一足先にニューヨークへ来ていた2人は、もうすぐ到着する豊作を迎えに空港へ向かった。

魅録は上機嫌で運転を楽しんでいる。

「魅録は本当に好きですね、運転が。」

「おう!気持ちが落ち着くぜ。」

空港のVIP専用の出入り口に車を停め、VIPルームに入ると、豊作が待っていた。

「やあ、すまないね。迎えに来てもらって。」

「こっちもドライブできて気分転換になりましたから。」

「魅録くん、頑張っている様だね。清四郎くんから報告を受けたよ。」

「いや、豊作さんの足引っ張らないようにって・・・。」

豊作は微笑み、鞄の中から封筒を取り出した。

「これ、悠理から。」

魅録はその封筒を受け取った。

「悠理、付いて来るって大騒ぎだったけどね。」

「ほう悠理がラブレターですか。」

魅録が封筒を開けると中からはらはらと何かが舞った。

「桜の・・・花びら?」

絨毯に散った淡いピンクの沢山の花びら。

「これは風流ですな・・・・。」

清四郎は屈むとその一枚を手に取った。

「君達がこっちに発ってすぐに開花宣言が出てね。帰る頃には散っているかも

しれないなあ。」

魅録はしばらく舞い落ちた桜を見ていた。

「あっそれからこれは清四郎君にって。」

豊作がもう一通封筒を取り出す。

清四郎は受け取り、封を開けた。

中には紙が一枚。

魅録が清四郎に視線を走らせたので、清四郎はその紙を

ぴらぴらと振って見せた。

「僕へはニューヨークの美味しいお菓子のリストですよ。買って来いって。

とんだラブレターですな。」

魅録は再び足元の桜を見つめた。

「清四郎・・・・俺、悠理に約束してたんだよな・・・久しぶりに花見しようって。みんなでさ。」

「・・・・・・。」

「無理かもな〜。」

清四郎は床に散った花弁を集め始めた。

なにやら思案顔だ。

魅録は悠理に電話をしていた。

「俺・・・・・起こして悪い。さくらサンキュ。花見無理そうで悪いな・・・・・うん。・・・・・・ああ。・・・じゃな。」

魅録の電話が終わると清四郎は部屋を出て行った。

二日後、ニューヨークでの仕事にけりがつき明日は帰国だったが、清四郎が

突然このまま帰国すると言った。

別に異存はなかった。

豊作は明日、イギリスに出発する。

「まったく、なんで僕がこんなことを・・・。僕は悠理の秘書ではないんですけどね。」

そう言いながらも、悠理へのお土産を次々に購入する清四郎の後に付いて

荷物持ちをしている魅録は、なんだか可笑しかった。

ニヤニヤしていると、清四郎が不機嫌な声を出した。

「魅録、自分の妻の面倒くらい自分で見て下さい!」

「や〜悪いね。助かるよ。」

「まったく。手当てが欲しいくらいですよ。」

大量のお菓子を車に積み、空港へ急ぐ。

空港へ着くと、見覚えのあるトライスターが泊まっていた。

「あれ?迎えに来てもらったのか?」

「ええ。そろそろ出発しますから急ぎましょう。」

タラップを上がるとそこには・・・・手を振る悠理。

「悠理!?」

「魅録ちゃん、お疲れー。」

悠理は軽くジャンプして魅録に抱きつく。

魅録もしっかり悠理を抱きしめた。

悠理のふわふわの髪が魅録の鼻をくすぐる。

「ご苦労様でしたね、悠理。」

清四郎が声をかける。

「おまえちゃんとあたいの菓子買ってきただろうな。」

魅録の肩に顔を乗せたまま悠理が言った。

「・・・・ちゃんと買ってきましたよ。それより中はどうなんです?」

「もちバッチリだじょ。」

悠理は魅録から下りると、二人を手招きして中へ入っていく。

後ろから付いて行った魅録は客室に入ると息を呑んだ。

「「「魅録、清四郎、お疲れ様。」」」

そこには野梨子、美童、可憐の三人と部屋中に桜。

「危なかったんですのよ。一日遅ければ雨で散ってしまっていましたわ。」

「良かったわよ〜間に合って。」

「これ飾るの大変だったけどね。」

桜の枝が天井を覆い、綺麗な花をつけている。

そして時折ひらひらと花びらが散っていた。

「すげ・・・・・。」

魅録はただただ驚いていた。

「これはなかなかですな・・・・。」

思っていた以上だったのか、清四郎も驚いているようだ。

「ささ、宴会だよ!」

「そうだじょー!日本に着くまでまで花見三昧だ!」

「おまえ・・・だろ?どう考えても。」

魅録が清四郎を見る。

清四郎は微笑んで魅録を見た。

「いちいちやる事が憎いんだよ。」

「悠理が呼んでますよ。」

二人はスーツの上を脱ぎ、ネクタイを外した。

 

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