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「メロリンプリンセス号なんと予想だにしない奇跡の大幅リード!!無敵のキューティーワゴン敗れてしまうのか!?
…いや負けてはいないよ!魚人の筋力にサメの尾ヒレでエンジン倍速!サンゴを砕いて波をいとわず追いかける!」
未だに復活していないを乗せたまま進む船の前に看板が見えた。
”ドーナツレース右へ”とやじるしの書かれた看板だ。
「コース指示よ。よーし次は右ね♪
……ってひっかかるかぁーっ!!
」
ナミが看板を拳でへし折った。
岸では敵船の船長がえらくショックを受けている表情で驚いていた。
何故バレたんだとでも言いたげな表情だ。
「ナミ…強いじゃないか」
「ええ本当ね」
「うっさい!」
「何と破れた!!オヤビンの十八番”ウソ指示大作戦”!これは手強い!
この世の全てを信じない女なのか!?
」
「うるさいわねアンタ!!」
「口も悪い!」
上空から実況を続ける男にナミがキレた。
そうこうしている間にも今度はあちらこちらで水柱があがり船の行く手の邪魔をする。
その少し先の岸で今度はおばあさんの変装をした敵船の船長と船員が何やら演技をしていた。
どうやら行き倒れになりそうなおばあさんとその子供だか孫だかの設定らしい。
「いいのか?かまってやらなくて」
「そんな暇ないわよ!
バカは放っておきなさい!!
」
「三度襲うオヤビンの魔の手!
……完全に無視!!
血も涙もない女!航海士ナミ!」
「あんたうっさいのよっ!!ひっかかるかぁっ!!」
「あ、ナミ。前方にまた」
GOALの文字が書かれたゲートが前方に見えた。
「追い上げてきたキューティーワゴン!第一回戦ドーナツレース!勝つのはどっちだー!?」
「、さっきの指パッチンして」
「はいはい」
完全にムカついているらしいナミの言葉には再び手袋を取り出して指で弾いた。
の指からはじき出された炎でGOALと書かれたゲートは真ん中から折れ小規模の爆発を起こす。
岸ではまた敵船の船長がショックを受けていた。
「見破られた!ウソゴール大作戦までもが!手強い!手強すぎる!ここで彼女に問いたい。
”信じる心”って何ですか?
」
「知るかっ!!」
「既に外道!そして同時にここで悲劇!ポルチェちゃんチーム、ニセゴールで止まってしまったー!純粋な気持ちが眩しい!
でも違うよ気づいてポルチェちゃーん!!」
「ホントバカばっかり!こんな奴らに負けたら恥ずかしくて生きていけないわ!」
「おまけに仲間を取られるのよね」
「あれがあいつの生きがいなんだろうからやらせてやれ。バカな事はこちらには有利だろう」
完全に苛々しているナミに冷静なロビンと。
「そしてさしかかるのはロング竹林岬!ここを超えるとゴールは目前!スパートだよー!」
「本当だ!ゴールが見える!」
「でも後ろが追いついてきたわ」
偽者のゴールにようやく気づいたらしいキューティーワゴン号が猛スピードでこちらへ向かってくる。
メロリンプリンセス号のすぐ脇に見事な竹が何本か生えているのを見たナミはニヤリと笑った。
そしてその先には本物のゴールが見えている。もうすぐこの戦いにも幕が下りるのだ。
「スピードじゃ敵わないわよ」
「…あれ!あの竹倒せる?」
「竹?…ああ、そういう意味か」
ナミの言いたい事を理解したは即座に頷いて指先に力を込めた。
が指を弾くと火花が散り竹が根元付近から海へ向かって倒れていく。
「もっともっと!沢山倒しちゃって」
「ナミ、人遣いが荒い」
「いいから早く」
後ろから追い上げてきたキューティーワゴンはが折った竹に直撃してしまい一瞬進行が止まった。
さすがにあちらも焦ったのかポルチェがバトンを振りかざす。
するとバトンからバラの花が無数にメロリンプリンセス号向かって飛んできた。
とロビンも応戦するが、幾つかがメロリンプリンセス号の船体に当たってしまい船体に突き刺さった。
「大変っ!船に穴が!」
「平気!持つわよ。見て、もうゴールは目の前!逃げ切れるわ!お願い!」
「了解」
が羽を出し船の縁を押して猛スピードでゴールへ向かって進んでいく。
それを後ろからこちらも猛スピードで追いかけてくるキューティーワゴン。
もう二隻の差はほとんどなかった。
「達が勝ってるぞ!」
「んナミさぁーん!ロビンちゃーん!ちゅわぁーん!スピーディな君達も素敵だぁー!」
岸からサンジとルフィの声が聞こえてきた。
もうゴールまでは後数mだ。
その時今まで悉くおかしな攻撃(?)をしてきた敵船の船長の声が響いてきた。
「おい!おめェらてこずらせてくれたな!」
「またあいつ」
「危ないな」
「え?」
敵船の船長を見たの顔が一瞬歪んだ。
「あんなアホでも仮にもあの大きな海賊船の船長だ。それに周りのギャラリーは全然焦っていない」
「本当ね」
「何か、秘策とかあるんじゃないか?」
「まさか。あんなのにある訳ないわよ」
「オヤビンも同じ悪魔の実の能力者なんだよ」
ギャラリーの一人がそれを言った瞬間、敵船の船長の声が響いた。
「ノロノロビーム!!!」
敵船の船長の声が聞こえた瞬間には体に違和感を感じた。
(何だ?この感覚は…。妙に体が動くのが遅い気がする)
は視線をナミとロビンに向けた。
二人とも動きが妙に遅く驚いた表情をしている。
風も波も全てがスローモーションのように感じた。
そして、無常にも達が異常事態に陥っている間に、キューティーワゴン号が先にゴールをくぐってしまう。
「
勝者!キューティーワゴン号!!
デービーバックファイト一回戦ドーナツレースを制したのは!!我らがアイドルポルチェちゃーん!」
「いやん、ありがとうみんな!」
「これでまずは船員一人いただきだぜェ!!」
「ポルチェちゃん最強ー!!」
「ギャハハハ!誰もこのフォクシー海賊団に敵わねェのさ!!」
突然起こった現象に麦わらの船員たちは全員驚きを隠せなかった。
つい数秒前まで、ゴール寸前までは確かにメロリンプリンセス号がリードしていたのだ。
それが突然スローモーションになってしまったかのように減速し、キューティーワゴン号に抜かされてしまったのだ。
「ホイホイホイホイフェッフェッフェー!!さぁー差し出してもらうぞ、
おめェらの仲間一人をよォーーう!
」
07.03.23
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