2000年12月
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@本朝無双挌闘家列伝
夢枕獏新潮文庫時代/エッセイ
367頁552円★★

 格闘技通の著者が書いた格闘技にまつわるエッセイ。と思って読んだらえらくイメージが違っていた。“本朝無双”とあるので、日本史における偉丈夫達が紹介されていくのだろうとは想像できるが、古の時代の相撲と言えば名前の挙がる野見宿禰当麻蹶早なんぞは別として、あまりにマニアックな人選だ。基本的に「陰陽師」付近の時代をカバーしているということか。

 さらにそれを夢枕獏の読者層に読ませるためか、非常にくだけた文体になっていて、これは戦略としては良いのかもしれないが、私の好みにはあわなかった。
 かえって現在のプロレスや総合格闘技をネタにした枕の部分のほうが楽しめた。

(2012/10/1改訂)

A甲州街道、長州路ほか  街道をゆく1
司馬遼太郎朝日文芸文庫紀行/歴史薀蓄
259頁500円★★★

 サンケイ新聞に再連載されていた「坂の上の雲」を大事に少しずつ読んでいる。「菜の花の沖」「関が原」「城塞」などもまだまだ未読ではあるが、未読の司馬作品といえば、この「街道をゆく」のシリーズも未読なことに気がついた。
 考えてみると、本シリーズは司馬史観による歴史薀蓄ものではあるが、もちろん紀行文なわけで、シリーズ初期のものはすでに30年近くも昔の紀行だ。これは早く読むべきだろうと思い、今後月一冊くらいのペースで読んでみようと計画している。

 中途の巻はすでに何冊か読んでいるが、記念すべき第1巻では結構多くの道が取り上げられている。
 表題になっとる二街道の他に、古代、飛鳥と海を繋ぐ重要な道であった竹内街道。この道で奈良に入ってから方向を転じて南へと下る葛城のみち。そして琵琶湖西岸の道
 竹内、葛城での著者の古代への想像は、歴史の靄の中にロマンを感じさせてくれる。
 湖西のみちでは、浅井・朝倉の挟撃から、単騎に近くほうほうの体で逃げ帰る信長を、なぜかこの時は裏切らず朽木谷越えのルートを示した松永弾上に思いを馳せる。
 甲州、長州の二街道は思いのほかさらっと流されていて逆に印象が薄いが、どの編も現代が過去の歴史と確かにつながっていることを気づかせてくれる佳編だ。

(2012/10/1改訂)

B尾張柳生秘剣
火坂雅志祥伝社文庫時代
150頁381円★★

 著者は柳生一族の中でも、マイナーな人物を主役に抜擢するのが得意だ。

 今回は柳生義仙柳生十兵衛の年の離れた弟で、柳生家菩提寺である芳徳禅寺の第一世住職)よりさらにマイナーな人物をピックアップしている。
 尾張柳生家の開祖柳生兵庫介利厳の長男、柳生新左衛門清厳だ。
 父兵庫介とその三男柳生連也厳包とは、柳生新陰流の歴史の中でも最高峰と言われる人物だし、次男利方も弟の連也に譲るかもしれないが、家光が開催したいわゆる寛永御前試合には連也と二人で江戸に上っている。これまたかなりの剣術使いだったのだろう。そこをあえて長男の清厳を主人公として、親子相克のドラマを作っているのは慧眼だ。

 しかしなんだが、著者の目の付け所には敬意を払うものの、物語はあいかわらずつまらない。
 清厳は足が不自由な設定なのだが、それを逆手に取ったアイディア剣法で父親を負かす。  いやいやあなた、そんなアイディアだけで兵庫介に勝てれば世話はないと言っておこう。

 本当の理由かどうかわからないが、清厳は病弱で浪々としていたらしい。嫡男として生まれながら偉大な父親の跡を継げない彼自身、そのことで鬱屈があったのだろう。島原の乱に参陣して没したらしい。
 当時島原には宮本武蔵も参陣していたことだし、十兵衛を絡ませることもできるので、結構面白い小説も作れそうだが…。

(2012/10/2改訂)

