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| 火星シリーズ | E・R・バローズ |
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| 私が通っていた小学校は低学年用と高学年用で図書室が分かれていた。四年生になって初めて高学年用の図書室に足を踏み入れた時、そこは自分の背丈より高い本棚が林立した異空間で、同世代の大勢と同様にポプラ社のルパン全集や少年探偵団を知ることになったのだが、探偵/冒険小説より先に洗礼を浴びたのはSF/冒険小説だった。 その図書室で私が迷いに迷った挙句初めて借りたのは、「火星のジョン・カーター」という本と「地底恐竜テロドン」という2冊である。作家名なんぞは気にしない小学四年生は、その2冊の作者が同一人物などとは知る由もなかったが、それが私とエドガー・ライス・バローズとの最初の出会いだった。 記憶違いを恐れずに書くと、「火星のジョン・カーター」の挿絵はたしか創元推理文庫の「レンズマン」シリーズの眞鍋博で、抄訳版の割には割愛された箇所も少なかったように思う。――別のSF全集に収められた「火星のプリンセス」も図書室にあったが、こちらは豪快に削られていた。ただし武部本一郎の挿絵が豊富に使用されていた。―― スペース・オペラどころかエンターテインメントの冒険活劇を生まれて初めて読んだ身として完全に虜になってしまったのである。 そのあとがき(もう一冊のほうじゃったかも)に、地球へ戻ってしまったジョン・カーターのカムバックやデジャー・ソリスとの間に産まれた息子や娘の活躍するストーリーが続編として存在すると知らされ、読んでみたくてしかたなかったものだ。だからしてその後、五年生だったか六年生だったか、本屋で火星シリーズが11冊、ついでにペルシダーや金星シリーズ、ターザンシリーズまでもが、ずらっと並んでいるのを見たときの驚きと喜びは今でも憶えている。 という訳で、「火星のプリンセス」は自分で買った初の文庫本でもある。 間違いなく、私の本好きを形作った原点なので、バイブル中のバイブルである。 |