「おまえさ〜。なんでいつも俺の後ついて来んの?」
「え?いつも言ってるじゃない。あんたのことが好きだからよ。」
「・・・・・・・。」
「だからいつも一緒にいたいの。悠理はよくて私はダメなの?」
少し先を歩いていた魅録は立ち止まり、後ろを振り返った。
「それ、マジで言ってんの?」
「嘘なんか言うわけないでしょ?ひどいわね〜。」
「だっておまえ玉の輿狙いだろ?」
「そうよ。十分玉の輿だわ。」
「親父はたんなる公務員だぜ?」
「あら。あの地位は誰でもつけるものではないし、お母様のご実家も上流階級じゃない。」
魅録はちょっと仏頂面になった。
「ふ〜ん。」
「でも、一番は魅録の魅力よ。将来性も含めてね。」
「そんな、たいした男じゃねーけど。」
「それは自分が思ってるだけでしょう?清四郎に一目置かれてる奴なんてそうそういないわよ。
魅録はかっこいいわ。顔ももちろんだけど、内面もね。何年一緒に過していると思ってるの?」
「なんだかなぁ。」
「疑い深いわね。私は魅録が大好きなのよ。一緒にいたいの。玉の輿とか、そうじゃなくて・・・
ただ一緒にいたいのよ。」
魅録はまた前を向き、歩き始めた。
「ねぇ・・・・無視するの?信じられない?私の言っていること。」
魅録は立ち止まり、手を差し出した。
「ほら。来い。」
可憐は差し出されたその手に、自分の手を伸ばし、そっと重ねた。
「離さないからな。覚悟しろよ。」
「覚悟?この可憐さんを甘く見てもらっちゃ困るわ。」
可憐は嬉しさをにじませながら笑った。
「だな。おまえ結構根性あるもんな。」
魅録も微笑んだ。
「大好きよ、魅録。」
可憐はじっと強く魅録を見つめた。
「あなたが大好きでしょうがないの。」
魅録は可憐の頭をぽんぽんと軽く叩くと、優しくその体を抱き締めた。
「まあ・・・なんだ・・・・その・・死ぬまでよろしくな。」