C清水義範の作文教室
清水義範ハヤカワ文庫児童心理薀蓄
245頁540円★★★

 著者の本を何冊か読んだ人間なら、この題名を見れば、一般人の作文能力の低さをパロった内容だと思うだろう。少なくとも私はそう思った。
 ところがこれは本当の作文教室だ。著者の弟が名古屋の天白区で塾を経営していて、そこで作文教室を開き、実際にFAXを使ったいわゆる赤ペン先生をしていたらしい。
 本書はその教室で、学年も個性もばらばらな小学生6人の1年間の作文を追っている。

 読み比べてみると、各々の持ち味がはっきりと出ていて、小学生といえど得手不得手がしっかりと分かれているのが興味深い。もっともこういう形式の本だとわかっていたら、買ったかどうかは疑問だが。

 著者は学校の授業での作文が、日本語による文章の組立ての技術を習得することから離れ、“〜してはいけないよ。”式の道徳的な指導をしてしまう教師が多いと嘆いている。この指導によって、子供の作文が“〜へ行きました。〜して楽しかった。”という類型的でおもしろみのない文章になってしまっているらしい。

 もしそうなのであれば、それは書いている子供もつまらないだろうし、そのような作文に慣れてしまうと文章力が身につくこともないだろう。道徳的な評価とは別に、基本的な日本語表記の技術と文章を書く楽しみを指導するのが作文指導だ。仰るとおり。道徳を含めて教育する立場の教師にとっては、切り分けは難しいかもしれないが。

(2012/10/2改訂)

Dパステル&色鉛筆 @人物
パステル&色鉛筆
草野雄MPC絵画薀蓄
103頁/141頁1748円/2427円

 本書の特色は色鉛筆だけでなくパステルも併用しながら、様々なタッチの絵を描いている。そこに惹かれて同時に2冊も買ってしまった。

 ここでのパステル用の筆はなんとティッシュ。これを4つ折、8つ折などすることで基本的な着色をほとんど済ませてしまう。実際に完成させるまでには色鉛筆の出番が多くなってくるようだが、本書ではパステルをティッシュで着色、消しゴムではみ出しを消してスプレーのりで定着、という技術的なところの解説の比重を高くしている。
 この画法のメリットは、面塗りが楽なことと、ペン型消しゴムを尖らせて使うことで“白”表現ができることだ。言うまでもなく、白い紙に色鉛筆で白を出す、イコール色を乗せないことだが、これは結構難しい。
 そこで本年末の年賀状用のカマロに対して、ベースの車体色をパステルで着色することに初めてトライしてみた。

 パステルの特性上、ある程度ざらついた紙でないと色が乗りにくいから、その意味でハガキには着色しやすいのだが、ハガキサイズの小さな絵だと、ざらつきが大きくて車の艶を出すのが上手くできなかった。棒状のパステルを粉にする際に、もっと細かい粒子にできれば多少ましにはなったかもしれないが。



(2012/10/2改訂)

E電子はめぐる
 ―先端エレクトロニクスとその開拓者たち―
岸野正剛裳華房科学薀蓄
154頁1500円★★★★

 「物質の原子核は無極性の中性子と+極性の陽子が集まってできている。陽子同士はなぜ同極性なのに反発しないで集まっていられるのか。」

 初めて原子の中身について学ぶ時に、誰もが気付いていい疑問だが、この疑問から中間子理論を構築しノーベル賞を受賞、戦後すぐの日本人に希望を与えた湯川秀樹から筆を起こし、ファラデーの人となりから電子のふるまいに馴染ませ、半導体の動作説明へと入っていく。そしてダイオードからトランジスタへ、そして最後に超伝導についてひとくさり。
 開発者の人となりにも触れながら、裏話や苦労話も交えてなかなか楽しい。一般向けの読み物としての方向にあまり寄りすぎると、これはこれで読んだあとになにも残らなかったりするのだが、本書では一部数式やグラフを残しながら、バランスよくまとめている。私がこれまで読んだこの手の本の中では、最も良かったと思う。

