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ま、かなり偏った嗜好になりますが・・・
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2016年9月
 『HK変態仮面/アブノーマル・クライシス』製作等「HK2」製作委員会2016.5.14
監督福田雄一
脚本福田雄一
★★★You Tube
§§ うーん、そこそこ笑ったけど・・・ §§

 ――変態ネタにも慣れちゃったかな。
 一作目は前半に腹を抱えて笑わせてもらって、後半でややテンションが下がったが、本作は前半がつまらなくて、後半の変態仙人のシーケンスでやや持ち直したといった感じだろうか。【注7】
 サム・ライミ版スパイダーマンをなにかとおちょくったり、他にもヤッターマンをパロったラストや、変態の小ネタにはいろいろと笑わせてもらったし、水崎綾女エスケープ in 『特命戦隊ゴーバスターズ』)を出してきたのは高く評価【注8】するが、しかしせっかく彼女を出したのなら、もう少し過剰な悩殺シーンは欲しかった。
 清水富美加についても、クライマックスのパンティー履き/脱ぎシーンは、途中までしか上げていない事がモロ判りというのはいかがなものか。
 あれはカメラを水平に撮ってるのが悪いのであって、カメラは俯瞰に配置し、その分思い切って、彼女には上までぐいぐい引き上げさせるべきだった。

 清水富美加で思い出したが、途中でギター弾いているのは、彼女だろ??
 あれ、なんの意味があるの?
 邪道にもYou Tube で見たので、エンドロールがばっさり切られていたのだが、その直前に出てくる黒いスライムはなに? エンドロール後になにか出てくる?
 まさか三作目の布石か…。
 あのギター少女も布石だったりして??

 しかしいずれにせよ、このコンテンツは変態仮面の存在自体がインパクト勝負のネタだから、その点で一作目を越えることは不可能だろう。  

スカトロの領域に踏み込むか…。


 いや、やめとくのが無難か。いかな変態仮面が綱渡り好きとは言っても、バランスを取れるとは思えない。


【注7】安田顕が前作と関係ないことに暫く混乱したけど。
【注8】ただし、誰がみても<ネタバレ反転>裏切るだろうことが明らかだ。

(2016/9/27記)

 『トリック劇場版』製作等東宝/テレビ朝日他2002.11.9
監督堤幸彦
脚本蒔田光治
★★You Tube
§§ おふざけとストーリーのバランスがでたらめ §§

 深夜枠で放送されていたTV番を始めて見た時には、なかなか衝撃的に楽しんだ。どこに行ったかわからないが、当時8mmテープに番組をダビングまでしたものだ。
 だがTVシリーズに人気が出て映画化された場合、大抵その映画はつまらなくなる。少なくともわたしは反対のパターンを知らないし、TVと同程度に良かったという例も皆無に近いと思う。

 本映画も御多聞に漏れず、まるで面白味を感じられなかった。
 「トリック」の面白みは、“敵”の超能力の謎解きや、間にちょこちょこ挟まれる細かな手品のネタバラシといった“トリック”だけでなく、ふざけ半分のギャグが売りでもあったし、映画化されるまでに人気となったのは、むしろギャグの方が大きかったかもしれない。
 この笑いは、ストーリーと連動するユーモアといったものではなくて、コントかむしろ漫才に近い唐突な落差を楽しむものだが、横溝正史が好んで描いたような土俗的な舞台で、そこにそぐわない脱力系のギャグを放り込んでくるのは、たしかに新鮮だった。

 そんな部分を映画化にあたって強化したくなる気持ちもわからんではないが、所詮脱力系ギャグは、根元にしっかりしたストーリーがあってこそ生きてくるのではないか? ある程度の許容頻度を越えると、ドシラけてまるで笑えなくなってしまう。
 これには個人差があるだろうが、わたしは早々と中盤で集中力をなくしてしまい、せっかくの映画的な終盤のスペクタクル? な展開も楽しめなかった。とゆーか再見なのに、まるで覚えていなかったのはどーゆーことだ?

