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*月○日月曜日
季節がめぐること運動の秋。
小学校の一大イベント、「運動会」の日が近づくごとに活気付く校舎。
なんでも今年は学年ごとに応援合戦が行われることが伝えられること本番当日六日前。
すでに1週間を切っている。
あの独身教師はなにをやっているのだろうか。
聞くところによるとそのお知らせ自体は1ヶ月前には告知されていたらしい。
ただでさえ初の運動会でどういうことをすればいいのか分からないのに準備期間が残り3分の1どころか1週間切っているとか鬼畜過ぎる。
おまけにあの独身教師は学年担当でうちのクラスから担当を出すことが決まっていたくせに今の今まで忘れていて今日になってようやく隣の教師に言われて思い出したらしい。
普通ならここで独身教師が責任を取って振り付けや歌などを考えるのだがあの不良教師、なぜか勝手に俺に任命した上に本人は明日から運動会前日まで出張らしい。
もちろんこの出張も事前に決まっていたもの。
本人はこれらのことを帰りの会でさらりと告げるとすぐにエスケープしてしまった。
あまりのことに数分呆然として慌てて職員室に抗議に行くと不良教師はすでに明日の出張のために帰ったといわれた。
そっと肩に手をおいて慰める隣のクラスの先生の気遣いが痛かった。
とりあえず、今日はこの辺できって応援合戦用の歌を考えようと思う。
*月%日水曜日
休み時間に3人と集まって不良教師を罵ったあと歌をなにをしようか相談する。
早く決めないと練習もできないし時間もないということで案を出そうとするがいい案は出ずに焦りばかり募る。
放課後にもなっても話し合いは続くがよい案が出ずにいらいらしているところで金髪ちゃんが急に立ち上がって苛立ちを誤魔化す為か机を叩こうと腕を振り上げたところで天啓がひらめいた。
あの曲なら短時間でも歌い手の自分さえできてしまえば少しの練習とノリでみんなできるはず。
感激のあまりおもわず金髪ちゃんに抱きついてしまったが不可抗力だ。
そのまま振り上げた手で殴られてしまったが。
天啓はひらめいたがその曲自体はここになければリリースどころかこれから出るかも分からない曲。
家に帰り、歌詞を思い出して運動会用に歌詞を変更して紙に書き出し、父さんに相談するために父さんの帰宅を待つ。
帰ってきた父さんの荷物を持ち、一緒にお風呂にはいって背中を流し、食前のビールを注いで(母さんが指を銜えてみていたが)早速お願いする。
自分が歌うから耳コピできないかと。
父さんはいきなり作画崩れで「何を隠そう私は耳コピの達人だぁぁぁぁ!!!!」と叫んでギターを持ってきてさあカモンというので早速お願いした。
そのまま調子に乗ってしまって朝になってしまったが流石達人というだけあって曲の作曲は終わってしまった。
父さんはそのままナチュラルハイのままで出勤してしまった。
俺は夜更かしして頑張ったせいで火曜日の分の日記もかけず、午前の授業中もほぼ寝て過ごしてしまった。
ちなみに今日の日記は昨日の分も含めている。
お昼休みに金髪ちゃんに授業中寝てしまったことに対する説教をお弁当を食べながら聴いて、作曲作詞は終わって音楽を作るところと告げようとしたところで校内放送で俺が呼ばれた。
呼ばれるままに職員室に行くとなぜかそこには血走った目の母さんがいて手にはCDを持っていた。
なんでも父さんばっかりかまわれて?いて父さんが羨ましかった母さんは家に残ってた楽譜を頼りにお得意のPC技術を使って電子音源で再現してしまったらしい。
母さん、何気にあんたすげぇよ。
ていうかアンタ元グラビアアイドルだろ。
イメージがあわなすぎる。
それはそうとさっそく音源を借りて聞いてみると突貫作業による雑さはあったが一回きりである運動会に使うには十分すぎる完成度だった。
改めてお礼を母さんに言って(帰ったらご奉仕フルコースね♪とか言われたが)さっそく教室に戻り、代理の先生に言って1年生を集めて練習。
みんなの振り付けは簡単でノリもいい歌だったのですぐに受け入れられて段々調子も合ってきた。
これなら運動会にも間に合うと思う。
ちなみに帰ってきた俺を待っていたのはお風呂の入る準備完璧な超絶ニコニコ顔の母さんだった。
*月▲日木曜日
練習もなかなかうまくいきそうなので、独身教師の復讐をこめてサビの部分を一部変更する。
うむ、我ながら良いでき。
金髪ちゃん達にも大好評。
みんな元ネタも知らずに歌ってくれる。
元ネタを知ったときの反応が楽しみでもある。
懸念も晴れて運動会の練習も絶好調だった。
楽譜を残しておいてバンドを組んだらみんなで歌ってみたいと思う。
そういえばほかのライブ曲もがんばれば再現可能かもしれない。
