港の近くの公園に来ていた。
魅録は柵に腕をかけ、煙草を咥えながら海を眺めている。
その端正な横顔を私は見つめていた。
視線に気付いた魅録がこっちを見る。
「どうした?」
「ううん、なにも。ただあんたの横顔に見とれていただけ。」
魅録の顔が一瞬にして赤く染まっていく。
「あんたの顔ってどうしてそんなにカッコイイのかしらね。」
追い討ちをかけてみる。
「・・・・・なんも出ねーぞ。」
「あら残念。キスぐらいもらえると思ったのに。」
魅録はまた海へと視線を戻した。
「・・・・・・後でな。」
この男が昔族の頭をやっていて、今でも大きな影響力を持っているなんてね。
私の前ではむしろ可愛い感じなんだけど。
やっぱり同級生って子供だわ。
でも魅録は頼りがいなら、今まで付き合ってきた年上の元彼達以上にあるけど。
私は飽きずに海を眺めている魅録の背後に回り、
後ろからその腰に手を回して抱きついた。
「なんだ?どうした?」
「いいの。このままでいて。」
私はしばらく魅録の匂いと温かさを堪能していた。
「ねえ魅録・・・・・。」
「ん?」
「抱かれたいんだけど。」
「はあ?」
「いやねえ。何度も言わせないで。」
「・・・・・・行くか。」
「どこへ?」
「野暮なこと聞くなって。」
私は腕を離し、振り返った魅録の腕に絡めた。
艶っぽく魅録を見上げる。
「まったく・・・・やられっぱなしだな、俺。」
「あら、それはお互い様。この可憐さまもあんたに夢中だわ。あんたの
一挙手一投足をいつも追ってしまう。それこそ夢の中でも、ね。」
駐車場へ向って一歩踏み出した私はすこぶる上機嫌だ。
やっぱり恋に生きなくちゃね。