季節は秋。

聖プレジデント学園は来る学園祭に向けて盛り上がっています。

生徒会も大忙し。

文化部部長の野梨子を中心に、毎日放課後をまともな生徒会活動に勤しんでおりました。

毎年恒例のミスタープレジデント&ミスプレジデント投票も、今年もまた生徒たちは心待ちに

しております。

とはいっても、毎年ミスターもミスもやはり有閑倶楽部内から選ばれているのですが・・・。

倶楽部メンバーが一年のときは、美童と可憐が選ばれました。

選ばれた二人はダンスを披露することになっていますが、この二人の艶やかで華麗なステップは

皆をうっとりとさせました。

二年のときは、前年とは打って変わって渋いカップル、清四郎と野梨子が選ばれました。

美童と可憐ほどの腕前はないものの、この二人の凛としたダンスに、皆ため息をつきました。

昨年は美童と野梨子が選ばれました。

意外な組み合わせに思えたこのカップルのダンスは皆の目を引きつけました。

お互いの長所を伸ばし、お互いの短所をカバーし合いながら、優雅にしっとりと踊っておりました。

今年はいかに・・・。

 

学園祭当日。

今年のミスター&ミスは魅録と野梨子に決まりました。

そのことを生徒会室で聞いた魅録は・・・

「はぁ!?ちょっ、まじで!?っていうかありえねぇんだけど!」

激しくうろたえておりました。

「いや、まじで!、踊れねえし!俺が選ばれるなんて意味わかんないし!」

「あら〜そんなことないわよ〜。魅録もてるんだから〜。」

「そうですわ。魅録は素敵な殿方ですわ。ご一緒できて光栄ですわ。」

「ヒューヒュー魅録。やるじゃん!」

「辞退する!二位は誰だよ?美童?清四郎?」

「何を言っているんですか、魅録。ここは潔く舞台に上がってください。名誉なことですよ。」

「そうだよ〜。大体譲られてなんて嫌だよ。」

「じゃあ、具合悪くなってきたっつーことで・・・。」

「往生際悪いなぁ。」

「魅録はわたくしと踊ることが嫌ですの?」

「はっ?いやっそうじゃなくて。野梨子とが嫌なんじゃないから!踊ることが嫌なんだよ。

それだけ!」

「まあまあ、余興なんだからさ。楽しもうよ。」

「そうだよ魅録。あたいが見守ってやるよ!」

「男なら覚悟を決めなさいよ。」

「生徒会副会長として、楽しみにしている女生徒達を裏切らないでください。」

「うるさ〜い!おまえら楽しんでるだろ!!!」

 

ミスター&ミスの表彰式が始まろうとしておりました。

野梨子はすでに舞台袖で待機しております。

黒髪を珍しくアップにして、ティアラをのせ、着物ではなくドレスに身を包んでいます。

その美しさときたら・・・同性であり、いつもラブレターの数を競っている可憐ですら

ため息が出るほど。

その野梨子を待たせていた魅録が逃走防止に清四郎と美童に脇を固められて

登場しました。

タキシードを着た魅録は相変わらずかっこよく、その姿を見慣れている野梨子も

思わずにっこりしました。

そして魅録は・・・・野梨子を見て息を呑み、顔が真っ赤に染まりました。

野梨子が魅録に歩み寄り、手を差し出しました。

「エスコートしてくださいな、魅録。」

「魅録、うらやましいなあ。」

「そうですよ。野梨子ファンに相当恨まれるでしょうな。」

魅録はおずおずと野梨子の手をとりました。

「まいりましょう。」

野梨子に促され、舞台に足を進めました。

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