 覚えていなかったと言えば、冷静に思い返して、本作の犯人と少女にとってはトンデモナイ悲劇な訳で、その感触は<ネタバレ反転>「すべてがFになる」に近いものだが、まったく印象に残っていなかったという…。
 やはり、ミステリドラマとしての土台に対して、ギャグやスペクタクルの要素のバランスが悪いのだと思う。【注4】
 この映画を再見しての驚きは、悲劇の少女が成海璃子だと気づいた事だけである。【注5】


【注4】ちなみに、この映画の一年後にTVで第3シリーズが放映されたが、おふざけがさらに進んで、見るに堪えなくなってしまった…。
【注5】この映画を再見するよりは前に気付いたのだが、パツキンのバカ刑事がギンガレッドだと気づいた時には、まさに驚愕した。なんで引退したのかな。残念だ。

(2016/9/19記)

 『逃走車』
Vehicle 19
製作等ポール・ウォーカー他2013.2.7
監督ムクンダ・マイケル・デュウィル
脚本ムクンダ・マイケル・デュウィル
★★★DVD
§§ タクシーを使いなさい §§

 ワイルド・スピードシリーズポール・ウォーカーが主演で、“逃走車”ときたら、ついつい派手なカーチェイスを期待してしまうが、それでは完全に肩すかしを喰らうだろう。カーチェイスはあるにはあるが、特に売りになるようなものではない。

 なんだか解らないままに巻き込まれて、警察に追われるところは「逃亡者」、運転しながら必死にケータイでやりとりするシチュエーションは「セルラー」といった一流のサスペンス・アクションを思い出させるが、いずれにも太刀打ちはできていない。
 ほぼすべての画面をウォーカーがレンタルする“19号車”内から撮っていることと、ロケーションがニューヨークやロスアンゼルスではなくて、南アヨハネスバーグだということが特色ではあるが、残念ながらこれらもまた売りになるほどには効いていない。
 人種問題で米国以上にピリッとした南アが舞台だし、いかにも危険そうな黒人のあんちゃんに車の塗装を頼むシーンがあるが、“命がけの男の目だ”とかなんとかで時計一個で受けてもらうなど、作りがあまあまである。軽快なラップのBGMを流したってごまかされねーぞ。
 虎の子のICレコーダーを裁判所に届けて一件落着だが、「プリズン・ブレイク」などのドラマを知ってしまった後では、あまりに簡単に落着する気がしてならない。
 90分未満のドラマだが、アクションのつるべ打ちで攻める作品ではないので、もう20分か30分程使って、ワンシーケンスかツーシーケンスか増やしたほうが良かったのではないだろうか。
 先の時計だって、実はキャリアウーマンの奥さん(大使館勤務)に買ってもらったかなり高価なものだったとかの描写があっていい。
 別れた嫁さんとよりを戻すことを願って、保護観察中の規制をブッチして、なんと南アメリカくんだりまで飛んできた主人公、もちろんヨハネスバーグの土地勘ゼロで、アメリカと違って車は左車線。なんでレンタカーを借りようとするかな。タクシーで行きなさいよ。

(2016/9/19記)

 『ジュラシック・ワールド』
Jurassic World
製作等スティーブン・スピルバーグ他2015.6.12
監督コリン・トレヴォロウ
脚本コリン・トレヴォロウ他
★★★★DVD
§§ 続編というより、一作目のリボーン §§

 主役の兄ちゃんが出てきてたっぷり3分は、『ジュラシック・パークV』のグラント博士の弟子の人だと思っていた。
 なんと、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の人じゃないか。売れっ子なんですな。

 グラント博士とはキャラが異なるものの、商業主義のもとに遺伝子を弄び、生まれた生命体に敬意を払わない連中に反対の主人公、経営者の親戚の子供二人、観覧中にシステム不良で恐竜たちの中に投げ出されます、大人が助けに行きます、なんとか無事に戻ります、ラプトルに襲われます、逃げます、窮地を救うのはデカイ獣脚類恐竜です、etc.etc.

