これは本編でのティアナ撃墜前の話です…。

なお、番外編は主に統夜の視点でのドラゴンナイトのストーリーを記していきます。

今回の話はキットではなく統夜が彼の立場になったドラゴンナイトの第一話を文章化した物ですので、内容についてはあまり期待はしないで下さい。


番外編『ドラゴンナイト・ビギンズ前編』

 

「私は凡人だから……こんな風に特訓して私は頑張って力をつけなきゃいけないんです! 私は…統夜さんみたいに天才じゃないんです!?」

 

通常の訓練や勤務が終わった後も訓練する等、明らかにオーバーワークをしていたティアナに注意をしていた統夜はそう怒鳴られ、

 

「Why? 天才…オレが…? クックックッ…あははははっ!」

 

思わず笑ってしまう。

 

「何が可笑しいんですか!?」

 

「いや…悪かった。まさか、オレの事を天才だなんて言われるとは思わなくてな…」

 

「天才じゃないですか、たった一年でシグナム副隊長みたいな騎士に勝てて「あれはサバイブって言う切り札を使ったからだ」…でも…」

 

「大体…オレはライダーの中じゃ間違いなく弱い部類に位置すると思うしな。第一…オレがカードデッキを手にした時なんて…かなり、情けなかったんだぞ。特にオレが始めてモンスターと戦った時なんて、お前の初陣よりも酷かったぞ」

 

「本当なんですか?」

 

疑いの目を向けてくるティアナに対して溜息をつきながら、統夜は、

 

「はぁ…いいだろう…話してやろう。お前が天才って誤解しているオレの初陣って奴をな」

 

話すしかないだろう。自分が始めて戦った時の話をすれば、少しは彼女の中の劣等感も納まるのではと思いながら、自分の隠しておきたいちょっと恥ずかしい過去を話す事を決意した時。

 

 

「ふーん、それは私にも興味あるなぁ〜」

 

 

第三者の声が聞こえてきて、統夜が後を振り向くと、そこにははやての姿があった。

 

「…はやて…聞いてたのか? 何時から、そこに?」

 

「統夜くんの笑い声が聞こえた辺りからやな。それで、統夜くんが初めてドラゴンナイトになった時の話ってのは私も興味あるやけどな」

 

「…過去は振り返らない主義でな…」

 

「ふ〜ん。ところで統夜くん…フェイトちゃんも統夜くんの話し、聞きたい見たいようやで」

 

「うぐぅ…」

 

その後、元々ティアナには話す予定だった事と、フェイトにお願いされた事により、食堂に集められた機動六課のメンバーの前で統夜は初めてトラゴンナイトになった日の事を話す事となったのである。

 

「子供はもう寝る時間じゃないのか…?」

 

「え、でも…ぼくも統夜さんの話には興味が有って…」

 

二人の年少組を代表して、エリオからはそう言葉を返される始末である。気のせいかスバルも含めて目を輝かせているので、話すしかないのだろう。

 

「はぁ…フェイト…ははやてに興味が有るって聞いたけど…なのはもか…」

 

「私も統夜の話は聞いてみたくて」

 

「うん、私も統夜くんの出会いのお話、聞いてみたいな」

 

隊長陣も聞きたいようである。逃げ道は完全に塞がれた。何故この人数の前で暴露話をしなければならないのだろうかと思わずには居られない。一度溜息をつくとゆっくりと口を開く。

 

 

 

当然、ベンタラの事を伏せてでは有るが。

 

さあ、語ろう…仮面ライダードラゴンナイトの誕生の物語を…。

 

ぶっちゃけ、ドラゴンナイト本編の一話二話と変わらないと言う突っ込みは無い方向で…。

 


一年前、アメリカ…

 

―統夜、家に帰るんだ。ドラゴンを探せ。契約のカードを思い出せ―

 

「ん?」

 

ハイスクールからの帰り道、統夜はそんな声を耳にして、立ち止まって周囲を見回すがそこには自分に話しかけたと思われる人間は誰も居ない。

 

「あれ? 気のせいか…?」

 

気のせいかと思ってその場を歩いていく。…誰にも気付かれず、統夜を追いかける様に建物の窓に映し出される鏡面を赤い龍が泳いでいった。

 

何時もと変わらない日々、ハイスクールに通って母の居ない家に帰る。それだけの毎日の終わりが近づいている事をこの時の統夜は気付かなかった。

 

「ただいま。って、言ってもどうせ居ないよな」

 

