巷ではあいかわらず終末論がたけなわで、本屋では数多くのノストラダムス本が平積みされている。
それらの本を見るたびに、こんな胡散臭いものを買うやつがいるのかと眉をひそめてしまうが、ならばきちんと反論できるかというと、これが意外に難しい。そんなことあるわけないやないか、馬鹿馬鹿しい!と生理的につき離すだけでは納得させられないだろう。そこで本書だ。
だいたい、日本ではやたらにノストラダムスの知名度が高いが、彼がどの時代のどこに生きていたのかを知っている人はどれだけいるだろうか。ラテン系の名前からして、漠然と古代ギリシャ・ローマの聖書編纂時代くらいだと思っている人が多いのではないか。
まずは、ノストラダムスが筆名で、本名はミシェル・ド・ノートルダムという16世紀のフランス人だということを知っておこう。
本書は「トンデモ本の世界」の作者が、書店に溢れかえったノストラダムス本とその作者たちを笑い飛ばした本だ。
それにしても、日本の“解説者”のほとんどがフランス語も読めず、訳本をもとにこじつけているだけだというのには恐れ入った。英語訳やひどいものは日本語訳された文を基にしてアナグラムで意味づけしているらしい。きれいにアナグラムになっていればまだ面白いが、やたらに単語が余ったり、自分に都合のいいようにアルファベットを変えたりしているのも多い。恐るべきいい加減さだ。 これらの“解説者”たちは、他の解説者を批判するときにはなかなか合理的なのだが、その批判が大体において自分の説にも適用されるというのには笑う。
しかし8月になった途端、予言は外れた! とワイドショーでやっていたが、本書の作者もコメントしているように、公正に言えば、16世紀のフランスで使用されていたユリウス歴での1999年7月は現行グレゴリウス歴の8月13だか14日までは含まれるのだから、ワイドショーもしっかりすべきだ。まあ当然ながらそれも外れたが・・・。
(2012/10/4改訂) |