訳された副題の「奇怪なサーカス」は小説の一巻に準じているが、原題は「バンパイアの助手」。原作第二巻の題名である。
確かに原作第一巻は、ダレンが半バンパイアになる経緯を語ったプロローグで、これだけで映画化するのは、素人見にもちょっと厳しい。現時点で、原作第二巻まで読み終わったところだが、それでも、本映画に登場するバンパニーズなんて敵対勢力はまだ出てこない。原作のもっと先の展開からも設定をもってきて再構成しているようだ。まぁ映画的に考えれば正解だろう。(それでも興行的には成功しなかったようだが)
そのおかげで、図らずも疑念を抱いていたスティーブが、<ネタばれ反転>案の定敵になってしまうことが判ってしまった…。
イチイチ映画と原作の違いを並べはしないが、パーシー・ジャクソンシリーズの映画化時と同様、主人公の年齢をローティーンからハイティーンに上げている。
それでも、映画は予想以上に上手く作った印象。
上にも少し書いたが、仮に原作第一巻を忠実に映画化したとしても、本映画よりも出来がよくなったとは思えない。
興行的には、ハリー・ポッターシリーズにはもちろん、パーシー・ジャクソンシリーズにも及ばなかったようだが、前宣伝に使った予算の影響はいざ知らず、やはり映像的な派手さに大きな差があったか。本作は、魔法でもクリ―チャーでも、両作に比較すると随分地味な印象だ。
とりあえず派手な画面で競いあうというのは、それはそれでつまらないので、本作の場合、ダーク・ファンタジーのダークな部分をもっと強調しても良かったのではないか。一番目立つバンパイアの特殊能力がフリット【注1】では寂しいし、特に映像で見ると安っぽく、むしろコメディにみえる。
どうやら新作が作られることはなさそうだが、万一の際には方針の仕切り直しがよいだろう。
コメディと言えば、本作でもっとも笑った(驚いた)のは、シルク・ド・フリークの団長、まだまだ謎の多いミスター・トールを演じているのが、ケン・ワタナベだった…。
【注1】原作にもある設定なのだが、バンパイアは人間が視認できないくらいの速さで移動することができる。クレプスリーがダレンをおぶって、めっちゃ速く走るというのは、映像で見ると…。
(2015/9/29記) |