鍵を開けて家の中に入るとそう言って、鞄を机に置いた時、指先に当る違和感に気が付く。それは、今朝には無かったはずの黒いケースの様な物。

 

「…カード…デッキ…?」

 

そう呟きながら統夜はカードデッキの中から一番上に有った『SEAL』と書かれたカードを取り出す。

 

「アドベントカード?」

 

なんだろうとかと思って裏面も見てみるとそこに書かれていた文字を読む。『何かのゲームに使うカードなのか?』と考えるが、そんな物を買った覚えも無ければ、拾った覚えも無い。思わず窓に鍵は掛かっているのかと思って調べてみるが窓の鍵は閉まっていた。

 

―統夜、ドラゴンを探せ。―

 

「っ!? 誰だ!?」

 

突然聞こえた声に慌てて振り返るが、誰の姿も無い。

 

「誰か居るのか!?」

 

家の中だけではなく家の外に居るのかと思って外まで探してみるが、誰も居なかった。何だったのだろうかと思って首を傾げた時、ふと、家の近くのビルの鏡張りになっている部分が目に入る。

 

「ん?」

 

ふと、ビルの鏡面が目に入ると、ビルの鏡面はまるで水面の様に揺れていたのだ。

 

「おい…なんだよ?」

 

思わず一歩ずつ後ずさると、慌てて飛び出したので握ったままになっていたカードデッキが光を放っていることに気付く。そちらへと視線を向け、再びビルへと視線を向けると、ビルの鏡面が石を投げ入れた水面のように波紋が広がり、その中から赤い龍が現れる。

 

「うわ!?」

 

鏡面から飛び出した龍は一直線に統夜へと向かっていく。思わず腕で顔を覆ってしまう統夜だが、そんな統夜を守るようにカードデッキを中心に光の壁が現れる。

 

「うわぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

龍と光の壁がぶつかった衝撃で統夜と龍は互いに弾き飛ばされる。

 

「はぁ…はぁ……なんだったんだ?」

 

そして、次に襲い掛かるのは耳鳴りの様な音、

 

「あっ…あっ…っ!?」

 

頭が割れる様な思いで苦しみながら、慌てて耳を塞ぐがそれでも音は統夜の頭に響き続ける。

 

「あっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

耳を押さえたまま崩れ落ちる統夜。暫くして音が止むと君が悪くなり戸締りをして家を飛び出して行く。

 

「うぁ…」

 

そして、外に出た瞬間、再び聞こえてくる音に頭を押さえる。それだけではない、偶然視線を向けた先のビルの鏡面には、機械的な外見を持った巨大な茶色の蜘蛛『ディスパイダー』が鏡面の中に映し出され、男性を襲って鏡の中に引きずり込んでいく。

 

「なんだよ…あれ…ちょっと!? 今、人が…」

 

慌てて呼び止めようとするが、他にも何人か通行人は居るが、誰もそれに気が付いた様子はなかった。鏡の中に引きずり込まれた男性も巨大な蜘蛛の化け物の存在にも。

 

どう言う事なのかと言う疑問を抱きながら別の場所へと視線を向けると、一人の女性が歩いていく。そして、歩き去った場所のショーウィンドに三体…人型をしたイモリの様な怪物『レッドミニオン』が映る。

 

統夜がそちらへと近づきながら目を凝らしてみていると、鏡の中から三体のレッドミニオン達が飛び出して女性の後を付けていく。

 

女性の歩く先にある捨てられたテレビの画面にもレッドミニオンが映し出され、その中から這い出す。

 

そして、レッドミニオン達はゆっくりと女性の背後から近づいて行く。

 

「おい!!!」

 

「私?」

 

「あっちに行け!」

 

統夜は自分と女性の間に居る二体のレッドミニオンを見ながらレッドミニオン達に向かって叫ぶ。

 

「貴方…誰と話してるの?」

 

化け物が目の前に存在しているにも関わらず女性は疑問を浮かべながら、統夜へと問い掛ける。

 

「いいから、早く逃げろ!」

 

「ええ…そうするわ」

 

疑問が尽きない様子で統夜の言葉に答える女性。そして、二体のレッドミニオン達は統夜へと襲い掛かる。

 

「おい! 早く逃げろ!!!」

 

「ちょっと、どう言う事?」

 

レッドミニオン達の攻撃を避けながら、その間を潜り抜け、統夜は女性の手を引きながら、その場から走って逃げ出す。

 

