンの最中、サンジとは一度として視線が合わなかったのだ。
サンジは、自分とは違う種類の人間だ、とゾロは思っていた。
ずっと続けてきた剣道のことばかり考えて、おしゃれにも、恋にも興味のなかったゾロは、男みたいなショートカットで、今時化粧もしていない。
おしゃれと言えるのは、唯一左耳にしているピアスくらいだが、普段は剣道の面をつけるのに邪魔になるので、小さいものしかつけていない。
だから、サンジの態度は当たり前のことだ、そう自分の心を納得させた。
当然ゾロは2次会には行かなかった。
一人で歩いて駅に向かおうと思ったら、後ろからナミが声をかけてきた。
「ちょっと、コーヒーでも飲んでいかない?」
明日は部活もないので、遅くなっても構わない。
二人で駅前のカフェに入った。
「今日は、無理に誘ってごめんね。」
ナミの第一声はそれだった。
「別に、気にしてない。」
「そう?でもほら、あぁいう軽い雰囲気ってゾロはあんまり慣れてないでしょ?」
「確かに、部活のノリとは違うけど。」
「あれ?思ったより苦手じゃなかった?じゃあやっぱり、見間違えじゃなかったのかな。」
「何が?」
「ずっと、見てたでしょ。」
「見てたって、何を?」
「サンジくんのこと。」
「えっ?」
そんなにバレバレだったのだろうかと、焦ったゾロの顔がほんのり染まった。
「そっか、そっか。」
ナミの声は決して馬鹿にしたようなものではなかったが、それでもあまり明るいものではなかった。
「でも、サンジくんか。」
そう言ってナミが小さく息をついた。
これまで部活一筋できたゾロが異性に目を向けることなど、初めてのことだった。
ゾロだって、もっと大学生活を楽しむべきだと思っていたから、それは決して悪いことではない。
でも、よりによって相手がサンジというのが問題だ。
何せサンジは大学でも有名なほど、もてるのだ。
ゾロやナミの1年上の先輩なのだが、常に違う女の子がそばにいると言う噂で、実際ナミも色目を遣われたことがある。
どう見ても恋愛経験値の低そうなゾロの相手としては、かなり分が悪い。
それをゾロに言うべきかどうかナミは悩んだが、結局何も言わなかった。
それから1週間ほどは、何もなかった。
ゾロはあいかわらず部活と居酒屋でのバイトをこなす毎日で、サンジとの接点はなかった。
しかし、だからこそ油断していたのかもしれない。
学食で部活仲間と昼食を取っていたときに、いきなり声をかけられたのだ。
「あれ?この前のコンパにいたよね?」
そう言われてゾロが顔をあげた先にいたのは、サンジだった。
突然のことに驚くゾロに代わって、先に反応したのは部活仲間のサガだった。
「ロロノア、お前、合コンでも言ったのか?」
「えっ、あっ、ナミに誘われて。」
「そうなんだ、ナミさんの知り合いだったんだ。初めて見る顔だから、誰の知り合いなんだろうって思ってたんだよね。」
サンジは、ニコニコと人のよさそうな笑顔を浮かべている。
「サンジさん、一緒に座ります?」
同じ学部の後輩であるたしぎが声をかけたが、
「たしぎちゃん、ありがとうね。でも今日は先約があるから、また今度誘ってね。」
と言って、サンジはテーブルを離れた。
「いやいや、お前がまさかサンジと知り合いだとはな。」
サガがにやにやと笑ってゾロをからかうので、ゾロがテーブルの下でサガの脚を蹴った。
「別に、たまたま一度飲み会が一緒になっただけで、別に知り合いとかじゃないし。」
「たしぎ、お前はサンジの噂、知ってるんだろ?」
「噂って、女たらしとか、プレイボーイとか、そういうやつのことですか?」
「そうそう。いつも違う女と一緒にいるとか、フェミニストだとか。」
「聞いたことはありますけど、そういう噂ほど悪い人じゃないですよ。」
「何だよ、お前もサンジの毒牙にかかった口か?」
「そんなんじゃありませんって。」
そんな体育会系らしいノリの会話が交わされているが、ゾロはその輪に入ることができなかった。
あぁ、やはりサンジは自分とは違うのだ、そう確認したことで、なぜだか自分の心がいっぱいになってしまっていた。
好きでも何でもないはずなのに、なぜか心が苦しくて、そんな初めての自分の気持ちに戸惑うしかできなかったのだった。
「やっぱり、引きずってるみたいね。」
久しぶりにナミと一緒になった昼食の席で、ゾロはいきなりそう指摘された。
「このままで、いいの?」