 『ジュラシックパーク』をなぞっていく設定は顕著で、他にも類似シーンを挙げればキリがない。どうも開き直っていて、隠す気もない感じだ。 “パーク”時代の遺物が登場して連続性を感じさせたりもするが、製作者の思いは願いは、最新技術で『ジュラシック・パーク』をリニューアルさせたかったということだろう。
 1993年の第一作は、80年代にフィル・ティペットが開発して発展させたゴーモーションの技術を時代遅れの技術に追いやってしまい、CG技術の大々的な導入と発展のきっかけになったが、実はCG使用シーンは僅かに7分だというから、その気持ちは解る。こちらにしたところで、ジュラシック・パーク・ザ・ライドの拡張版を楽しみたいだけだから、別に問題はない。
 ただし、その流れで容易に想像というか、期待通りに一般の来場者たちが襲われてパニックになるシーケンスは、その襲ってくるのが翼竜だけなので、少々物足りない。
 むしろ、一般来場者に気付かれないギリギリの範囲で、インドミナス・レックスVS管理者の攻防が続くといった脚本のほうが、面白かったかもしれない。どのみちクライマックスの乱闘は閉園後のような夜だったし。
 日本人と違って、キリスト教徒にとっては、DNA改造は悪魔の所業だと感じる人がはるかに多いだろうから、解りやすさの延長で、こんなパークは大々的に崩壊させなければならなかったのかもしれない。

 いずれにせよ、ライド・ムービーとして、気楽に楽しむべき映画で、子供たちが乗り込む車両を見て、あれでは摩擦が足りなくて、とてもオフロードを走破できないだろとか、細かいことを気にしてはいけない。
 頭を使わないように、出てくる登場人物も、すぐに死亡フラグが立っているかどうかほぼ予想がつく親切設計だ。
 娘と一緒に観たのだが、死亡者予想に加えて、インドミナス・レックスを誰が倒すのかについても的中させたことは、少々自慢してもいいかな。お父さんすごい感をアピールできたような気がする。【注6】

 前作『ジュラシック・パークV』の上映時間は、90分程度でやや短か過ぎ感があったのに対し、本作のほぼ2時間は少々長い。パーク経営の裏側や安易なDNA改変の倫理的問題な話、それに子供たちの両親が離婚間際的なよくある話は、もう少し刈り込んだほうが良かったかもしれない。両親はカットでもいい。


【注6】だって<ネタバレ反転>モササウルスのほうが明らかに口がでかいからね。

(20//記)

 『ターザン:REBORN』
The Legend of Tarzan
製作等デヴィッド・イェーツ他2016.7.1
監督デヴィッド・イェーツ
脚本クレイグ・ブリュワー他
★★★THEATER
§§ えっ、ハーレクイン? §§

 今年は例年になく劇場で映画を観ていてヤバイ。

 CG時代になっての初ターザンである。
 ディズニーの「ジョン・カーター」が、映画の出来はなかなか良かったというのに大ゴケという世間の不条理を知ると、バローズファンとしては、観に行かないわけにいかないではないか。
 自慢じゃないが、ハヤカワ文庫から出たターザンシリーズはすべて持っているし、ついに邦訳されなかった数冊のうち2冊は原書で所持してるのだ。まだ読んでないが。【注1】
 わたしが行かずんば誰が行く!というくらいの義務感があった。

 もとより映画に、原作への忠実度なんて期待してないが、冒頭のオパルに始まって、ターザンはグレイストーク卿として英国にいるので、おっ「ターザンの復讐」に結構忠実? なんて思っちゃったが、すでにジェーンとは結ばれていることに始まり、やっぱり好き勝手やっていた。映画なんだから良いのだが、原作ファンは、オパルが出てきた時点で、どんな美女がラーに扮するんだ?と想像した筈で、そして彼らは(わたしも)がっかりだ。

