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ダメだ…
今私は今までにないくらいに、そうとてつもなく大きな壁にぶつかってる。
それは、十日後に迫った士郎の誕生日に何を上げるか。
ヴェルデに取りあえず来てはみたものの全く決まらず、休憩がてら近くの喫茶店に入っていた。
そもそも男の子がどんなプレゼントを貰ったら喜ぶか、なんて今まで一度も考えたことなかったし。
誰かに訊くか?
思い当たる男子…慎二却下、柳洞君却下ってよく考えたらこれだけしかいないし…
でもあの二人に訊けるわけがない。特に柳洞君なんかに訊こうものなら…いや、考えるだけで頭が痛い。
となると綾子、ダメだこんなこと訊いたらなんて言われるか判ったもんじゃない。同意で蒔寺もダメ。
桜、いやライバルの手の内を訊くなんてそんなことプライドが許さない。残るは、藤…考えるだけ無駄か。
そもそも士郎って何が欲しいんだろう。士郎がいつも使ってるもの…
エプロン?いや流石に誕生日プレゼントにエプロンはね…
工具セット?確かに喜びそうだけどいまいちな…
だめだ、普段の士郎からじゃそんなものしか浮かんでこない。
これもそもそも、あいつにこれといった欲がないからいけないのよ。
そうに決まってる。
「こんなところで、そんな顔をするでないせっかくの茶がまずくなるではないか」
この声は…あぁやっぱりか、声のした方を見ると予想通り生徒会長だった。
「あら、女の子に向かってそんな顔はないんじゃなくて?柳洞君」
「ふん、何が女の子だ女狐め。もうすぐ衛宮の誕生日おおよそよからぬ企みでも考えておったのであろう」
えっ、何で判るのよこいつ!?
「図星か。そのようなことだろうと思ったわ」
などと隣に座ってくるではないか。
「私の隣など嫌でしょう、他の席にお座りになったらいかがですか」
「しょうがなかろう、満席でここしかないのだ。他に空いておるなら誰が好んでお主の隣などに座るものか」
確かに店内は休日の昼間と言うこともあって満席。
今日に限ってカウンター席に座ったのが運の尽きか…
まぁいい、休憩もすんだしそろそろ出るかな。と、
「お主、まだ衛宮に付きまとっておるのか」
相も変わらずまたそんなことを隣の方は言い出した。
「あら以前士郎が言ったこと、お忘れになったんですか?なら言って差し上げましょう、彼は私から離れませんし、私も彼を離しません」
そう、私は絶対に士郎を離さない。離してくれって頼まれたってそう易々と離すもんですか。と。
「ふん、ならばあぁもあやつに心労をかけるな。怪しいのはいつものことだが、しかしここ最近のお主は明らかにおかしかった。それにあやつの心配のしようと言ったら…」
そう言うと、何かを思い出したようにため息をついてらっしゃる。
それにしても顔に出ちゃってたのか、やっちゃったな〜
でも、そっか士郎そんなに心配してくれてたんだ、嬉しい。
私のことを思って、心配してくれる。そのことがとても嬉しい。
士郎、心配させてゴメンね。その分しっかりと幸せにしてあげるから。
私がそう心に誓っているといきなり、これは独り言にすぎのだがなどと生徒会長さんは急に何やら話し始めた。
「認めたくはないが、あの女狐と一緒の時の衛宮は本当に幸せそうな顔をしておる。本当ならば無理矢理にでも引き離してやりたいのだが、ああも幸せそうなあやつの顔を見てはな」
そう言えば、確かに士郎が私たちの関係を告げて以来二人で居るとき柳洞君はほとんど口出ししてこなくなった。
まぁ士郎がいないと毎度のごとくこうして言ってくるけど。
「そういえば、小耳に挟んだのだがヴェルデの装飾店にあるBINARY
STAR(バイナリースター)なる首飾りの装飾物が巷の恋仲の者の間では人気だそうだ」
えっ!?
私はいきなりの話の方向転換と、その内容に一瞬全くついていけなかった。
「なんでも連星という意味で三つのリングから出来ており、二つの大きなリングが二つの星で恋人を、二つを繋ぐ小さなリングが引力でお互いを引き合う愛情や絆を、それぞれ表した物だそうなのだが」
「…柳洞君?」
「まぁ、衛宮とあの女狐の間にそのようなお互いを引き合う絆などありはせんがな。ましてや愛?そのようなものなどあるとは思えん」
そこまで言い立ち上がると、もし指輪など学校にしてこようものなら即没収してくれるわ。などと足早に店を後にして行った。
正直に驚いた。にしてもだ、あの生徒会長がアクセサリーになど興味があるわけがないし、自らこんなことしてくるとは思えない。と、なると誰かと…
誰か、いやこんなことするのは、
いや今はそんなことはいいか、でもありがとう柳洞君。それとこんなこと仕組んでくれたひとり者の誰かさん♪
喫茶店を出ると私はヴェルデの中にあるアクセサリーショップへ向かった。
確かにそこには柳洞君の言っていたネックレスがあった。
うん、これなら学校ではシャツの中に隠せるし士郎にも似合いそう。
私は迷わずそれを購入した。
「プレゼントでしたらこちらのギフトボックスにメッセージを入れることが出来ますが?」
そう言う店員のお姉さんは革張りの箱を見せ、もし入れるならと用紙を出してくれた。
聞くと一週間で出来るらしい、ギリギリ間に合うか。
私は紙に士郎への想いを書いて渡し、勘定を済まし店を出た。
よし!プレゼントは決まった。さぁ後はどうやって士郎に渡してやろう。
弾む心を抑え私は家への帰路についた。
後書き
ということで「NOW
& FOREVER 〜いまも、これからも〜 」前編でした。短くてすいません…
で、この話で迷ったのが
・士郎の誕生日にするか凛の誕生日にするか。→(悩む凛が決め手で士郎の誕生日に)
・誕生日プレゼントを何にするか。→(今回はBINARY
STARにしました。と言ってもBINARY STARと言う名のアクセははネックレスもあれば、指輪もありどうしようかと思いました。
ただ学校に指輪ってのはあれだし、指輪はどっちかというなら士郎から凛かなと。で今回はネックレスにしました)
・アドバイスくれるのを誰にするか。→(独り者さんwwだけってはあれなんで、一成を。彼もなんだかんだ言っても二人の幸せを願ってると思いますから。)
等々色々と…
おかげで何度も書き直したことか(苦笑)一部一成らしくないかもしれませんが許してやってください。
で、肝心のプレゼント。
後、今回のタイトルはある含みがあります(別に凄いものじゃないんで期待はしないでお願いしますww)
さぁどうなる士郎の誕生日!?凛のメッセージとは?後編は近々。
それでは読んで頂きありがとうございました。
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