「NOW & FOREVER 〜いまも、これからも〜 」後編

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…一睡も出来なかった。

士郎にどうやって誕生日プレゼントを渡したらいいか考えてたら結局寝れなかった。

とはいえ取りあえず学校へ行く準備しないと。

 

寝覚めの牛乳を飲み準備をする。

 

いつもの交差点で士郎を待って、そして一緒に登校する。

その間もいつ渡そうか考えているといつの間にか学校に着いていた。

 

「…遠坂」

 

下駄箱で士郎に呼ばれ振り向くと何やら真剣な表情。どうしたんだろう。

 

「帰りに時間もらえないか?話しがあるんだ」

 

話し?なんだろう、内容は気になるけどまさか士郎から時間作ってくれるなんて予想外。

でもちょうどいいし、

 

「いいわよ。じゃ帰りに」

 

そう告げて私たちはそれぞれの教室へ向かった。

 

昼休み、士郎は生徒会の手伝いで一緒に食べれないとだけ告げお弁当を渡すと生徒会室の方に向かっていった。

教室で食べようかとも思ったけど屋上で食べることにして、一角に座りお弁当箱を開こうとしたときドアが開いた。

 

「遠坂先輩ご一緒していいですか?」

 

桜?

 

「いいけけど士郎なら来ないわよ?」

 

「知ってます。さっき柳洞先輩と視聴覚教室の方に行ってましたから」

 

そう言うと。隣に腰を下ろしてきた。

それにしても、学校で桜と二人でご飯を食べる日が来るなんて想像もしてなかったな。

言うことなんて出来ないけど、こうして姉妹で昼食をとれるなんて嬉しい。

 

「今日衛宮先輩の誕生日ですよね。遠坂先輩プレゼント用意されてるんですよね」

 

まさか桜からこの話しを切り出してくるなんて予想外

 

「えぇ一応用意してるけど、そう言う桜はどうなの?」

 

「あっ私はケーキを。今日は夜お伺いできないので、朝に藤村先生と一緒に渡しました」

 

そっか藤村先生と朝にか、

って藤村先生何渡したんだろ、ちょっと気になるな、

 

 

「ねぇ桜、聞くんだけど藤村先生の渡した誕生日プレゼントって?」

 

「えぇ去年もでしたけど肩たたき券ですよ。ただ先輩曰く、使うと整体の真似事みたいになって、最後には新技の開発になるから使えない意味のないもんだって言ってましたけど」

 

あぁ、なるほどね。

 

そこで会話は途切れ二人とも無言で箸を進めた。

 

 

「でもこういう日がいつまでも続けば、いえ続くんだと思ってました」

 

 

いきなり、ふと呟くように言った桜の一言に私は何も言えなかった。

そう、桜からその続くはずだった日々を、ずっと恋心を抱いていた士郎を奪ったのはこの私…

 

 

「だから遠坂先輩と倫敦へ行くって聞いたときショックでした。正直先輩のこと恨んだんですよ。なんで私の大事なものをどんどん奪っていくのかって」

 

…桜。

 

「でも私幸せそうに笑う先輩を見て気づいたんです。その視線の先には同じように幸せそうな遠坂先輩がいて、先輩に必要なのは私じゃないんだって。やっぱり私な…」

 

「それは違うわよ桜」

 

私は悲しそうに俯く桜の言葉を切った。

 

「えっ?とおさかせんぱい?」

 

「違うの桜。士郎にはあなたが必要なのよ。だって士郎言ったじゃない桜は家族だって。だから桜、あなたも士郎には大事な家族の一人なのよ」

 

そして、あなたは私にとっても養子に出され離ればなれにはなってしまったけど、血の繋がった大切な妹なんだから。

そう、だからもうあなたを一人になんて、そんな寂しい思いはさせない。

 

 

「……ありがとうございます。遠坂先輩、絶対に幸せになってくださいね。じゃないと私許しませんからね」

 

 