 まぁバローズ作品の女性に大した個性のキャラはいなくて、ヒロインはほぼ攫われるだけである。それ以外の女は、(ヒーローのヒロインに対する)踏絵的な役割で出てくるか、あるいは危機に瀕した主人公が助かるためのギミックとして配置されるだけ。つまりあくまでヒーローの行動理由を作るため、言い換えれば、悲しいかな彼を目立たせるだけの存在である。だから、特に日本のバローズファンがどの登場人物(♀)が好きだと言う場合は、ほぼ武部本一郎の表紙/挿絵に魅かれたのだろう。
 脱線してしまったが、本作のジェーンはなかなか能動的で、自分で行動しようとしていたので、その演出は悪くはない。
 ただし彼女の一番重要な役回りはやっぱりターザンの圧倒的な行動力とパワーをひき出すことにあるのは絶対で、あまり前へは出られず、それゆえさほど強い印象も残せない。驚くのは、そんなジェーン役のマーゴット・ロビーが、「スーサイド・スクワッド」ではハーレ・クインを演ってる事だろう。名前を二度見したよ。さすが女優というべきか。印象がまるで違う。

 さて、肝心のターザンだが、(今回の映画に合わせて作り込んだのだろう)その身体の美しさにはほれぼれした。スーツを着ても似合うのがさすがだ。シュワちゃん系のマッチョではああはいかない。
 アレクサンダー・スカルスガルドという役者が、“世界で最も美しい顔”の常連と言われる基準はよく解らないが、 全体的に映画の暗めのトーンといい、「グレイストーク -類人猿の王者- ターザンの伝説」クリストファー・ランバートのイメージに近い気がする。なんとなく泣き顔が多い。

 ところで、本作の売りはやはり冒頭に書いたように、CGでほぼなんでも表現できるようになっての実写映画ということだろう。【注2】
 本作のライバル作品「ジャングル・ブック」モーグリ以外フルCGとの事なので、あちらほどではないにせよ、本作もCGで大量に処理されていて、パンフの情報によると、メイン舞台となるコンゴのロケは空撮のみだという。
 つまり俳優陣はアフリカに行くことなく…?
 ということになるが、雄大な大自然の迫力は期待以上だった。

 今回はパンフを買ってしまったので、そちらからのネタが多いが、本作のストーリー上の背景に、ベルギーレオポルド二世によるコンゴ統治の史実が使われていて、またメイン・キャラ5人のうち2人が実在の人物だという。
 パンフの中で、誰ぞはただの空想アクションではなくて、歴史劇になっていると書いていた(ように思う)。たしかに当時のコンゴの一部は、ベルギー王の私領になっていて、原住民への残虐行為をイギリスに批判されたことや、ジョージ・ワシントン・ウィリアムス(演:サミュエル・L・ジャクソン)が、当時のコンゴを旅行した際に現地の状況にショックを受け、レオポルド二世に公開状を出したという事実はあったらしい。
 しかしそれにしても、レオポルド二世を批判したというイギリスやこの映画の製作国であるアメリカは、アボリジニインディアンを大量虐殺して、植民地支配奴隷貿易しこたまやっていたのだ。
 

なにをぬけぬけとベルギーだけ悪者にしとんねん。


 呆れてしまう。
 ま、いずれにしても、CMでも流していたクライマックスシーンは、ファンタジー爆発だ。面白いけど。
 さすがのターザンも、ワニを手なずけることは難しいだろう。【注3】


【注1】パンフを読んだが、俳優や製作陣でも、原作を読んでるやつなんて誰もいない。バローズに言及しているのは、パンフではただ一人、コラムを寄せている小谷真理だけであった。
【注2】Wikiでチェックすると、「ターザン 失われた都市」という実写映画が1999年に作られていた。同じ年に「ハムナプトラ」「マトリックス」のような、CG特撮が売りの映画が公開されていたが、生物の毛並とか背景まるごととか、まだまだ限界があった。“失われた都市”とあるので、こちらにはオパルとラーがもっとフィーチャーされていたと想像する。ちなみに「ターザン 失われた都市」のターザン役は、「名探偵モンク」でナタリーの恋人役をしたキャスパー・ヴァン・ディーンだ。「スターシップ・トゥルーパーズ」の主役と書く方がわかりやすいか…。
【注3】バローズ作品では、地底世界シリーズの3巻、「戦乱のペルシダー」で、タナーが大蛇と仲良くなってた。この時タナーと同じく捕まっていたデヴィッド・イネスを救出するために、地底世界ペルシダーに向かうのがターザンだ!

(2016/9/8記)

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