Aura Design
CD-50の修理とトランスポート(?)聴き比べ

1. はじめに
CD-50はAURA
DESIGN初のCDプレーヤーで1992年夏頃、雑誌に広告や試聴記事が載ったものの、デザインの変更(パネルの高さを低くしてより薄型に見せようとした)で出荷が延期となり、年末になっても入荷の見込みが立たず、年明けには輸入代理店が潰れ、新代理店YUKIMUが設立され3月ごろにやっと第1ロット(20台も無かったらしい)が入荷、私は第2ロットの物に予約を入れ、4月末だったか5月初めだったかにやっと買うことが出来たという思い出があります。
初めはAURAのアンプVA-50に惚れ込み、それにデザインが合うCDプレーヤーは同じAURAしかなかったので、音も聴かずに買ってしまったのでした。冬のボーナスで買うつもりだったので、実際に手に入れるまで5ヶ月くらいかかりました。それだけ待っても欲しいほどAURAに惚れ込んでいたのです。
しかし寄る年波には勝てず、2006年ごろトレイが自動で開閉できなくなり、ずっと使わずにいました。ただ捨てるには忍びなく保管しておいたのです。このページの後半で書きますが、たまたま気が向いて手持ちのトランスポート(?)の聴き比べをしたところ、結果が一番良かったので修理して復活させることにしました。
故障の原因はトレイ駆動用のギアが壊れたことと分かっており、交換用のギアがヤフオクに出品されていることも知っていましたので、それを購入して交換することにしました。
写真は相変わらずへたくそで、CD-50本来の美しさが伝わらないと思いますが、左端にPCのモニターの一部が写りこんでおり、パネルの鏡面仕上げの具合がお解かりいただけると思います。これだとピカピカ過ぎて存在感が強すぎると思われるかもしれませんが、実際には鏡の様になり周りの景色を写し出し、部屋の中に溶け込み、その存在感を消し去ります。
2. 修理
まずは蓋を開けます。

結構スカスカでちゃちな造りです。鉄板を折り曲げたケースにフロントパネルを付けただけで、防振対策も何もあったものではありません。メカの厚みに対しケースの縦方向はぎりぎりの寸法で薄型を実現しています。そういえばカタログにはSlim
Driveと書いてあったくらいで、ヨーロッパ製品でよく使われるフィリップスのドライブの中では最も薄型のものを使ったのでしょう。
左奥の電源トランスも基板実装タイプで小さく頼りないほどです。DACはSAA7321GP、フィリップスのビットストリーム第2世代でDAC7の一つ前の物が使われています。アナログ段と思われるOPアンプにはOPA2604が2個使われています。電解コンデンサはニチコンVXとMUSE
BPで日本製かと見まがうばかりですが、ケースにはMade
in UKと書いてあります。ただ、フィルムコンデンサはWIMA MKTやメーカーや型番は分かりませんが(フィリップスかもしれない)筒型のものも使われているのがヨーロッパっぽい(UKですが)感じがします。
メイン基盤は無色透明のレジスト(コーティングかもしれない)がなされているみたいで、銅箔の色がそのまま出ています。他の基板は普通の緑のレジストで、意味があるのか無いのか分かりません。
トレイのパネルが剥がれかかっているのは、一度は剥がし粘着力が落ちたたからで、ご愛嬌と言うことで。(このパネルは、ジェル状の粘着材で貼り付けてあるだけです。)
これがメカ(CDM
9)を裏から見たところです。
一部見えているピンク(肌色?)の円盤状のものが問題のギアです。
ギアが付いた板はトルクスねじで取り付けられているのですが、ネットからの情報で六角レンチでも回せることは今回はじめて知りました。

これがCDM 9本体です。
スイングアームであることが良く分かります。
シャシーはダイカストのようです。

これが問題のギアです。
左が壊れた(歯が欠けた)もの、右が交換する新品です。
新品にはMade in
Japanと書いてあります。
交換後は自動でスムースに自動開閉できるようになりました。
本来は電解コンデンサも交換した方が良いのでしょうが、とりあえず動作はしているのでそのままにしておきます。(本当は面倒くさいだけです。)
ついでにパネルを取り外して中性洗剤で洗い、汚れが落ちて本来の輝きを取り戻したのは良いのですが、ロゴや操作ボタンの文字が全部取れてしまいました。シルク印刷ではなく、いわゆるインスタント・レタリングのような物を張っただけのようです。まあ、何とも、いやはや・・・
3. トランスポート聴き比べ
話は前後しますが、たまたま気が向いたので手持ちのトランスポート(もどき)の比較試聴を行ないました。トランスポートと言ってもCDプレーヤーとCD-ROMドライブですが・・・
DACはASRC・DACなので差が出ないかとも思いましたが、そんなことは無くはっきりと差が出ました。ASRCはアシンクロナスの名の通りデータの読み込みクロックと読み出しクロックが異なり、自作のASRC・DACでは読み出しクロックに低ジッターと言われる「LC
Clock
XO」を使っているので、原理的にトランスポートのジッターの影響は無いはずなのですが、そううまくは行かないのがオーディオの不思議です。
a)
CEC CD3300
たぶんCECオリジナル(サンヨー製?)のリニアトラッキング・メカニズムのCDプレーヤーで実売価格3万円くらいでした。
デジタル出力が光、同軸の他にバランス出力も備えています。
音質はナローレンジですがかまぼこ型のウェルバランスです。滑らかで音に厚みがあり、くっきり太目の音です。ボーカルは少し前に出る感じです。
音の広がりは少なめで、細かい音の再現と繊細さに欠けます。
価格の割には良くやっていると言う感じはします。
b) AOPEN CD956E
AOPENのCD-ROMドライブをI-Oデータのドライブケースに入れデジタル出力を取り出しただけの物です。ドライブは新品、ケースは中古でトータル2千円もかかりませんでした。
音質はナローレンジで低音がもわっとしていますが量はたっぷりしています。音に厚みはあり、パワフルですが、特に高域が荒い音です。また、もやっとした感じで音の分離が悪く、このあたりはセラミック発振子の音が出ているのかもしれません。しかしボーカルはくっきりはっきりで、音の広がりはあまり出ません。
ほとんど使っていないので、エージングすれば荒さはとれるのでしょうか、OSコンに換装等改造すれば良くなるのでしょうか、分かりません。
価格からすればコストパフォーマンスは極めて高いと思いますが、ケースが新品なら価格相応になりそうです。
c)
Aura Design CD-50
今回修理したフィリップス製スイングアームのCDM
9搭載のCDプレーヤーです。価格は定価18万5千円の2割引だったと思います。
音質はレンジも広く、フラットバランスか、軽いピラミッドバランスで低音も良く出ます。繊細で滑らか、かつクリアなサウンドですがボーカルは僅かに引っ込み気味です。音の広がりも十分で、そのクオリティーはCD956Eはもちろん、CD3300をも大きく引き離します。
価格を考えれば当然といえば当然かもしれませんが、輸入品でもありコストパフォーマンスは極めて悪いと思います。
と言うことで、常用機はCD3300からCD-50に変更しました。しかし、なんと美しいCDプレーヤーでしょうか!