角を曲がった先に現れるのは新たなレッドミニオン、引き返そうとするが後ろからは二人を追いかけてきた先ほどの二体が追いついてきた。

 

「くっ!」

 

「キャア!」

 

慌てて女性を突き飛ばし三体のレッドミニオン達に襲いかかられる統夜だが、二体の攻撃を避けた所で、三体目の蹴りを腹に受けてしまう。

 

「ゲホ…」

 

咳き込みながら、次の攻撃を避けて1体を殴り飛ばした所で別の固体に背中を蹴られる。慌てて其方の方を向いた所で、振るわれた腕を避けて蹴るが反撃とばかりに蹴り返される。統夜はレッドミニオン達相手に三対一と言う状況で格闘を続けている中、先ほどの女性はそんな統夜の姿に戸惑いながら後ずさる。

 

後ずさりながら、後ろに立っていた四体目のレッドミニオンにぶつかって振り向くが、まるで『何も居ないように』不思議そうな顔でレッドミニオンの顔を眺めている。

 

「キャア!」

 

首を傾げながら振り向いた所でレッドミニオンに肩を捕まれる。そして、暫く三体のレッドミニオン達と格闘を続けていた統夜が投げ飛ばされ、背中から廃材に叩き避けられる。

 

「グ…アァ……」

 

「キャァァァァァァァァァァァア!!!」

 

痛みに耐えながら悲鳴の聞こえた方向に顔を向けると、そこには先ほどの女性が鏡の中に引きずり込まれようとしていた。

 

「キャァァァァァァア……!」

 

そして、何も無かったかの様に女性と怪物の姿は消えうせていた。

 

「…助け…られなかったのか?」

 

統夜が悔しげに拳をアスファルトの地面に叩きつけると、突然、レッドミニオンが鏡の中から何者かに追い出されたように飛び出して地面を転がる。

 

続いて先ほどの女性を抱き抱えてサングラスをかけた男が鏡の中から出てきた。男は女性を下ろすと統夜を襲っていた三体のレッドミニオン達を睨みつけ、ゆっくりと歩いていく。

 

男は的確にレッドミニオン達の攻撃を避けながら時にパンチを打ち込み、時に強く蹴り飛ばしていく。そして、男に倒されたレッドミニオン達は消え去っていく。

 

「ありがとう、助かった!」

 

「オレにデッキを渡すんだ」

 

礼を言って近づく統夜に男はそう告げる。

 

「カードデッキを寄越せ!!!」

 

「放せよ! なんだよ…あんた!?」

 

女性がカメラを取り出して二人を撮影している事にも気付かず、財布を落としたのにも気付かず、統夜は男から離れ、その場から逃げ出していく。

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

慌ててあの場から…正確にはレッドミニオン達を倒したサングラスの男から逃げ出した統夜が街を歩いていると再び音が聞こえる。

 

周囲を見回しながらポケットの中からカードデッキを取り出すと、カードデッキから青白い光が放たれる。

 

「カードデッキが? っ!?」

 

後から何かが動く音を感じて慌てて振り返るとそこには…正確にはガラス張りになったショーウィンドの中に統夜の身長よりも巨大な蜘蛛の怪物・ディスパイダーが真後ろに存在していたのだ。

 

「う…うわぁ!」

 

統夜を連れ去ろうと振るわれる爪を避けた時、近くに停めてあった車に背中を預ける形となってしまったと思った瞬間、プールにでも飛び込んだ様に何の抵抗も無く、その中へと飲み込まれてしまった。

 

「ったく」

 

そんな統夜に対して先ほどの男が呆れた様に呟く。

 

 

 

 

 

「え…おい!?」

 

銀色の空間を流される様に何処かへと運ばれている感覚を覚えながら戸惑っている統夜の体を青い光が包み、銀色の装甲と青いスーツの『ブランク体』へと変身させる。

 

先ほどの街とは違う場所に停めてあった車から飛び出して鏡の中の世界『ベンタラ』に飛び出し、地面を転がるブランク体の統夜に反応し、ディスパイダーがその巨体を彼へと向ける。

 

「え? なんだよ…これは!? ここは!?」

 

腕には手甲型のカードリーダー『ライドバイザー』を装備したブランク体の姿の自分に戸惑いながら周囲を見回していた統夜の視界の中にディスパイダーの姿が映る。

 

「う…うわぁぁあ!!!」

 

先ほどのレッドミニオンとは迫力が違う怪物であるディスパイダーの姿に恐怖を感じて、慌てて逃げ出す統夜。

 

