国際線のフライトを終え、一週間ぶりに俺は自宅に帰ってきた。

車庫入れをしていると、玄関のドアが開く音が聞こえ、走ってくる足音。

「魅録!お帰りなさい!」

「おう!」

「聞いてくださいな!魅録。あの、わたくし、あの・・・・。」

野梨子の顔が上気して赤くなっている。

「どうした?野梨子。何かあったのか?」

「ありましたの!とっても良い事が。」

「何?」

「わたくし、赤ちゃんを身ごもりましたの!」

「えっ?!・・・・・・・まじっ?!」

「本当ですわ!私のお腹の中に魅録の赤ちゃんがいますのよ!」

野梨子が必死に、嬉しそうに俺に伝える。

「すげーー!!!野梨子!やったな!」

俺は思わず野梨子の体を抱き上げた。

「まあ、魅録!気を付けて下さいな。」

野梨子がこぼれそうな笑みで俺を見下ろす。

「とにかく家へ入ろう。」

「お風呂の準備が出来ていますわ。」

一風呂浴びて、夕食の食卓に着いた。

「で、いつ生まれるんだ?」

「来年の五月のはじめ頃ですって。新緑の季節ですわ。」

「いい季節だなあ。」

「そうですわね。楽しみですわね。」

「お茶のことはどうする?」

「母さまと相談してみます。無理の無い程度にと考えていますけど・・・。

実家での手伝いとかなら出来そうですし。」

「そうだな。無理するのはよくねーけど、無理して家に閉じこもるのもよくねーな。

親父さんとお袋さんは喜んでた?」

「まだ言ってませんの。一番最初に知らせる人は魅録って決めていましたから。」

「そっか。じゃあ、後で電話しとけよ。」

「そうしますわ。」

野梨子は本当に嬉しそうだ。

俺も嬉しいが、赤ん坊より俺の子を身ごもって嬉しそうにしている野梨子を見るのがすげー嬉しい。

男は実感ない分こんなものなのか?

それとも俺って酷い親父?

こんなこと考えること自体浮かれてる証拠か?

夜は二人で抱き合って寝た。

野梨子のお腹から幸せのオーラが溢れ出していた。

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