 点接触型トランジスタから接合型トランジスタの流れなどはかなり興味深い。
 発明者ショックレーバーディーンたちとの確執は、本書でさらっと流されたよりはもっといろいろとあったようだが…。

(2012/10/2改訂)

Fおばちゃまは飛び入りスパイ ミセス・ポリファックス・シリーズ1
D・ギルマン集英社文庫冒険
397頁657円★★★★

 夫に先立たれたミセス・ポリファックスは、残された老後を自分の好きに生きようと、なんとCIAに正面玄関からスパイ希望だと言って乗り込んだ。当然相手にされるはずもないところ、たまたまある情報受け取りの任務に、全くスパイに見えない人物を探していたカーステアーズの目にとまってしまい、メキシコへ2週間の旅行に出ることとなった。
 ところが彼女が接触をするはずだった本屋は行方不明になるうえ、彼女自身も拉致され、中米を遥かに離れたアルバニアへと連れ去られてしまう・・・。

 初老婦人のスパイものと言えば、アガサ・クリスティー「親指のうずき」「運命の裏木戸」タッペンスを思い出すが、タッペンスとトミーたちが国内の同朋に囲まれた中で活動するのに対し、ミセス・ポリファックスは“アルバニアに拉致”だ。時代背景は米ソ冷戦時代で、CIAにもアルバニアの内実はほとんどわからない。ほぼ孤立無援(同時に拉致されたファレルというスパイもいるが、けが人の彼はほとんどお荷物状態だ)の素人、ミセス・ポリファックスは尋問、銃殺の危機を切り抜けて、アメリカへ帰ることができるのか?

 伴侶に先立たれ、息子や娘も独り立ちし、最早あとに怖いものなしという開き直りの落ち着きが武器である彼女の言動が、非情な国際スパイ合戦の中でユーモアを醸し出していて、そこが本シリーズの魅力なのだろうと思うが、正直なところ、どうも居心地の悪さを感じてしまった。いや、シビアなスパイ社会と無邪気なおばちゃまという取り合わせの中で、非常に上手くバランスを取っているとは思うのだが、これはもう好みの問題か。
 国内でお茶しながらちょいちょいと情報を探っていくならともかく、アルバニアの軍事収容施設から西側への脱走となると・・・。

 あと“おばちゃま”言う呼び方だが、これはちょっといただけない。そんな言葉を使っているのは私の知るところ小森のおばちゃまくらいである。
 察するところミセス・ポリファックスは50代後半といったところだと思うので、“おばあちゃん”ではちょっとつらいかもしれないが、感覚的にフィットするのはおばあちゃんかな。
 シリーズを読み繋げる気力はおきないが、最新刊ではすでにベテランになっているだろう彼女が、どう変わったのかを確認するのも一興か。

(2012/10/2改訂)

G映画でボクが勉強したこと
清水義範幻冬舎文庫映画エッセイ
321頁571円★★★

 どこかの本に連載されていたらしいが、著者が主に若い時代に強い印象を受けた映画について語ったエッセイだ。
 残念ながら著者の感想に相槌を打てるほど、というかさっぱり、わたしの古典映画についての知識が足りないので、今一つ楽しく読むことができんかったのが残念だ。

(2012/10/2改訂)

H聖者の行進
I・アシモフ創元推理文庫SF
370頁480円★★★

 再読。ロボットものがメインの短編集だ。「われはロボット」「ロボットの時代」に続く第3短編集といってもいいだろう。懐かしのスーザン・カルヴィンの名前も何度か出てくる。

 「鋼鉄都市」の時代へ繋がっていく流れにあって、本書の中のロボットものは、S・カルヴィンが活躍した近々の未来(20世紀後半だったか?)から一世代、二世代進んだ時代に設定されているようだ。既に人間と高度な人間型ロボットとの対立感情(もちろん人間からの一方的な感情)は存在するのだが、USロボット&機械人間社のありようの変化が見られるのも興味深い。

