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ま、ろくな映画は観ないと思うのじゃが・・・
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2010年10月
 「デイ・ウォッチ」
 Day Watch

ティムール・ベクマンベトフ2006年
★★★DVD
 ロシア映画というものを初めて観た。
 いつの頃からか、超能力者たちが二つの勢力(光側:ナイト・ウォッチ、闇側:デイ・ウォッチ)に分かれて、裏の世界で闘争を繰り返している。しかしお互いを縛るいろんな協定もあるようで、緩やかな緊張状態といったところ。だいたい闇の側のほうも、ヴァンパイアがその管理下におって大いに怪しげではあるが、彼等が暴走しないように管理している面もあるようで、今ひとつどんな闇なんだよというところが解らない。

 分類すると、ホラー・アクションというよりはダーク・ファンタジーとなるだろう。
 ダークというくらいだからカラーは暗めなのだが、何をトチ狂ったのか、比較的最初のほうに、蓮芳似のねーちゃんがマツダRX−8でホテルの壁面を爆走した挙句、なんとサイドブレーキを引いてドリフトまでしちゃうという恐るべきシーンがあるが、ロシア映画界にもとんだお調子者がいるようだ。

 キャラクター同士の関係、ナイト・ウォッチとデイ・ウォッチの関係等が判りにくいのだが、実はシリーズ二作目のようだ。(前作は「ナイト・ウォッチ」
 前作を知っていると、もっと解りやすいのだろうとは思うが、冒頭に紹介される“運命のチョーク”なる重要かつきわめて胡散臭いアイテムも、そのインパクトほど本編で重要視されずに、主人公の個人的な運命改変に終わってしまったりと、あまりいい脚本とは思えない。

 しかし特撮レベルもハリウッド映画に遜色ないレベルだし、ロシア映画のパワーを感じさせる一本だ。
 そう多いわけでもないが、ハリウッド映画に出てくるどれよりもモスクワの生活描写はリアリティーがあると思われるので、それを見るだけでも一見の価値ありだ。
 「サロゲート」
 Surrogates

ジョナサン・モストウ2009年
★★★★DVD
 中国出張時に機内で一部だけを原語音声で見た時には、さっぱり解らず少々むずむずしていた。今回¥100レンタルに成功して、ようやく解消できた。

 サロゲートの登場で世界はとても平和(殺人が起こることが稀で、サロゲートが破壊されても、それは物損)になり、身体障害者の人たちにとってはそれこそ夢の世界だが、この理想的に見える社会の問題提起をブルース・ウィリス夫妻に語らせる。
 一見斬新に見える設定だが、I・アシモフ「裸の太陽」の設定に近い感じで、脚本家の頭の中にこの往年のSFがあったと想像するのは、そう無理なことではないように思う。

 食事や排便はどうしてるんだとか、深刻になるだろう筋力低下の問題についてはまるで触れられないが、なんとなく、同じB・ウィリス主演の「12モンキーズ」を思わせる雰囲気があって、個人的にはなかなか楽しめた。
 そういえば昔子供の頃、軍用車両やなんかは全部遠隔操縦(当時はラジコンのイメージ)でやればいいと思ったことがあったな。

 近未来設定なのに、旧型プリウスが目だって登場するのはご愛嬌。
 「イーグル・アイ」
 Eagle Eye

D・J・カルーソー2008年
★★★DVD
 平凡なコピー店員が突然身に覚えのない容疑で逮捕され、これまた見覚えのない女性からの携帯電話の指示とともに強引に脱走させられる。その後、同様の状況で操られる子持ち母と合流、事情のわからないままに強制的に行動させられるが、携帯電話の声は誰やねん、その目的はなんやねんとなかなか魅力的なサスペンスだ。

 結局そのオチはというと、で、<ネタばれ反転>ソウヤー「ゴールデン・フリース」だったか。
 米国には<ネタバレ反転>エシュロンがあるわけで、それが発展進化していけばこんな恐ろしい可能性があるぞといった風刺でもあるのだが、事件が収束したラストに至って、あえて<ネタばれ反転>今後も基本方針は変更しないと国防長官に発言させるあたり、さすがアメリカ。
 程度の議論はあろうが、日本にも長期的戦略を組めるだけの情報組織は必須だ。武力戦争はともかく、すでに経済戦争真っ只中なのだから、いつまでも米中韓にいいようにあしらわれる腑抜けな状態を卒業してほしいものだ。

 都市機能を自在に利用する“犯人”は、遠隔地から物理的な攻撃まで仕掛けてくるが、当然ながらその攻撃の蓋然性は低い。それがびしばし決まってしまうのは少々緊迫度が下がる。蓋然性の低い攻撃を何重にも執拗にかける描写があれば、もっと真実味があってサスペンス度も上がっただろう。

 それにしても、シャイア・ラブーフはよっぽどスピルバーグに気に入られたらしいな。
 「墨攻」

ジェイコブ・チャン2007年
★★★★DVD
 10万の敵にたった一人で挑む、といったキャッチコピーだったので、てっきり「英雄 〜HERO〜」みたいな派手な映画だと思っていたが、このコピーは、完全に計算ずくの誤誘導狙いだった。
 しかし篭城戦に特化した合戦映画として、これはこれで面白かった。上記のコピーが可能であるように、寡兵で大勢を迎え撃つ設定はトンデモないハッタリをかませやすいのだが、中国/香港映画にしては随分と抑えた演出だ。
 と思って調べてみたら日中韓合作らしい。原作が日本の歴史小説ということで二度びっくりだ。

 どの程度時代考証をしているのか判らないが、二千年以上も昔の軍装や攻防を見ているだけでも楽しい。
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