 

 

 

 

地球…

 

先ほどの場所で男は統夜の物と似た…いや、唯一の違いは蝙蝠を思わせる金のエンブレムが刻まれた所であろう、それを取り出して鏡面へと向ける。

 

そして、男の腰にベルト『Vバックル』が現れ、

 

「KAMEN RIDER!」

 

バックル部分にそれを刺し込み銀の装甲とダークブルーのスーツの騎士『仮面ライダーウイングナイト』へと変身し、鏡の中に飛び込む。

 

 

 

 

 

ベンタラ…

 

「はぁ…はぁ…」

 

統夜はディスパイダーから必死に逃げている。時折後を振り返りながら、背後から迫ってくる死の気配から逃れようと足掻いていると、ディスパイダーは壁を這いながら統夜の前へと回り込む。

 

慌てて後に逃げようとした統夜を前足の一本で殴り飛ばし、近くにあった一番上の看板へとぶつける。そのまま下に有る看板にぶつかりながら、統夜の体は地面へと落ちる。

 

立ち上がろうとする統夜へと近づこうとするディスパイダーをウイングナイトを乗せたアドヘントサイクルが跳ね飛ばす。

 

「今度は、なんだ!?」

 

そして、アドベントサイクルが停車するとその中から蝙蝠の意匠を持ったダークブルーの騎士ウイングナイトが現れ、ディスパイダーと対峙する。

 

「誰なんだ?」

 

ウイングナイトの上空を彼のアドベントビースト『ダークウイング』が飛翔し、ウイングナイトはディスパイダーに注意を向けながら、統夜へと振り向き、

 

「オレにデッキを渡さないからだ」

 

そう告げる。

 

「あんたは、もしかして、さっきの…」

 

その声には聞き覚えがあった。目の前の仮面の男は化け物ではなく人間だという事実が統夜に微かな安堵を与えていた。

 

ウイングナイトはダークバイザーの鍔の部分を展開させ、ベルトに装着されたカードデッキから一枚のカードを抜き出し、それを装填する。

 

 

SWORD VENT

 

 

電子音が響くと共にウイングナイトはダークバイザーを腰へと収め、上空から現れた槍『ウイングランサー』をキャッチして、

 

「下がってろ」

 

ディスパイダーへと立ち向かう。

 

「はっ!」

 

ディスパイダーの振るう足をウイングランサーで弾き、足で防がれるが確実にディスパイダーへと斬撃を浴びせていく。

 

「ああやって戦うのか?」

 

自分のベルトにもカードデッキが有る事に気が付くと、なんとなく一枚のカードを抜き出す。それに反応するようにライドバイザーの上部がスライドし、カードを差し込む部分が現れる。

 

 

SWORD VENT

 

 

そこにカードを収めると自動的にライドバイザーの展開した部分が元に戻り、電子音が響き渡ると同時に上空から一振りの剣『ライドソード』が振ってきて地面に突き刺さる。

 

呆然と思わず上空を見上げるがそこには何も無い。

 

「何処から降ってきたんだ?」

 

統夜が戸惑っていると、ウイングナイトがディスパイダーの足の一つに弾き飛ばされ、そのまま距離を取った。

 

統夜はそれを見て意を決すると地面に刺さっているライドソードを抜く。

 

「(間違いない…本物だ!)う…うぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」

 

両手でそれを握りながら統夜はディスパイダーへと向かっていく

 

「おい、待て!」

 

ウイングナイトの静止の声を背中に受けながらディスパイダーの振り上げた足と、統夜の振り下ろしたライドソードがぶつかり合う…

 

ガキン!

 

「折れたぁ!?」

 

…事もなく簡単に折れた。それはもう、人間がお菓子でも割るように簡単に。

 

『アホか?』とでも言いたげに前足でウイングナイトの方へと殴り飛ばすディスパイダーと、

 

「邪魔をするな!」

 

ウイングランサーの石突の部分で横へと殴り飛ばすウイングナイト。統夜はそのまま近くの壁へと叩きつけられる。

 

そして、ウイングナイトは新たに蝙蝠の絵が書かれたカードを取り出し、ダークバイザーへと装填する。

 

 

ATTACK VENT

 

 

電子音と共に上空から飛来するウイングナイトのアドベントビースト『ダークウイング』。ダークウイングはそのまま高速の体当たりをディスパイダーへと放つ。

 