 直感を持ったJN(ジェーン)−5とカルヴィンの次代のロボット心理学者マダリアンの物語、「女の直感」
 JG(ジョージ)−10と研究部長ハリマンとのロボット3原則に関わる問答から、ブラックなオチに至る「心にかけられたる者」。有名な3原則だが、突き詰めると哲学的には穴だらけになっていかざるをえないということを、著者自らが皮肉った佳編だ。
 そして先ほどロビン・ウィリアムズ主演で映画化された「アンドリューNDR114」の原作である「バイセンテニアル・マン」。そもそも本書を再読したのは、映画が期待ほどでなかったので、“こんな話だったか?”との疑問が湧いたからだ。やはり随分と違った展開であった。

 ファン向けの付録とも言うべき「発想の誕生」は別にして、ラストを飾る「三百年祭事件」も、ロボット3原則を絡ませたミステリ仕立てで、「鋼鉄都市」のファンにお薦めだ。

(2012/10/2改訂)

I柳生忍法帖 江戸花地獄篇/会津雪地獄篇
山田風太郎角川文庫時代伝奇
450頁/445頁―/―★★★★★

 これも再読。わたしが時代/歴史小説読む切っ掛けとなった記念すべき一冊だ。

 昨年の大河ドラマ「葵・徳川三代」のクライマックス、徳川家光の弟忠長の切腹から9年後。淫虐を欲しいままにする会津藩主加藤明成に愛想をつかし、総出で脱藩を試みた家老堀主水の一族は、明成子飼いの芦名七本槍衆に捕らえられ、惨殺される。鎌倉は男子禁制の縁切り寺、東慶寺に逃げ込むことで九死に一生を得た一族の女は、堀主水の娘千絵を筆頭に、明成と七本槍に復讐を誓うが、ここでその非力な彼女達に手を貸すことになるのが、東慶寺の天秀尼千姫沢庵和尚→柳生家繋がりということから柳生十兵衛となる訳だ。
 ただし本書の趣向で十兵衛は裏方に徹し、堀一族の女達自身の手で事を成さんとルール化しているので、十兵衛がばったばったと七本槍衆を切り伏せていく訳ではない。初読当時、そのあたりに多少の不満を感じた(なにせ時代劇自体が初めてに近かった)ものだが、再読してみて、その不自由さからくるシチュエーションの妙を楽しむことができた。

 なんと言っても隻眼の剣の手練となれば、あれは十兵衛よ、柳生の小倅よとばれてしまい、幕府との繋がりが見えて都合が悪い。そこで十兵衛は般若面を被って敵の前に姿を現し、またある時は盲目の花婿三沢玄達として敵地、加藤家江戸屋敷内の“花地獄”に潜入する。敵の罠にはまり、糜爛死体と腐汁に腰までつかるような井戸に落とされ、さらに上から矢を射られるという絶体絶命のピンチも、共に落ちたお圭をかばいながら、なお正体を見せないために目をつぶったまま矢を切り払い、「盲ではちと骨が折れるわ」と笑みを浮かべて嘯き、下巻の会津篇、ついに柳生十兵衛の名乗りを上げる時の格好良さ。うーむ、たまには素直に超絶ヒーローの活躍に胸躍らせるのは気持ちがよい。

 人によっては中盤中だるみを感じる向きもあるようだが、他の風太郎忍法帖の2倍はあろうかという分量だからこそ、いつもは符号でしかない超技能を持った面々が個性を持って、十兵衛と堀の女達の前に立ちふさがる。特に香炉銀四郎と漆戸虹七郎の二人は数ある忍法帖のキャラクターの中でも絶品だ。
 余談だが、Vシネマ「くノ一忍法帖柳生外伝」で香炉銀四郎を演じているのは、スーパー戦隊の別格的名作「鳥人戦隊ジェットマン」ブラックコンドル=結城凱だったりするのでご覧あれ。原作には及ぶべくもない(注1)が、結構頑張っている。お千絵が「ゼイラム」森山祐子だというのもプラスポイントだ。

 なんにせよ、本書と次に続く「魔界転生」があったればこそ、わたしの柳生フリークが始まったわけだが、未だに本書を越える十兵衛には出会ったことがない。千葉真一も決して悪くはないが、わたしにとって、下巻の表紙の十兵衛こそが柳生十兵衛である。
せがわまさきが描くところの「Y十M」の十兵衛もなかなかいい。)

