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!!しっかりしろ!!」
「…トニー…?ナミは…?」
「わからないけどいないみたいだ!!とにかくおれ達もここから出ないと!!」
「あぁ…っ!!」


が気がついた時既にそこにはルッチ達の姿もナミの姿もなくなっていた。
チョッパーが瓦礫の下に埋もれていたを助けてくれたらしい。
しかしもチョッパーも共にひどい傷で意識を保っているのもやっとの状態だった。
だが、そんな事を言っている暇はない。
もう火の手はここまで回ってきてしまっている。
引き裂かれるような痛みを訴える体に鞭打っては体を起こした。

体を起こしたの目に映ったのはロープでぐるぐる巻きにされたアイスバーグとパウリーの姿だった。
すぐ近くではアイスバーグのペットのねずみが心配そうにアイスバーグを見つめている。
ふらつく足取りでは二人へ駆け寄るが二人の意識は既になく、失神しているようだった。
傍にいたねずみを自分の胸ポケットへ入れるとはねずみの頭を撫で笑った。


「大丈夫だ。ご主人様と彼を必ず助ける。トニー!!」
!!どうするんだ!?」
「二人を背に乗せられるか?」
「わかった!!」


チョッパーの背にアイスバーグとパウリーを乗せが上から覆いかぶさる様に乗る。
そして両指に錬成していた鋭く細い刀を棒状の物質に錬成し直しチョッパーの腹の下できっちりとかみ合わせた。


「トニー、彼らのロープをしっかりとくわえていてくれ」
「うん!!」
「私が羽を出して飛ぶ。だがとてもではないが全員を抱えて飛ぶ事は出来ない。ゆっくり降下するんだ」
「わかった!!」
「では行くぞ。1、2の3で飛び降りる」


チョッパーが窓に足をかける。
そしてに振り返って頷いた。
もチョッパーを見て頷き返す。


「「1、2の3っ!!!」」


の背から白い大きな羽がふわりと生え大きく羽ばたく。
激しい炎が踊り火の粉が舞い散る。
外の風は屋敷に侵入する前よりずっと強くなっており嵐を想像させる強風が吹き荒れていた。
さすがに大の男2人と大型になっているチョッパーを抱えるのは想像以上にきつい。
の腕が悲鳴をあげるが離してしまえば全員がお陀仏だ。


「トニー」
「どうした
「人間誰しも限界があるものだと思わないか?」
「え?」
「疲れた」
「え!?…ぎゃあああああ!!!


地上まで後半分以下となった所でふいに落下速度が速くなる。
の羽の動きが急激に弱まったのだった。


「お…落ちるぞ!!」
「ああ、だがもう…トニー、気合いで頑張れ


チョッパーの鼻先にぬめりを帯びた生暖かい液体が垂れてきた。
その匂いは既に嗅ぎ慣れた鉄くさい独特な匂い。
の血だった。
無理やり首をひねってを見ればの背には大きな鉄の棒が刺さっているのが見える。
おそらく落下中に上から崩れて落ちてきたものが刺さったのだろう。


!?大変だ!!」


もう地上は目の前に迫っている。
覚悟を決めたチョッパーは足に力を入れ落下に備えた。
燃え盛る炎の中、チョッパーが地上に到着する。
ぐっと踏みしめた大地の感覚、飛び降りた事による衝撃は物凄いものだったがチョッパーは3人を背に乗せたまましっかりと地面に立った。


「トナカイ!!」
「アイスバーグさんと…パウリーさんに海賊の女を背負ってるぞ!!」
「やっぱりまだ中にいたんだ!!じゃあルッチさん達は一体!?」


船大工達が騒ぐ中チョッパーは数歩ふらふらと前へ進み出る。
目の前にいるナミと背負っているを治療しなくてはと動いたが、次の瞬間チョッパーは意識を失って崩れ落ちた。
チョッパーが倒れた事で船大工達は更に慌ててアイスバーグ達に駆け寄った。


「す…すぐに手当てを!!」
「すごい火傷だ!!」
「おい!このトナカイどうする!?」
「そいつもだ!!命の恩人だぞ!」
「あとこの女とむこうの女もだ!!」
「こっちの女、ひでェ傷だ!早くしねェと死んじまうぞ!!」


船大工達がナミとチョッパーとをそれぞれ抱き上げ建物から離れていく。
の背からは既に羽が消えており背中に刺さっている鉄の棒が痛々しい。
治療しようとの背から鉄の棒を引き抜いたその箇所は血で濡れているはずだった。

だが船大工達の目に映ったの背中の傷からは血ではない赤く光る何かが見えていた。


「何だ!?」
「わ…わかんねェよ!!」
「…あー、痛かった」
「「うわぁあ!!!」」


今まで気を失っていたはずのが突如パチリと目を開き船大工達を見て口を開いたのである。
これには船大工達も驚いて目を見開くとから数歩下がって恐れるようにを見つめた。


「あ、あんた大丈夫なのか!?」
「かすり傷だ」
「「そんな訳ねェだろ!!」」
「ちょっと死ぬかと思った」
「「当たり前だ!!」」
「ノリがいいな、さすが船大工だ」
「「関係ねェだろ!!」」


乾いた笑いを浮かべて息を吐くだったが傷が治ったわけではない。
依然重症には変わりないのだ。
は一番近くにいた船大工を見つめて口を開く。


「トニーとナミ…トナカイとオレンジ色の髪をした美人とアイスバーグさんとパウリーは?」
「あ…ああ!無事だ!!お前の仲間の女とトナカイも!」
「そうか。良かった」


船大工の言葉を聞いたは小さく微笑むと震える両手を合わせて自分の体に置いた。
の両手が触れた部分から淡い光が溢れは苦しそうに顔を歪める。
光が消えた瞬間、船大工達は自分の目を疑った。
の体にあった傷は塞がり流れていた血が止まっていたのである。
苦しそうな息を吐いてはいるものの状態は先程よりずっと良い。


「あんた…一体!?」
「久々にやるとキツイな。思ったより負担がかかる…」


船大工達がに起こった現象に驚いていた時、他の船大工の声が響いた。


「アイスバーグさんの意識が戻った!!」
「よかった!よかった無事で!!」
「あのトナカイ達のおかげだ!!」
「だがありゃ麦わら達のペットらしいぞ…」
「おい!!こっちもだ!!女が目を覚ました!!」
「あんた!そんなにすぐ動いちゃ…」


声が響いたと思った瞬間、座っていたの背後に誰かが飛びついた。
その重みと衝撃によりは痛みで顔を歪めながら前のめりに倒れる。


!!」
「…ナミ。よかった無事で…」
「あんたもう本当に!!心配かけないでよ!!」

「あ!!ちょ…アイスバーグさん!!まだ動いちゃ!!」


船大工達の声にとナミが振り返るとそこには傷ついたアイスバーグの姿があった。
あちこちを血で汚しているもののしっかり立っている所を見ると命に別状はないらしい。


「お前らおれ達から少し離れてろ。この女達と三人で…話がしてェ…」








07.06.19

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