そう言う桜の顔は、同じ女性の私でさえ見惚れそうな、そんな優しい微笑みだった。

 

 

「大丈夫よ、士郎は絶対に幸せにするわ」

 

「それじゃダメなんですよ」

 

「えっ?」

 

「言ったじゃないですか。幸せな遠坂先輩が一緒にいること、それが先輩の幸せなんです。だから先輩だけじゃダメなんです。遠坂先輩も幸せでないと」

 

「…桜。ありがとう。大丈夫私も士郎と一緒に幸せになってみせるから」

 

その言葉を聞くと桜は、はいと微笑み、そろそろ昼休み終わっちゃいますねと教室へ帰っていった。

うん、大丈夫。こんなにも私たちのことを思ってくれる人たちがいるんだから。

 

私たちは絶対幸せになれる!

 

さぁ後は士郎にプレゼントを渡すだけね。

そういえば、士郎話しがあるなんて言ってたけど何だろう。

まぁいいか、全ては帰りには判ることだ。

 

私は弁当箱をしまうと屋上をあとにした。

 

全て授業が終わると先にHRが終わったらしく、士郎は教室前の廊下で待っててくれた。

 

「橋のとこの公園で話そう」

 

士郎はそう言うと下駄箱へ歩き出した。

その後も、士郎は無言のまま隣を歩いている。

まぁ、いつもそんな色々としゃべる分けじゃないから別段いつもと違うってことはないんだけど、なんか士郎の様子はおかしい気がする。

にしても、この後どうこのプレゼントを渡してやったらこいつを驚かした上で喜ばせれるかな…

う〜ん案は色々あるのにどれも決め手を欠くな、どうしよう。

 

 

「…遠坂」

 

呼ばれて気づくとそこはもう橋の下の公園だった。

あっちゃ〜まだ決まってないのに、こうなったらシンプルに渡すってのもありかな。

普通の女の子みたいにおめでとうなんて微笑みながら渡したらこいつのことだから、耳まで真っ赤にして極上の反応をしてくれることだろう♪

と、その前に、

 

「で、士郎朝言ってた話しって何?」

 

何故か士郎は俯いてる。

自分から話しがあるって言ってたのにどうしたんだろ?

 

「士郎?」

 

「あぁ、遠坂今から言うことにちゃんと本音で答えて欲しいんだ」

 

は?何よいきなりこいつは。

 

「うん。いいけどどうしたのよ士郎」

 

「なぁ俺ってそんなに頼りないか?」

 

「…士郎?」

 

「ここ最近の遠坂はおかしかった。話していてもいつも上の空で、学校でも何か悩みこんでるようでいつ聞いても大丈夫としか言ってくれなかった。帰りもいつ間にか帰ってるし」

 

それは士郎のプレゼントを悩んでたからで…

 

「それに、この前見るつもりはなかったんだけど偶然新都の喫茶店で一成と話してるの見たんだ」

 

あっちゃ〜見られたんだ。

 

「士郎あれは別に…」

 

「判ってる。判ってるんだ。でも、正直不安になった」

 

私の返事を士郎は切って答えた。

 

「不安…?いや違うか、恐いんだ。遠坂がそばから居なくなっちゃうんじゃないかって」

 

…士郎?

 

「俺、一成みたいに頼りになるわけでも、おもしろいことをそれこそ慎二みたいにしゃべれるわけでもない。そんな俺が遠坂と付き合ってるなんて、こんな幸せ俺には手にする資格なんてないかもしれない。でも、それでも俺は遠坂と一緒にいたい。俺には遠坂が必要なんだ」

 

 

私、ホントにバカだ。士郎の優しさを勘違いして、士郎は私のこと好きでいてくれるって自惚れて。

士郎の気持ちなんか考えずに…

何がハッピーにしてあげるよ。

自分だけが士郎の愛情に包まれて幸せになって、士郎がどれだけ苦しんでるかも考えずに無償の愛を求めて。

苦しんで、それでも士郎は私のことを想ってくれてるのに。

 