これが終わったらまた父さんに耳コピを頼もうかと思う。
*月◎日金曜日
今日は翠屋でお茶をいただいた。
相変わらずおいしいケーキとシュークリーム。
将来やるバイトはこの喫茶店でやりたい。
もちろん余ったケーキ&試食狙いで。
そんなこといっていたらそのうちうちでお手伝いという名のバイトをやるかといわれた。
もちろんやりますと即答した。
なんでも高町のお母さんは本場で修行したプロパティシエらしいし、お菓子も嫌いじゃない。
いまからお菓子作りにチャレンジして本格的にパティシエを目指すのもよいかもしれない。
そしてゆくゆくはチーフパティシエとして翠屋に入・・・(グチャグチャと無理やり消した長い跡)。
とりあえずなにが言いたいのかというと翠屋のケーキとシュークリームは絶品だということだ。
*月$日土曜日
今日は電気屋さんへお買い物。
明日の運動会に備えてビデオカメラを買いに行くらしい。
なんというホームドラマ。
父さんは無駄に多機能なものを、母さんは無駄に高性能なものを持ってきた。
父さんと母さんの討論は非常に長くなりそうでそこらへんをうろうろしていたらそこには高町家を引き連れた高町が。
高町のお父さんとお母さん、それに美由希姉さんに挨拶をして今日はどうしたのかと聞くと高町家も明日の運動会のためのビデオカメラを買いに来たらしい。
そして高町家はおとうさんは多機能なものを、高町は高性能なものを。
そのまま我が家の両親も交えて討論に走ってしまった。
途方にくれた俺は一緒に来ていた高町のお母さんと美由希姉さんと近くの喫茶店でお話しへとしゃれ込んだ。
お話の内容は学校での話や勉強のこと、翠屋で将来バイトで雇ってくれることのはなしなど、とっても楽しい時間をすごせた。
まさに両手に花。
片方は人様のだが。
ちなみにビデオカメラは3時間の討論の末高性能なビデオカメラに決定したらしい。
世の中女性のほうが機械にも男にも強いらしい。
*月!日日曜日
待ちに待った運動会。
やっほーと顔を出した独身不良教師に昨日の晩作ったハリセンをかます。
睨まれたが自業自得だと返してやったら罪悪感があったのか黙ってしまった。
そして運動会も始まった。
かけっこに玉いれ、綱引き。
どれも頑張った。
高町はかけっこで期待通りにこけた。
月村は綱引きで一人で5人分の働きはしてたと思う。
金髪ちゃんは・・・まあ普通だ。
父さんと母さんはビデオで頑張って俺を取っていた。
二人の熱い視線ががっちりついて離れない。
その隣では高町のお父さんが新しいビデオで同じく穴が開くくらい高町を撮っていたし、そのまた隣では月村のお姉さんとメイドさんが一緒に観戦。
その反対では金髪ちゃんのお父さんとお母さんそれに執事さん?達が20台以上のカメラおよびビデオを構えていた。
金髪ちゃんは普通に堂々としていた。
金持ちは感性が違うのだろうか。
先生もなぜか頑張った。
他の教員の人になにか言われたのかもしれない。
そして今日の俺にとっての最大のプログラム、応援合戦。
ここは俺が苦心して頑張ったので実況形式で一部書き残しておきたいと思う。
専用の赤青のはっぴを着て壇に立ち、共に練習した金髪ちゃん達3人が1年生の列の前に立つ。
マイクを構え母さんが編集した音楽が流れる。
ちゃんちゃら〜♪
え?何?ふーみん?
ああ・・・ふーみんふーみん?
あんね、右腕をね、こう・・・振り上げるのね。
ちょっとやってみようか。いくよ?
ふーみん!ふーみん!
『ふーみん!ふーみん!』( ゚∀゚)o彡゜( ゚∀゚)o彡゜
もっかいもっかい!
ふーみん!ふーみん!
『ふーみん!ふーみん!』( ゚∀゚)o彡゜( ゚∀゚)o彡゜
そうそうオーケーオーケー!それじゃあいくよ〜!
ふーみん!ふーみん!
『ふーみん!ふーみん!』( ゚∀゚)o彡゜( ゚∀゚)o彡゜
ふーみん!ふーみん!
『ふーみん!ふーみん!』( ゚∀゚)o彡゜( ゚∀゚)o彡゜
『ふーみん!ふーみん!』( ゚∀゚)o彡゜( ゚∀゚)o彡゜
『ふーみん!ふーみん!』( ゚∀゚)o彡゜( ゚∀゚)o彡゜
『たすけてふーみぃぃぃぃん!!』
不良教師本名「香川文江」あだ名フーミンがなにやら叫んでいるが知らない。
やり方も分かりやすかった上にある意味有名人の独身先生のおかげでほぼ全校生徒がのってくれた。
今日の運動会で一番輝いてた一瞬だと思う。
運動会が終わった後でも俺か独身先生をみるたびにふーみんふーみん( ゚∀゚)o彡゜やってる人がいた。
恐らく当分の間はこれが続くだろう。
流石の独身先生も手を出せまい。
なにせ校長先生までやっていたからな。
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