コーナー その1

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  医学情報の海をご一緒に遊泳いたしましょう

 

 

  インフルエンザの謎

 

 このシーズンほどインフルエンザが取りざたされた事もかつてありませんでした。それというのも、「未知との遭遇」 新型インフルエンザに対する強い警戒心のなせる故でありましょう。その発症は、もはやif (もしも)ではなく、       when(いつ)と言われております。

 

『インフルエンザの最新知識Q&A2009

 あなたは子どもの頃、学校でインフルエンザの予防接種をしませんでしたか?

 1960年代から1994年にかけて、学童集団接種が行われ、その流行に大きな予防効果があったことが指摘され    ています。高齢者や幼児への感染を抑える効果もありました。

 学童のワクチン接種率が低下した1990年代に、幼児のインフルエンザによる死亡が急増し、

 19902000年までの11年間に約800名の幼児(1〜4歳)が死亡しました。

 特に日本では、幼児にインフルエンザに伴った脳炎・脳症が多発することが問題となっています。

 意識障害を生じ、脳症に至る原因は明らかではありません。 死亡率は約30%、生存者の多くに重い後遺症が 残り、世の親御さんを震え上がらせました。

 2005年には、インフルエンザ脳症ガイドラインが厚生労働省より発表されています。

 

『流行性感冒』

 90年前、日本でも猛威をふるったインフルエンザ大流行(スペイン風邪)の記録。幻の本と言われていましたが、 20089月に東洋文庫から再版されました。温故知新! Dr.も熱心に読んでいました。

 統計的資料、病原、症候、療法、予防などなど、レトロな記載満載。

 この191820年の大流行(パンデミック)では、2040歳代の死亡者が最も多かったことがわかっています。不 思議ですね、一番体力も免疫力もあるはずなのに。強烈な免疫反応(サイトカインストーム)がおこったためとい う説もありますが、不明だそうです。

 また、この本では「病原問題は猶ほ未解決なり」となっている点もおもしろいなあと思いました。

 出版は1922年で、まだ電子顕微鏡の登場(1930年代)前だったため、ウイルスを発見できなかったので すね。

 予防としてマスクを奨励していますが、たちまち不足し「裁縫学校、高等女学校、小学生女児に之を  作成せしめた」なんて記載もあります。レトロなポスターの絵には「マスクをかけぬ命しらず!」なん て過激な文句もありますが、これって今も通用しますよね。

さて、現在。予防法に大差はございません、みなさま、うがい・手洗い・予防接種です。

「インフルエンザの予防接種で静脈の血栓形成リスクが低下」(Medical Tribune20092月号)

 という報告もあります、注射はキライなどど駄々をこねないで!

                          

 

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 ★『インフルエンザの最新知識Q&A2009』医薬ジャーナル社、2009.2. \3360

 公共図書館おすすめ!

 新型インフルエンザを

 「正しく恐れる」ために。

 ★インフルエンザ脳症ガイドライン(厚生労働省 インフルエンザ脳症研究班)

  http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/index.html(国立感染症研究所:ガイドライン参照)

     『流行性感冒 スペイン風邪大流行の記録』内務省衛生局編、平凡社東洋文庫778 ¥3150

     「日本におけるスペイン風邪の精密分析」東京都健康安全研究センター年報,56巻,369-374 (2005)

   http://www.tokyo-eiken.go.jp/SAGE/SAGE2005/sage.htm

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