そう問いかければ、ゾロは何も言えずに下を向いてしまった。
「何を聞いても、嫌いになれないんだったら、ぶつかるしかないんじゃない?うじうじ悩んでるなんて、あんたらしくないでしょ?」
もしかしたら傷つくことになるかもしれないが、それでも何もせずに立ち止まるよりずっと良い。
「何なら、手、貸すわよ。只とは言わないけどね。」
そう冗談めかして言えば、ようやくゾロの顔が上がった。
「サンジくん、おはよう。」
珍しく、朝一番の講義に出てきたサンジに声をかけたのは、ナミだった。
「おはよう、ナミさん・・・と、あれ?確か剣道部の。」
「ゾロです。おはようございます。」
この間、学食で見かけたときと随分印象が違うので驚いているようだった。
「ゾロってば、スタイルがいいのに、いっつもラフな格好ばかりしてるから、こういう格好すると見違えるでしょ?」
そう言われて改めてゾロを見てみれば、ショートパンツからすらりとした脚が伸びていて、とても似合っている。
それに、左耳に下がっているピアスもクールな印象で、ゾロの顔の小ささを引き立てている。
「うん、そうだね。」
いつもは饒舌なサンジが、咄嗟に言葉を出せない様子が珍しく、ナミがにやりと笑う。
「ゾロはダメよ。」
「えっ?ダメって?」
「だってゾロはすごくモテるから。」
「ナミってば何言ってるのよ。」
「だって本当のことでしょ?体育会系なのに、この見た目でしょ?取り巻きが多いからね。ライバルは猛者ぞろいよ。」
「そっか。まぁそうだよね。俺もこうして見とれちゃったくらいだし。」
「でしょ。じゃ、行きましょうか、ゾロ。」
「うん。それじゃ、また。」
その時はそのまま別れたが、何となくゾロのことが気になったサンジは大学の中でさりげなくゾロの姿を追うようになった。
しかし、ナミの言っていたとおりゾロの周りにはいわゆる体育会系と思われる男たちがいることが多く、しかも一緒にいる男たちはみなゾロのことをとても慕っていて、近い距離でふざけあったりしていて、仲が良さそうなのだ。
「あれじゃ、手、出せねぇよなぁ。」
サンジだって、決して弱い訳ではない。
しかし体育会系というのは、上下関係やら何やら連帯感が強く、頭より力を重視していて、サンジから見ると何とも面倒なのだ。
実際、中学のときにサッカー部に入ったものの、自分より下手な先輩が、先輩だからという理由で試合に出るのに納得できず、すぐにやめてしまった。
またここで体育会系を相手にするのは、どうにも気が進まない。
縁がなかったかと思ったが、どうやら運命は二人に味方したようだ。
二人が初めて会った合コンの日から2ヶ月後、再び居酒屋で一緒になったのだ。
と言っても、ゾロは部活の仲間たちと大会の打ち上げに、サンジは同じ学部の仲間との飲み会だった。
「同じ店だったんですね。」
サンジが店に入ったところで、先に気付いたゾロがサンジに声をかけてきた。
「あぁ。偶然だね。」
「本当に。もしかして2次会の場所も同じかも。」
「どこ?」
「フランキーの店。」
「そうなんだ。うちはブルックさんのバーを予約してるんだけど、良かったら二人で抜け出さない?」
「抜け出す?」
「そう。ここを出たら、駅前のカフェで落ちあうっていうのはどう?」
「わかった。じゃあ、後で。」
そして2時間後、二人は待ち合わせたカフェで向かい合って座っていた。
「よく考えれば、こうやってゆっくり話すのも初めてだよね。」
「そうですね。」
「部活の人とは、よく飲みに行くの?」
「大会の後とかに、です。」
「結構、飲んでたよね?」
「見てたんですか?」
「うん。いい飲みっぷりだし、しかもみんなすごく仲が良さそうだった。」
「高校の先輩とかもいるので。」
「ふうん。あのさ、俺は別に部活の先輩とかじゃないから、敬語とかそういうの、あんまり気にしなくていいよ。」
「でも、先輩だし。」
「無理にとは言わないけど、少なくとも俺は気にしないから、覚えておいて。」
「わかりました。」
「明日は月曜日だけど、講義は?」
「朝は、ないです。」
「でも朝練とかは?」
「今日、大会があったので明日は休みです。」
「そうなの?じゃあ、もう1軒くらい付き合ってくれる?」
「いいですけど。」
「けど、何?」
「サンジさんは、あまりお酒得意じゃないかなって思って。」
「そう?自分じゃ、普通だと思うけど。」