「ちょっとでいいんだ。少しでも俺が力になれることがあったら言って欲しいんだ」

 

答えなきゃ、士郎は私のことをこんなにも想ってくれてる。

そばにいて欲しいと、必要だと言ってくれた。だから、

 

「ありがとう士郎。私にもね士郎が必要なの、一緒にいたいの」

 

嘘偽りのない遠坂凛の衛宮士郎への想い。

 

「士郎、あなたを愛してるから」

 

こんな自分勝手で、女の子らしくなくて、でもそんな私を心から想ってくれる士郎への答え。

 

「それとね、最近悩んでたのはこれのことなの」

 

私は鞄からラッピングされた箱を取り出す。

 

「士郎、誕生日おめでとう」

 

「えっ、もしかして遠坂がずっと悩んでたのって俺の誕生日プレゼントだったのか?」

 

「そうよ悪い?だってしょうがないじゃない、男の子がどんなものもらって喜ぶかとかわかんなくて。柳洞君ともねアドバイスを貰っただけなの」

 

「そっか、ありがとう遠坂。本当に嬉しい」

 

そう微笑む士郎の顔は、夕日に照らされたのもあってかどこかとても優しくてそして、かっこよくて。

 

「なぁ開けていいか?」

 

私はつい見惚れてしまってた。

 

「遠坂?」

 

「えっ、あぁもう士郎にあげたんだし好きにしていいわよ」

 

「そっか」

 

士郎はほどいたラッピングをポケットに収めると、ゆっくりと箱を開いた。

そして、ネックレスを取り出そうとした時ふたの裏側に刻まれたメッセージにに気づいたらしい。

耳まで真っ赤にして固まってらっしゃる。

まっ、あのくらいの英文判ってくれなきゃ困るんだけどね。

 

私は箱からネックレスを取り出し、付けてあげるね。とちょっと背伸びして士郎の首に手を回し付けてあげた。

ふふ、士郎ったらまだ固まってる。と、

急に士郎に抱きしめられた。

 

「ちょ、士郎!?」

 

いきなりのことに動揺している私に士郎は優しく微笑むと、

 

「ありがとうもう大丈夫だから。俺自信ついたから遠坂は俺のだって。俺今本当に幸せだ」

 

全く普段は唐変木の朴念仁のくせにどうしてこういう時だけこいつは、

 

「だから言ったでしょ、私が士郎を最高にハッピーにしてあげるって」

 

「あぁ。だから俺も遠坂を幸せに出来るようもっと頑張るからな」

 

あぁ、私今士郎の温かさで満たされてる。

体温も、優しさも、想いも、士郎の全てが私を温かく包んでくれてる。

 

「うん」

 

でもね士郎、私士郎にもうこんなにも幸せにして貰ってるんだよ。

だから安心してね、私は士郎のそばからいなくなったりしないから。

 

そして私たちはキスをした。

優しく、お互いの心が触れ合うような優しく温かいそんなキスを。

 

 

夕日に照らされ、士郎の片手の箱に刻まれた金色のメッセージが輝いていた。

これからもずっとあなたのそばに一緒にいたい、そんなあなたへの思いを込めたメッセージ。

 

 

 

I'LL ALWAYS BE YOURS NOW AND FOREVER〜今も、これからも私はあなたのもの〜

 

 

 

そう、ずっと私はあなたと一緒にいるからね士郎。

 

 


 

 

後書き

ということで「NOW & FOREVER 〜いまも、これからも〜 」完結です。

最初に書き始めてたのにいつの間にか変更に変更を重ねこうも完成が長くなってしまいました。

 

NOW & FOREVER の含み…期待された方、なんか期待はずれですいません。

ホントはもっと色々考えてたんですけど矛盾とか色々とあり、結局は実力不足です。。。

 

次回作もっと頑張らねば。

 

では、この度も読んでいただきありがとうございました。