そして、トドメを刺さんとウイングナイトはカードデッキに有るものと同じエンブレムの描かれたカードを抜き出し、ダークバイザーへと装填する。

 

 

FINAL VENT

 

 

「はぁ!」

 

響き渡る電子音はモンスターに最後を告げる宣告とも言える音。ウイングランサーを構えて走り出すウイングナイトの背中からダークウイングが現れ、背中に装着されマントとなる。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

そして、ディスパイダーの前で空高く跳躍し、マントがウイングナイトの全身を包み込み、真上から回転しながらディスパイダーへと突き刺さる。それが、ウイングナイトの必殺技『飛翔斬』。

 

ファイナルベント・飛翔斬の直撃を受けたディスパイダーはそのまま爆散する。

 

「やった…。」

 

呆然と呟きながらも、統夜は立ち去ろうとするウイングナイトに近づいていく。

 

「ちょっと待ってくれ、ここは何処なんだ!? それに、あんたは一体!?」

 

「説明している暇はない。ここを出るぞ」

 

「ここ? ここって…?」

 

「危ない!」

 

疑問に答えるよりも早く、ウイングナイトは統夜を突き飛ばし、自身も離れる。今まで二人が立っていた場所(ややウイングナイト寄り)に火炎弾が打ち込まれたのだ。

 

「うわぁ!?」

 

「あのドラゴンか」

 

そう言って向けたウイングナイトの視線の先には黒い爆煙で遮られながらも、その存在感を偉観なく発揮する一匹の赤い龍が存在していた。

 

―統夜、ドラゴンを恐れるな―

 

「またか? 誰なんだよ!?」

 

上空で威嚇する様に咆哮を上げる龍。ウイングナイトと統夜は急いでその場から走り出す。

 

「ここを出るぞ!」

 

逃げる二人へと向かって上空で龍…ドラグレッダーは咆哮を上げながら、二人へと火炎弾を放ち、(主にウイングナイトの)近くに停めてあった車を炎に包み破壊する。

 

「なんでオレを追ってくるんだ!?」

 

(気のせいかウイングナイト側に集中した)火炎弾による爆撃を受けながらそう叫ばずに入られない。

 

「早く!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

これが、統夜と彼のアドヘントビースト『ドラグレッダー』と彼の師で有り戦友である異世界『ベンタラ』の騎士『レン』こと『仮面ライダーウイングナイト』との始めての出会いであった。

 

 

 

 

 

 

現在…機動六課

 

「これがオレのライダーの力との出会いだ。そして、オレはこの後、ドラグレッダーと契約して、ドラゴンナイトになって、戦う事を決意したわけだ」

 

一通り話し終えると、統夜は全員を見回す。

 

「その騎士はレンと言うのか…戦ってみたいな」

 

「…はぁ…この戦闘狂バトルマニアが」

 

目を輝かせてレンと一度戦ってみたいと言うシグナムとそんな彼女に呆れた様に呟く外見だけなら年少組なスターズ分隊副隊長のヴィータ。

 

「ちょっと、酷いかな…そのレンって人」

 

「口下手なだけだ。フェイトも一度会って見れば分かるけど、いい人だぜ、レンさんは。それにあの時はオレを助けようとしていた訳だし、無謀な行動で危険に晒しただけだ。酷い言い方されても仕方ないさ」

 

話の中のレンを咎めるように呟くフェイトの言葉に対して統夜はレンに対するフォローを入れる。

 

「統夜くんにもそんな頃があったんやなぁー」

 

「でも…それって…」

 

「「ドラゴンナイトになった時の話やないやん(じゃないと思います)」」

 

はやてとティアナの二人にはそう突っ込みを入れられる統夜。

 

「うぐぅ…」

 

「それに、私も統夜さんとレッダーさんがどうやって契約したのか気になります」

 

キャロにそう言われるが、ドラマチックな事など何一つ無い。

 

「じゃあ、話してくれるかな? その時の話」

 

「お願いします、統夜さん!」

 

ニコニコとした笑顔でお願いするなのはと期待する瞳で統夜を見上げるスバル。助けを求める様にフェイトの方へと視線を向けるが…。

 

「私からもお願いできるかな、統夜?」

 

逃げ道は塞がれた。最近、フェイトに頼まれるとイヤとは言えない自分に自覚しつつ溜息をつく…。

 

「はぁ…仕方ない…」

 

そして、統夜は語り始める。ドラゴンとの契約に繋がるドラゴンナイト誕生の物語の後半部分を…。








 

 

 

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