10月。
金木犀の花が香る。
あたいの教室の窓から外を見ると、生徒がメインに使ってる玄関に
続く石畳の道があり、両脇に金木犀が何本も植わっている。
毎年この季節になるとたくさん花を咲かせて、ちょっとくどいくらいに
金木犀の香りがする。
その道の向こう側にはまた校舎があり、清四郎のクラスがある。
あたいはよく窓の外を眺めていた。
向こうの校舎の清四郎を追って。
物静かに読書をしている清四郎。
前に立って発言している清四郎。
野梨子と何か話して笑っている清四郎。
女の子達に囲まれて困った顔の清四郎。
魅録と何か真面目顔をして話している清四郎。
おねだりモードの可憐や美童に何か言いながらもノートを差し出している清四郎。
珍しく眠たそうに授業を聞いている清四郎。
授業中こっちを見て、前を向くよう手で指図する清四郎。
いろんな清四郎が金木犀の香りと一緒にあたいの脳に記憶される。
他の場所で金木犀の香りがするとすぐに清四郎の顔が浮かんできて、
なんだかムズムズする。
そんな金木犀があたいは好き。