(注1)大きな土蔵の床から壁から天井までを、領内で拉致した若い美男美女を素っ裸に敷き詰めて、そこを踏み々々どっかり座り、横の乳首を摘まみながら密談するなどという原作のシーンを、一体誰が映像化できるというのか!!…見てみたいが。

(2012/10/2改訂)

J退魔戦記
豊田有恒ハルキ文庫SF
270頁700円★★★

 再読ばかりだが、この本はおそらくは小学校時代に図書館の出張自動車文庫で読んだのが最初だ。すぐ上の「柳生忍法帖」に、“時代劇が初めてに近かった”などと書いたばかりで恐縮だが、本書こそが絶対的にわたしの初時代小説だったかもしれない。

 会社員の脇田俊夫は、死んだ父親の日記に従って、25歳の誕生日に故郷である徳島の田舎町にやってきた。そこで檀家だった寺の住職から、代々脇田家に伝わる「退魔戦記」を見せてもらうためである。
 古文書の解読を住職の娘で教師の小夜に任し、化学系の仕事をしている俊夫は、「退魔戦記」の不思議な紙質の分析を行なった結果、現代の電子定性分析機ですら分析しきれない高分子化合物の共重合ラテックスで作られていることがわかる。なおかつ小夜の解読からは、その書体から鎌倉時代のものらしく思われるのだが、その内容というのは…。

 なかなか魅力的なプロローグだ。以後は「退魔戦記」の筆者である鎌倉時代の武士である脇田清高の驚くべき体験が本文となっている。
 いわゆる文永の役弘安の役という2回の元寇と、そのとき日本に味方した神風を背景に、当時徳島地方を領していた河野通有+歴史の改変を企てた未来人たちと、全世界の征服に成功した蒙古帝国側のタイムパトロール隊との戦いを描いている。
 昔読んだときの記憶を探っても、“睦む”という言葉をそのとき知ったことを恥ずかしながら思い出すくらいのものだが、どうやら本書は著者のタイム・パトロールシリーズの外伝になっていて、「モンゴルの残光」「ダイノサウルス作戦」の主人公ヴィンス・エヴェレットがちょい役で顔を出している。

 この“ヴィンス・エベレット”という名前が、ポール・アンダーソン「タイム・パトロール」の主人公マンス・エヴァラードにあやかって付けられた名だとどこかで聞いたが、もう一つ、合戦の先頭に立つ殿様の脇の人物に物語を語らせるというのも、アンダーソンの「天翔ける十字軍」から頂戴したテクニックだろう。
 エピローグに結構なオチまであるのだが、全然憶えていなかった…。

(2012/10/3改訂)

K新特産シリーズ ハタケシメジ
 林内栽培・簡易施設栽培・空調栽培
菅野昭/西井孝文編著農文協生物薀蓄
149頁




 なんとわたしのホンダGL400カスタムの元の持ち主である先輩が半分書いているという大変に貴重な本だ。
 という訳で、批評なんぞはとてもできないのでちょっとした紹介に留めておくが、最近めっきりお馴染みになったマイタケやエリンギの次はハタケシメジだ!ということで、まだまだ全国的には生産農家の少ないこのハタケシメジの生産方法について、屋外と室内の栽培という2条件について解説している。主に他のシメジ類の生産農家がメインターゲットだ。

 全国的に広く流通しているブナシメジに比べ、やや雑菌に弱い分栽培に気をつかうようだが、少ない設備投資で副収入を確保できるというところが魅力だ。もちろん本気で商売するためには、当然ながらまとまった数量を育成しないといけない(数と販売単価での粗収益の試算表あり)ので、既に農地やある程度の設備を持った生産農家にまかすとして、家族の食い分くらいの菌床を購入して育成するのは面白いかもしれない。味は謳い文句どおりしゃきしゃきしとって美味いことは、わたしも保証できる。家族の評判も良かった。

 巻末に2、3の調理例が載っているのが、なるほどたんちゃんらしい。

(2012/10/3改訂)

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