柳生宗矩個人だけでなく、柳生一族全般を解説した本だ。
これも通販で手に入れたものなので、手元に届くまで中身は判らなかったが、昔懐かしい検印がついたもので驚いた。昭和46年の出版である。
ある程度柳生通だと自分でも認めるようになって、いわゆるスター選手の石舟斎、十兵衛、宗矩、兵庫助、連也の事跡がわかってくると、興味はさらに脇の人物に向かう。わたしとしては石舟斎の叔父の松吟庵、宗矩の兄の久斎、徳斎、兵庫介の兄の久三郎、弟の権衛門、連也の兄の新左衛門といったところの消息を詳しく知りたいと思っているのだが、そのあたりのことに関しては、やはり情報量は少なくて残念だ。
特に柳生権衛門に関しては、仙台伊達家というメジャーな家に仕官した人物だが、その割に時代小説にも顔のある人物として登場した試しがない。
伊達家の資料を本気で調べれば、多少の事跡は出てくるのだろうが、本屋に並んでいる程度の柳生関連本では、そこまでの調査がされた本をみたことがない。もちろん本書は「実録柳生宗矩」だから、そこまで求めるのは酷な事はわかっている。
――のだが、「尾張柳生の人々」という1章が設けられているので、期待してしまうではないか。
と不満をだらだらと書いてしまったが、なかなかに纏まりよく柳生一族の総覧ができるようになっている。です、ます調の文体がやや疲れるが、数十頁の「宮本武蔵伝」も併録しておりお薦めだ。
(2015/5/7改訂) |