コーナー その4

医学情報の海をご一緒に遊泳いたしましょう

過去の亡霊? しのびよる白い影 − 肺結核
かつて正岡子規や森鴎外を死に至らしめた結核、労咳とよばれた過去の病と思いきや、
報告される単一の感染症としては、いまだ最大規模(2007年新規発症25,311人)の病気なのです。
平成11年には厚労省から「結核非常事態宣言」が出ているほどです。
きちんと正しく知って、自分の身を守るも大事ですが、それと同じくらい、病気の方に対する
いたわりや理解が大切です。正しく知れば、むやみに恐れることも、排除することもありません。
こうして感染する
空気感染
感染者が咳をしたときのしぶき(飛沫)とともに結核菌が排出される。結核菌が空気中を浮遊し、
これを吸い込んだ人の肺に定着すると感染する。
感染しても全員が発症する訳ではなく、感染後ただちに発病する訳でもない。(↓下段参照)
インフルエンザが飛沫感染なのに対し、結核は空気感染。
こうして診断される
*2週間以上続く咳
*胸部X線検査にて異変(リンパ節腫張・結節影など)
*胸部CT画像に異変
*喀痰検査にて赤色棹菌検出
感染と発病のちがい
28.5人は発病しない
多くは自然治癒する
100人が結核菌
に暴露
30人が感染し
保菌者となる
→
1.5人が発病
結核菌に感染しても免疫機構がはたらくため、約90%の感染者は生涯を通じて発病しません。
つまり、感染=発病ではありません。
こうして治療される
服薬による化学療法(多剤併用療法)
入院の目的は、「感染隔離」と「治療徹底」で、2ヶ月〜4ヶ月。
「発病」しても「排菌」(結核菌を排出していない)していない場合は、通院治療。
こうして予防される
結核菌は紫外線に弱く、体外に排出された菌は日光に当たると数時間で死滅します。
また、密閉された空間(教室もそうですね)で、長時間換気をしない事も、空気感染を助長します。
結核予防といえばBCG.
以前は、ツベルクリン反応検査をし、陰性の児童にBCGを接種していましたが、
2005年結核予防法の改正に伴い、ツ反なしで、BCGを直接接種する方式に変更されました。
定期接種は生後6ヶ月までとなっており、特に小児の結核予防に有効で安全なワクチンです。
咳をともなう他の病気は?
* 肺炎 : 発熱、頭痛、全身倦怠感、悪寒、関節痛、咳、痰、呼吸困難
* インフルエンザ : 38度以上の発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感、冬から春先多発
* 喘息 : 夜間〜早朝にかけて発作性の呼吸困難、喘鳴、咳、
* 百日咳 : 夜間に多い発作性の咳、発熱はない、咳にともなう嘔吐、まぶたが腫れる、5〜9月多発
本日のお品書き
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公共図書館おすすめ!
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★ 「薬局」vol.59,no.13, 2008, 12月号 特集“肺結核”
★ 結核予防協会 ホームページ http://www.jatahq.org/