今日はクリスマス・イヴだ。
当然のように私は清四郎と会っている。
でもこの後、倶楽部のメンバーと剣菱邸でクリスマスパーティーだから
あまりゆっくりっていうわけにはいかないんだけど。
清四郎の部屋で貴重な二人だけの時間。
私は清四郎に手編みのマフラーを渡した。
もちろんセンスのいいマフラーに仕上げたつもり。
手作りは下手すると野暮ったくなってしまうので、とても神経を使ったわ。
清四郎の首に巻いてあげる。
「よく似合うわ。」
「ありがとう、可憐。手作りなんて嬉しいですね。」
「そうよ〜。この可憐様が思いを込めて編んだのよ。
これが欲しくって仕方が無い男子生徒はたくさんいるんだから。」
「それは気を付けないとですね。狙われそうだ。」
清四郎が笑う。
「これは僕からのプレゼントです。どうもこういうことは苦手で・・・。
何がいいのか全く分からなくて。気に入ってもらえるか不安ですが・・・。」
と清四郎は小さな包みを差し出した。
アクセサリーか。まあ無難ね。
箱を開けると、とても繊細なイエローゴールドとホワイトゴールドの二連の
ブレスレットだった。
意外とセンスいいじゃない。
おろおろしながらプレゼントを選ぶ清四郎を想像してちょっと可笑しかった。
「ありがとう、清四郎。」
早速付けてみる。
「どうかしら?」
「も少し制服の袖を上げてください。」
「こう?」
「うん、想像した通りです。細くて白い可憐の手首にすごく綺麗なんじゃないかと思ったんですが。」
ブレスレットはとても細いのだがキラキラと綺麗に輝いた。
「その・・・白いシーツの上でとても映えるんじゃないかと・・・・。」
珍しく清四郎が顔を赤くして視線を落とした。
そういうことを想像して選んだのね!
私は思わずにんまりした。
清四郎も可愛いところあるわね。
「分かったわ。清四郎と会うときは必ず付けるわ。」
清四郎がほっとした顔をした。
「でもね、清四郎。実はもう1つプレゼントが欲しいんだけど・・・。」
「?何ですか?なんかすごいものですか?」
「すごい・・・かもしれない。」
「とにかく言ってみてください。」
「あのね・・・。明日一日、学校で普通の恋人同士みたいにして欲しいの。」
「と言うと?」
「例えば〜手をつないで登校したり、移動したり、二人きりでお弁当食べたり、
あっこれはダメね。明日は終業式だった。・・・・・腕も組んでみたいし。」
清四郎はちょっと怪訝そうな顔で私を見た。
「だって、いつも普通だもの。学校にいるときって。たまには皆に見せ付けたいわ。
私たちのラブラブなところ。」
「そういうもんですか?」
「そういうもんなの!」
そうだ。私たちは付き合い始めても、校内ではそれまで通りに過ごしている。
生徒会室ではたまにくっつくこともあるけれど、
もしかしたら私たちが付き合っていることを知らない生徒もいるかも。
最近なぜだか、皆に見せたい。
今の私たちの姿を。
私はこの人のことが大好きって皆に訴えたい。
この人は私のことが大好きなんですって知らせたい。
清四郎は少し考えていたが
「いいでしょう。明日は一緒に登校しましょう。野梨子には
断っておきます。駅まで僕が迎えに行きますよ。」
「本当?!いいの?!嬉しい!」
私は清四郎に抱きついた。
「なにが嬉しいんでしょうかね?よく分かりませんが。
こんなに喜ぶならまあ良いです。」
清四郎はそう言いながら私の顎を上げた。