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日本には千年を超えて伝えられ、進化してきた伝統の木造技術があります。
それは世界のどこに出しても恥ずかしくない素晴らしいものです。
しかし近年、こうした技術は日常的にはほとんど使われることがなくなり、
一部の特殊な世界に閉じ込められてしまっているのが現状です。
住宅はいつしか『つくる』ものから『買う』ものになってしまい、手キザミの技は伝承が途絶えかけています。
本当に私たちはこれを失ってしまって良いのでしょうか。
木を活かした家づくりには、長く伝えられてきた伝統技術が不可欠です。
また最近、さまざまな実験によって、伝統の技術の持つ深い知恵や高い性能が証明されてきています。
私たちはこの技術を“ふつうに”私たちの家づくりの中で使えるようにしてゆくべきではないでしょうか。
2010年12月
日本の林業の現場には、さまざまな問題が山積しています。人不足、資金不足、外材ばかり使う建設業界。
そして荒れてゆく山。
山の問題はそのまま環境の問題でもあります。
人が一度手を入れた山はちゃんと人が管理してゆかなければなりません。
きちんとした手入れ、計画的な伐採、新たな苗木の植林をしていかなければ、
CO2をちゃんと吸収する健康な森林には ならないのです。
里山では人もまた生態系の一部としてその役割を課せられているのです。
環境問題に対して私たちができることはたくさん有りますが、
中でも家づくりはかなり大きな影響を多方面に 与えるものです。
購買とはより良い商品に対する投票行動だ、という言葉があるそうです。
「良い」とはどういうことか、を私たちは考えなくてはなりません。
安ければ、便利なら、それが「良い」ことかどうか。
山の木の伐採から家づくりを始められる、というのは一つの贅沢に違いありません。
しかしそれは、けっしてお金持ちにだけしか許されない贅沢ではありません。
ゆっくりと時間をかける、という贅沢はお金のかけ方を少し変えるだけで手に入れられるものです。
2010年1月
2009年が始まって1ヶ月がたちました。
オバマ新大統領はグリーンニューディールを打ち出し、
これまで環境問題に後ろ向きだったアメリカが変わろうとしています。
これで世界の潮流が大きく変わってくれるといいな、と少し期待しています。
自然と共生できる文明にシフトできて、人類に豊かな未来が見えてくるといいなと思っています。
今、世界は未曾有の経済危機の中にありますが、でもこういう機会にあらためて考えてみましょう。
私たちは『豊かさ』というものをはき違えていたのではないか、と。
とにかくモノが豊富なこと、とにかくスピードが速いこと、とにかく他人よりリッパに見えること…。
そんなことが本当に『豊かさ』でしょうか?
日本が『経済大国』と言われるようになってからずいぶんになります。
その間に建設された住宅の数は3000万戸を超えます。
しかし、町並みを見回してみてください。
「豊かだな」と思える住宅がどのくらいありますか?
豊かさとはなんでしょう。
それは少なくとも、モノやお金の『量』ではないと思います。
もちろん、最低限の量は必要でしょうが、
それは今の日本人がやっているような『浪費』とははるかに縁遠いものです。
浪費しながら、なぜこんなに貧しいのでしょうか。
それは生活文化の貧しさからきていると思います。
文化、といっても身構えるようなことではありません。
冬場の今でも実や花をつけている草木はあります。
道端の雑草だって枯れ残った姿の良い穂をつけたものもあります。
それらをお気に入りの一輪差しに飾る。そのことにお金は1円も要りません。
私の家には暖炉がありますが、薪をくべて、ただじっと炎を見つめているだけの時間は、
わずかに20~30分のことであっても満ち足りた豊かな時間です。
豊かな住宅。それは決してお金をかけた家のことではないでしょう。
豊かさとは何か、を知っている者だけが手にすることのできる住宅のことだろうと私は思います。
2009年2月
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