「いつも部活の飲み会だと、かなり飲む人ばかりだから。」
「そっか、そうだよね。じゃあ、うちに来る?」
「サンジさんの家ですか?」
「正直、ここのより美味しいコーヒー、淹れる自信あるんだけど。」
「いいんですか?お邪魔しても。」
「うん、どうぞ。」
ゾロは誘われるままに、サンジの家について行った。
そのことを一番意外に思っていたのは、誘ったサンジだった。
正直、家についてくるとは思わなかった。
これが、体育会系のノリなのだろうか。
最初はおとなしい子なのかと思ったが、案外平気で男とごろ寝したり、男の前で着替えたりするタイプなのかもしれない。
男の部屋に行くことへの抵抗が低いというのはそういうことだろう。
サンジは、部屋でコーヒーを淹れながらそう考えていた。
「お待たせ。ミルクはいる?」
「いえ、そのままで。」
「そう?はい、どうぞ。」
「美味しい。」
「でしょ?俺、コーヒーにはこだわってるんだよね。」
「そうなんですか。」
「コーヒーだけじゃなくて、料理も好きでさ。」
「私は、全然だめなんです。」
「そうなの?でも独り暮らししてるんでしょ?」
「はい。だから、賄いの出るお店でバイトしてるんです。」
「なるほどね。家はどこ?遠いの?」
「ここからだと、遠いのかな。」
「えっ?」
「あの、ここがどこかよくわかってなくて。」
「そうなの?住所は?」
そう問われて、ゾロが自分の住所を告げると
「じゃあ家とは大学を挟んで反対側だ。」
「そうなんですか?」
「うん。もうこの時間だとバスもないだろうから、泊ってく?」
「でも、いきなりじゃ。」
「俺は気にしないよ。それに、今日って大会だったんでしょ?疲れて、もう眠いんじゃない?」
「じゃあ、お言葉に甘えちゃってもいいですか?」
「うん。じゃ、シャワー浴びておいで。」
「わかりました。」
ゾロは、サンジに言われるままにシャワーを浴びた。
しかし、音がしなくなってしばらくしても、なかなかバスルームから戻ってこない。
「大丈夫?気分でも悪くなった?」
ドア越しにサンジが声をかけると、ゾロが小さな声で答えた。
「あの、お話したいことがあります。」
「ん?何?」
「恥ずかしいんですけど、私、こういうの、初めてで。」
「えっ?」
いきなりのゾロの告白に、サンジも戸惑う。
「こういうときって、どうすればいいのか、わからなくて。」
「そうだったんだ。」
「でも、どうしても気持ちを確かめたくて。」
「気持ちって、俺の気持ち?」
「それもありますけど、自分の気持ちも。」
「それって、俺のこと、好きかもってこと?」
「・・・はい。」
「そっか。ありがとう。俺も君のこと、気になってたから、すごくうれしいよ。初めてだとは思ってなかったけどね。」
「おかしい、ですよね。サンジさん、もてるし、きっとこういうの、面倒ですよね。」
「そんなことないよ。俺だって、みんなが噂するほどもてないから。」
「そうなんですか?」
「うん。だからさ、焦らなくていいよ。これから、ゆっくり俺たちのペースで進んでいこう。ね?」
「はい。」
「じゃ、着替え用意しておくから、ちゃんと温まって出ておいで。」
結局、その日は色々な話をしながら、別々の布団で眠った。
その頃、ゾロの部活の仲間たちは、2件目のフランキーの店で飲み続けていた。
「ついにゾロも彼氏持ちか。たしぎ、本当に大丈夫なんだろうな。」
「サンジさんなら、きっと幸せにしてくれますって。」
「まぁ、あいつ、女には甘いからな。」
「噂ほど遊んでる訳じゃねぇしな。」
「あ〜あ、こんなことなら、俺が先に手、出しときゃ良かったかな。」
「何だよサガ、ゾロの幸せのために今日ここでの飲み会設定したくせに。」
「そうだけどさ、あいつ、ゾロのこと傷つけたらぶっ殺す。」
「そのときは、みんなでお伴します。」
その勢いで、今晩のうちにゾロがサンジに頂かれたのかどうかを賭けていた仲間たちが、ゾロに手痛く打ちのめされることになることを、彼らはまだ知らない。
END
今回はさらさんに細かく設定を考えていただいたんですが、若干イメージが違うかもしれないですね。ゾロは遊びなれてる雰囲気じゃないし、サンジくんも実際には遊んでない良い人だし・・・すいませんでした。でも、恋に一生懸命なゾロもかわいいかなぁとか想像しながら楽しく書かせていただきました。
リクエストしていただいたさらさん、素敵なリクエストありがとうございました。