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平成22年11月30日(火)
●吉田町の学校図書館施策
平成11年度の町立図書館開館に向けた準備と同時に、図書館のリーダーシップのもとで学校図書館の充実事業が始まりました。
学校司書は当初町立図書館からの派遣でしたが、平成17年度から学校教育部門の所属となり、中学校1校と小学校3校に専任で
全校配置されています。待遇は嘱託職員で、1日4時間・週5日、司書資格者、時給1,050円。
司書教諭は町教委の発令で小学校では2時間の授業軽減がされています。
平成13年度には文科省の「学校図書館資源共有型モデル地域事業」、続けて平成16〜18年度には「学校図書館資源共有ネットワーク
推進事業」の指定を受けました。これによって、蔵書のデータベース化や学校図書館資料の選書方針・廃棄基準・学校図書館事務分掌
の作成行われました。さらに、学校図書館支援センター委員会が設置され、ネットワーク化.や活動の基盤づくりに町全体で取り組んで
います。
吉田町では「ネットワーク化により、子ども達の読書活動や学習活動を意欲的主体的に高めていくこと」を事業の究極の目的として、
文科省の指定終了後も施策は続けられています。
なお平成22年度は、町予算の主な事業の一つとして、小中学校の図書購入が増額されました。
前年度比82%増で、小学生一人あたり1,500円、中学生2,500円。
購入費の配分については、ネットワーク事業により、全体の2割分を4校で均等に、残りの8割を児童生徒数によるものとしています。

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1冊づつ用意された資料で調べる子ども達と
支援する教諭
(写真掲載許可済み)
●町立中央小学校の研修会 <公開授業> 3年生国語

身近な話題をとらえて話し合おう
いろいろな絵を見つけよう
くらしと絵文字・絵文字発表をしよう
授業者:向島恵子さん(教諭) 長岡洋子さん(学校司書) ↑こどもに声をかける司書(写真掲載許可済み)
担任の先生と学校司書が協力して資料を集め、一人1冊ずつ異なる本がいきわたるようにしてありました。
用意された資料は、予備調査に18冊、授業当日のために41冊(児童数39名)の計51冊で町内外の公共図書館と
町内小中学校から収集されたそうです。
最初に司書が絵文字の本をブックトークし

(色や形にもちゃんと意味があるんだよ、というふうに)
子どもたちの意識、興味が高まる様子が見られました。
ただ資料(本)を1冊ずつ与えても、どこをどう見たらいいのか
わからないという子も多いのですが、ブックトークは子どもたちが
その後の作業をスムーズに進めるうえで、有効な手段だったと思います。
その後資料をひとり1冊ずつ手元に置いて、気に入った絵文字や興味を抱いたマークに付箋を貼ります。
付箋には教科書で学んだことをもとにした理由を書き、最後に前に出てマークをプロジェクターに映して発表しました。
司書教諭も授業にはいり、資料から自分の気に入ったマークを見つけ出せない子もいるので、アドバイスをしたり質問をする子
に応えたり。発表したい子がたくさんいて時間が足りなくなり、がっかりする子が何人も・・とても活発な授業でした。
次はオリジナル絵文字の作成をして、発表会に広がるそうです。どんな絵文字ができるのか、見てみたくなりました。
頂いた資料を読むと、学校図書館や資料を利用した授業が日常的に行われているようです。
ブックトークを楽しみ本にふれることに慣れている様子に、そのことが表れていました。
<事後研修>
授業後、町内小中学校の教師と学校司書の研修に私達も出席させて頂きました。
最初に向島教諭から、多様な資料収集ができる学校司書の意義と学校図書館を意志的に利用していきたい、とのお話がありました。
◎参加者による意見交換
*先生の意欲と司書との協働がよかった。以前の勤務地では学校司書が未配置だったので、「本もあるけど人もいる」という良さを感じる。
(小学校教諭)
*ブックトークと機器の利用が生徒の意欲につながったと思われる。先生の声かけと司書のブックトークがよかった。
一人1冊資料が用意できるのは資料共有ネットワークの長所である。1班に1冊など複数での利用になると、特に中学生などでは
互いに遠慮してしまうこともある。(中学校教諭)
*「大造じいさんとガン」の授業の時に、学校司書によって、すぐに資料がそろえられた。教師の願いを聞きとって教材研究などに
役立つ資料収集をしてくれるのが有り難い。教師が活用していくことが大切だと思う。(小学校教諭)
*自分の小学生の時に司書がいなかったので、新任でこの学校に来て司書のいることが手厚く感じられた。
2年生の「図鑑づくり」の授業で、司書とTT授業を行い、子ども達が大変興味をもって取り組んでいた。
今回の授業でも「本のスペシャリスト」の説明が、子ども達の心に残ったのではないだろうか。 (小学校教諭)
*学校司書のいる学校で、初めて資料がよくそろう。調べ学習では教師と司書が個別の支援に入ることで、
子ども達が意欲的になると思う。今回の授業でも調べの進まない子どもに、司書が「目次をみてごらん」と声をかけたことによって、
興味のあるスポーツの絵文字を見つけ、 やる気になって取り組んでいた。
このような積み重ねが、情報を取捨選択する学習を可能にしていくと思う。(小学校教諭)
*3年の他のクラスでは、この単元で司書とのTT授業を行っていない。もとになる知識が違うので、子ども達が作るオリジナル絵文字も
違ったものになると思う。学校司書の存在はとても大きい。教師と連携をとりつつ成果を出すことで子ども達に返していきたい。
また、他の地域でも言えるようにしていきたい。 (小学校教諭)
*一人1冊の資料が用意されていることが、発表の時に「もっと言わせて」と次々手があがる意欲につながった。
用意された資料を一人ひとりの読む力や個性にあわせて、教師が選んで与えることも必要かもしれない。(小学校教諭)
*町内全体で、教師と学校司書が垣根をこえて共に研修できることが素晴らしい。資料が有効に利用されていることがうれしく、
ひとり一人異なった資料で調べられる意義はとても大きい。(考える会の参加者)
*図書館のことがわかる職員のいる大切さを思った。自分の地域でも学校図書館支援センター立ち上げの話がある。
図書館協議会で吉田 町の取り組みを伝えたい。 (考える会の参加者)
◎教頭先生のまとめ
子ども達が集中して資料に取り組み、自分の経験を通して自らの言葉で発表ができていた。
学校の教育目標「はっきり話そう」につながる授業であった。
学校司書の特長は、図書館の環境整備・資料の購入・本の紹介・授業への参加などで、日々の日誌は広い意味での
生徒指導にもなっている。今後も資源共有ネットワークの有り難さを知り、『灯台もと暗し』になることなく教育活動を進めていくことが
重要である。
*研修を終えて
子ども達がのびのびとして、どんどん授業がすすんでいく様がとても清々しく思われました。
さらに事後研修では、施策の整備を先生方が本当に喜び生かしていらっしゃることが感じられました。
吉田町の実践が県下に広がるよう、願わずにはいられない一時でした。 (見学者・記)
((SA