第六話『悲しみの真相と模擬戦の開幕』
「この辺だよな…。」
さて、暫くフリーズしていた統夜だったが、再起動したのは、統夜を探していたなのはとばったりと会った時だった。
「にゃぁぁぁぁぁ!!! 何が有ったの、フェイトちゃん、統夜くん!?」
「あー…後で話すから、フェイトを医務室に連れて行ってくれ…。」
その際の会話より抜粋。
医務室
「えーと、シャマル先生でしたっけ…フェイトは大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、傷は多いみたいだけど、深い物は無いし痕も残らないわ。でも、念のため、今日一日は安静にしていてね。」
この医務室の主(何故かこの言葉が想像された)『湖の騎士シャマル』からの返事に表情にこそ出していないが微かに安堵を浮かべる。
「良かった〜。でも、フェイトちゃんが手も足も出なかったなんて…。」
「せやな。それに、ゼイビアックスの手下がこんな所にまで入り込むんやなんて、統夜くん、何か対策とかはないん? 何か有るんやったら、教えて欲しいんやけど。」
シャマルの診断に心から安心すると言う様子のなのはと、自分達の本拠地の中にまでゼイビアックスの手下が入り込んでいると言う危険に対する対策を考えるはやて。
「対策って訳じゃないけど…フェイトなら、敵のモンスターの動きや、向こうでの戦いを見る事が出来ると思うぞ。」
「「「「え?」」」」
統夜の意外過ぎる言葉にその場に居た全員が声を揃えて言った。
「で、でも、私、今まで何も見えなかったのに!?」
「そ、そうだよ、何でフェイトちゃんだけ。」
「ああ、検査が終わってから教えておこうと思ったけど…なあ。」
そう言った後窓まで歩くと統夜はそれを指先で二、三回程つつき。
「モンスターは直接接触した人間にしか見えない。そう言った意味じゃ、あの時、あの蜘蛛に襲われた高町やナカジマ達にも見えるはずなんだけどな…。」
フェイトはシェルクラブに攫われた時にその存在には気づいていない様だった。それから考えると、
「まあ、鏡の中に居るモンスターが見える様になった知り合いには、向こうまで連れ去られた人しか居ないからな…比較対象が少なすぎるけど…。」
その身近な比較対象は、以前のゼイビアックスとの戦いの協力者のジャーナリスト『マヤ・ヤング』…彼女はモンスターに襲われた事でベンタラの存在を認識できるようになった訳だが、ベンタラに連れ去られても居た。
そして、医務室の中に適当な鏡面を見つけると、それを指差し、
「鏡の中に何か見えるか? 部屋の風景や自分達の鏡像以外に。」
「なにも見えないけど。」
「何も見えへん。」
「それって…統夜くんの龍?」
統夜の問いに同じ答えを返すなのはとはやての二人に対して、フェイトだけには鏡を通して向こう側に居る彼のアドベントビースト、ドラグレッダーの姿が見えている様だ。
「はい、フェイトだけ正解。まあ、モンスターを見つけたら、逃げてオレに教えてくれ…。」
「う、うん。」
統夜の言葉に頷きながら答えるフェイト。
「ふーん。」
何故かニヤニヤと笑っているはやて。
「なんだよ、八神?」
「いや〜、なんか、フェイトちゃんだけ名前で呼んでいるのは何でかなって思ってなぁ〜。」
ニヤニヤと笑いながらそう聞いてくるはやて。何故か狸の耳と尻尾が生えている様に見えて、『チビ狸』と言うフレーズが浮かんで来る。
「……………………………………。頼まれたからそう呼んでるだけだ。」
思わず先ほどの告白を思い出して顔を赤くしながら、統夜は目を逸らしつつそう答える。…別に嘘など言ってないのだが。
「ふ〜ん、うちらが頼んでも、呼んでくれへんのに、フェイトちゃんが頼んだら、呼んでくれとるちゅうわけか〜。」
「…お前達も、名前で呼んで欲しいなら、呼んでやるぞ…。それより、なにかオレに用なんじゃないのか?」
「うん、統夜くんの模擬戦の相手が決まったから探してたんだけど、大丈夫なの?」
シェルクラブとの一戦とその前のレッドミニオン退治で、すでに統夜は一戦している訳なのだが。
「ああ、問題ない。少し疲れてる程度だ。」
「うん、それじゃあ、付いてきてくれるかな、案内するから。」
「ああ。じゃあな、フェイト。……返事は直には無理だけど、必ずする。」
「う、うん。」
統夜の言葉に顔を赤くするフェイトにそう言ってなのはに案内され、統夜は医務室を出て行った。
フェイトからの告白…それが嫌なわけが無い。だが、
『いやいや、先代と同じDNA情報を持っているだけの事はある、君も裏切るのだね、ベンタラの
『君は何れ彼女達に味方し…他のライダー達を“裏切る”。』
フェイトの想いを受け入れる事はベンタラの
海に浮かぶ廃墟…なのは監修の空間シミュレーターに佇みながら統夜は、ピンク色の髪をポニーテイルにした炎をイメージさせる様な甲冑姿の美人の女性、『烈火の将シグナム』と対峙していた。
統夜は、悩みはあるが、今は目の前の相手にのみ心を向けようと決める。
「えーと、シグナムさんでしたっけ? なんで、そんなにも楽しそうなんでしょうか?」
「ふふ…実はリニアの映像を見てから、お前とは一度戦ってみたかったんだ。」
楽しそうに笑いながらそう答えるシグナム。
「悪いが、全力で行かせて貰うぞ。」
「まあ、美人からのお誘いなら喜んで受けさせて貰いますよ。」
彼女のようなタイプを相手に戦う前に下手な迷いを持ち込む事は失礼に当ると思い、心の中に有る迷いを切り捨て、シグナムから放たれる殺気を涼しい顔で受け流しながらカードデッキを取り出す。
そもそも殺気と言っても、彼女の向けてくる殺気はかつてのゼイビアックスの側近、JTCが変身した地球の『仮面ライダーストライク』が向けてくる“狂気”と共にぶつけられる殺気に比べれば、余程心地よい代物である。
「な!? 美人だなどと、わ、私のような…。」
「いや、十分すぎるほど、美人だと思うけどな、オレは。それじゃ、行くとしますか。KAMEN RIDER!」
その言葉に顔を真っ赤にしながら反応するシグナムに苦笑を浮かべながら、統夜はドラゴンナイトへと変身する。
そして、ドラゴンナイトがドラグバイザーにソードベントのカードを装填し、ドラグセイバーを召喚する事で臨戦態勢が整うと、互いに武器を構え、
「行くぞ、異界の騎士。」
「ああ。受けてたとう、この世界の騎士。…でいいのかな、この場合?」
“烈火”と“烈火”、奇しくもこの一戦を受けるのは“同じ称号”を持った二人の騎士。
「ヴォルケンリッターが烈火の将シグナム…。」
「二代目仮面ライダードラゴンナイト、辰輝統夜…。」
「「参る!!!」」
重なる叫び、