The LPA (Low-Power Amp) の製作


1. はじめに     

   ある日突然PCが壊れたので買い換えました。その後突然モニターが壊れたので修理に出しました。今度はPC用アンプのTU-870の番か!ということでもないのですが、PC用アンプを作る事にしました。

  事の起こりは、ネットで「非革命アンプ」と言うものを見つけたことです。「革命アンプ」と言うものは知っていたのですがあまり気にしていませんでした。「非革命アンプ」の説明を見ているとLM380という有名なICを使い、無理やり(失礼)フィードバックを掛けると歪が大幅に改善すると言うものでした。で音も良いと。

  FMラジオの項でも簡単に述べましたが、しょぼいアンプICはやっぱり使い物にならないなと思っていましたが、LM380くらいになると使い方によっては化けるものらしいです。

  「革命アンプ」「非革命アンプ」をそのまま作るのも良いのですが、それだけでは面白くないので他のICも使ってみることにしました。


2. ケース

  まずは形からと言うことで、ケースを決めることにしました。


  タカチあたりの小型のケースでも良いのですが、左の写真のオーディオ・テクニカのAT-PA50のジャンクを入手しました。無骨ですがシンプルでなかなかカッコいいと思います。

  元々は2ch/4ch切り替え式のパワーアンプです。スペックは不明ですがサンヨーのパワーアンプIC、STK4121IIを2個使いで25W x 4もしくは50W x 2のトータル100Wのアンプのようです。そのほかロームのローノイズOPアンプBA15218Fも使われています。






 次に内部写真を載せておきます。

  結構高密度に組まれていて、かなり熱くなりそうです。(余計なお世話)

  さすがトランスも磁気シールド、シュートリング付きでハム対策をしているようです。

  整流コンデンサは4700μFとメーカー製のこのクラスのアンプでは妥当な線でしょうか。メーカーは東信工業の85℃品です。その他の電解コンデンサも東信製で中国製は使われていないようです。

  と、良くみたらMade in Japanでした。






3. ICの選定

  次にICをどうするか? 種類が多すぎるでLM380、LM386クラスで適当に候補を挙げてみました。

  条件としては

(1) アナログアンプ
    やっぱりアナログと言うわけではないのですが、今の時代こそアナログです!?。

(2) パッケージがDIPまたはSIP (ヒートシンクに取り付ける構造で無いもの)
    ヒートシンクに取り付けるものは本格的で性能がいいのは当たり前なので面白くありません。

(3) 外部フィードバックを付加可能
    革命、非革命アンプは本来の使い方とは異なる使い方で性能を上げていますが、これは十分研究された上でのことと思います。PC用アンプと言うこともあり、私は肩の力を抜いて遊ぶ程度にしたいと思っています。したがって、研究不要で簡単に出来るICにしておきたいと思います。

(4) 入手しやすく、安いこと
    言葉の通りです。


それで選んで見たのが下記のリストです。

型番 

最大出力 (mW) 

THD+N (%) 

電源電圧 (V) 

備考 

 LM380

 2500

 0.2

 18

 
 LM386

700

 0.2

 9

 
 TDA2822 

 1000

 0.2

 9

 DUAL
 NJM2073

 650

 0.25

 6

 DUAL
 TEA2025  

 2400

 0.3

12

 DUAL
 TA7368

 450

 0.3

 6

 


  測定条件がばらばらなので、単純比較は出来ませんが、参考までにそれぞれ代表的な条件での性能をまとめてみました。電源電圧は最大ではなく表の出力・THD+Nの時のものです。THD+Nも最大出力時のものではありません。

  LM386も有名なアンプで、LM380の弟分といったところでしょうか。ゲインは可変できますが、THD+Nは最低ゲインの26dBでの値です。似たような回路でのシミュレーションでは、ICは最大ゲインにしておいて外部でフィードバックを掛けた方が歪は1/2くらい良好になりました。ただ、発振するので位相補償が必要ですがシミュレーション上ではうまくいきません。ピーク周波数が変化するだけで位相有余はほぼ0で変わりません。今回はパスです。

  TDA2822はPC用スピーカーに良く使われているICのようです。NJM2073はそのコンパチだそうです。NJM2073のデータシートには外付けのフィードバックの掛け方(ゲインの落とし方)が書いてあり、低歪化が期待できます?

  TEA2025はオーディオ・テクニカのヘッドホン・アンプに使われているらしいのですが、評判悪いようです。(^_^;  これもゲインの落とし方が書いてあり手軽にフィードバックが掛けられます。スペック的にもLM380に似ており、しかも2回路入り。また、ソフト・クリッピングといううたい文句にも惹かれます。

  TA7368はFMラジオでだめだったICです。参考まで。今回は使いません。

  と言うことで、何となくTEA2025で行くことにします。比較用としてLM380の「非革命アンプ」も作ってみましょう。